アメリカ産大豆の私的な見通し(つらつらコラム2019年6月24日)

大豆の値段が上がってきている。まずはチャートを見てみたい。

図1 2011-2019年大豆チャート(出展元 Investing.com)

今年の初めには1ブッシェル当たりおよそ900セントだった。この大豆価格は一年前の2017年より10%ほど安い。原因は2018年7月頃から始まる米中間の貿易摩擦で中国が米国産大豆に関税を掛けたことが発端となっている。その後、大豆価格は徐々に下落し、5月上旬には800セントを割り込む安値を付けた。これは南米の主要産地であるブラジルやアルゼンチンが天候に恵まれ豊作となったこと、中国での豚コレラの蔓延により飼料用大豆需要そのものが冷え込むと予想されたこと、アメリカの大豆在庫が輸出不振により積みあがっていることによっている。

その陰でアメリカは100年ぶりとなる降水量が多い冬を迎えており、雪解けの季節に多雨が重なったことで、春の洪水による作付け遅れが起きていた。その後も悪天候が続き、アメリカ大豆の作付けは当初の冷害で作付けの遅れていた2013年と同様のペースとなっている(2019年作付け率は6月16日で77%、昨年96%、平年93%)。今年の5月下旬以降はこの作付け遅れが注目され、大豆価格が上がっている。2013年は5月以後の天候回復で大豆生育の遅れは取り戻されたが、収穫時で下落しても1ドル以上だった(2012年が旱魃だったため単純比較ができないことには注意)。今年は2013年より生育条件が悪化しており、今後の天気予報も晴れるとの予報と雨が降り続くとの予報が混在している。もし、今年の大豆の不作が明らかになれば、中国向けの輸出不振や豊富な在庫があってなお、一段の価格上昇を招くのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。