今週以降の原油相場の見通し(つらつらコラム2019年6月25日)

先週を振り返ってみると、イランがアメリカの無人偵察機を撃墜したというニュース、アメリカが報復を行う、いや行わないというニュースが続けて流れたが、中東地域の原油供給への懸念から原油はそれまでの下落傾向が一転し高値で引けることになった(図1)。週末になると続報として、アメリカがイランに対しサーバー攻撃を行ったニュース、アメリカがイランの最高指導者と革命防衛隊の幹部に追加制裁を行うというニュースが流れ、週明けも原油は上昇している。

図1 2019年原油チャート(出展元 Investing.com)

今後の原油相場に対する私的な見通しについて述べておきたい。まず、来月初めにOPEC総会が開かれる。OPEC加盟国・非加盟国による協調減産が継続される見通しが広がっており、年後半の需給も締まる可能性がある。
アメリカとイランの間の対立は年後半も続くと考えられる。問題の1つとしてイランが核兵器開発につながる可能性のあるウラン濃縮を続けているという点があげられる。今週中にも2015年の核合意で定められたイランの低濃縮ウランの保有上限量を上回る見通しであり、昨日付で英仏独が核合意を守るように警告の書簡を送ったと報道されている。ただし、現状のイランが上限を受け入れるかどうかは全く不透明であり、ホルムズ海峡での攻撃が終息し次の攻撃がなかったとしても、対立材料はしばらく残り続けるだろう。近隣に目を転じると、サウジアラビアに対するイエメンのフーシ派による攻撃が断続的に続いている。これはイランとの代理戦争の一環である。現状、大きな被害はないが、万が一原油輸出関連施設が大きなダメージを受けるような場合、原油の上昇要因になることは間違いない。
また、ここしばらく続報はないが、ベネズエラやリビアの政情不安は終息したわけではないので、年後半に再び注目される可能性がある。(仮に、ベネズエラに親米政権が誕生すれば、下落の材料になるが。)
最後に、アメリカでは、東海岸最大級の製油所の火災と爆発事故によりガソリン精製設備が破損している。これによりしばらくの間ガソリンの供給量が減ると考えられる。これは短期的な上昇理由にとどまると思われるが、今週・来週のEIAのガソリン在庫がどう変動するのかに注目したい。

以上のことから判断すると、今後の原油相場は昨年高値である1バレル70ドルの水準まで上昇すると考えられるのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。