リビア内戦再開か(つらつらコラム1月27日)

 

リビアにおける内戦再開の危機

26日付のニュースでリビアで東部を支配する武装勢力が中部の都市シルテから暫定政権に属する西部の主要都市ミスラタへ進軍を開始したほか首都のトリポリ付近でも戦闘が始まっているとの報道があった。今月19日に和平が成立したばかりだが、早速和平の崩壊が始まっている。

リビアにおける原油生産

ここでリビアの原油生産について振り返っておこう、リビアの原油生産量は内戦前の2010年には日量180万バレルに達していたが、カダフィ政権の崩壊とその後の内戦で激減(0まで減少)していた。その後ゆっくりと復旧が進み、今年年初の時点で日量125万バレルまで回復していた。今回武装勢力の進軍とともに原油生産施設の封鎖が進み、25日の時点で日量30万バレル程度まで減少、今後も封鎖が続けば7万バレル程度まで減少するとリビア国営石油会社は発表しているが、現在、在庫の取り崩しを行っているとも発表している。

リビアの供給停止の影響
図1 原油日足チャート(出展元 サクソバンク証券)

リビア一国の原油輸出が停止すると100万バレル規模の原油供給が減少するが、その影響はどのぐらいだろうか。古い記事では2011年2月の内戦激化の際には一方で0.6%上昇という記事が得られた。原油が1バレル80ドルだったことを考えると約0.5ドルとなる。また2019年の4月上旬にも同様に内戦状態が激化し、4月9日頃には武装勢力が暫定政府軍側を爆撃したとの情報から原油供給が滞ると懸念されて1.3ドルほど上昇した(図1の丸がその時期に当たる)。この時はイランやベネズエラへの経済制裁開始による影響があった時期なので、影響はこの3分の1程度の0.5ドル程度と考えた方が良いかもしれない。去年は有事相場は長続きしないとの言葉通り間もなく4月下旬に65ドル付近に達して2019年の最高値となり、間もなく下げに転じている。

まとめ

今日は速報として入ってきたリビアの内戦危機について想定される値動きについて考えてみた。失われるリビアの生産量は100万バレル程度と支援材料として今後も内戦激化のヘッドラインが入れば、0.5ドル程度の値上がりが予想できるのではないだろうか。現在のところ原油相場は新型コロナウイルスの感染拡大による需要減少見込みからの売りが強く上値が重い展開が続いている。こちらの方の影響が強くリビア情勢には今後の展開に注視は必要だが、原油価格への影響は一時的でかつ少ないものにとどまると筆者は考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。