南米産地速報(つらつらコラム1月22日)

 

南米コーン・大豆産地速報

今日は、南米産地のコーンと大豆の状況について紹介する。南米では昨年末に雨が少なく、乾燥によって農作業が遅れていることが報告されていたが、年が改まると、高温状態は続いているものの適度な降雨によって農作物の生育は順調に進んでいる。

アルゼンチン

図1は1月5日から11日にかけてのアルゼンチンの降水量をまとめたもので、コーンと大豆の主要産地のうち乾燥が進んでいたコルドバ州、サンタ・フェ州、エントレリオス州、ラ・パンパ州などで25mm以上の雨が降り農作物へ恵みの雨となった。また、気温は北部で30度半ばから後半となっている。アルゼンチン政府の発表によるとコーンの91.0%、大豆の95.3%の作付けが終了している。雨の少ない北西部で作付けが遅れているが、その他の地域ではほぼ作付けが終了している。USDAによると今シーズンのアルゼンチンのコーンの予想生産量は5000万トンで前年の5100万とほぼ変わらず、大豆の予想生産量は5300万トンと前年の5530万トンから減少している。

図1 アルゼンチンの降水量[1月5-11日](出展元 NOAA)
ブラジル

図2はブラジルの降水量の状況を示している。11日までの1週間でほとんどの地域で25㎜以上の雨が降り、乾燥が問題となっていた南部の主要産地であるリオグランデ・ド・スル州でも雨が降った。現地では依然として30度以上の高温状態となっているものの、コーンの74%が種子の発育段階にあり、大豆の25%が開花したか結実の段階に達している。パラナ州ではコーンの80%が発育段階に達している。北部の産地であるマトグロッソ・ド・スル州では2期作目のコーンが種付けの段階に達しているほか、大豆の産地でも降雨によって乾燥状態が改善されつつある。

図2 ブラジルの降水量[1月5-11日](出展元 NOAA)

マトグロッソ州など北部の産地では大豆の収穫が始まっており、前年同時期の6%に比べて1.8%と遅いスタートとなっている。大豆の収穫が遅れた場合、次に植えられるコーンの収穫に遅れとそれによる収穫の減少が出ることが予想される。ただし、ブラジル全体でみると大豆の生育は順調で、穀物コンサルタントの予想によると今シーズンの大豆生産量はアメリカを上回って1億2300万トン(前年比600万トン増)と過去最大(参考値アメリカ、2020年9600万トン、2019年1億2000万トン)となる見込み。コーンの予想生産量は1億100万トンと前年度から据え置かれている。

まとめ

今回は南米のコーンと大豆産地の状況をまとめた。アルゼンチンでは一部の地域を除いて作付けがほぼ終了している。ブラジルでは作付後の生育は乾燥により例年より遅れているが、こちらもピンポイントで雨の降っていない一部地域を除いては雨が降り生育に問題は出ていない。南米産地での干ばつの危機が当面は去ったことで、今年前半のコーンや大豆の供給面からの高騰はないと思われる。特にブラジル産大豆については過去最大量の生産が予想されており2019年/2020年シーズンでは世界最大の大豆供給国となる。今後の生育状況には注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。