南米産地速報(つらつらコラム1月29日)

 

コーン・大豆近況と南米産地

今週のコーンと大豆相場は最大需要地の中国での新型コロナウイルスの流行により、大豆需要やコーン需要の落ち込み懸念から相場は下落を続けている。今回の流行の終息までは日数がかかると予想される上、南米産地ではコーンと大豆の収穫が始まっている。今日は南米のコーンと大豆の状況について紹介したい。

アルゼンチン

図1は1月19日から25日の期間のアルゼンチンの降水量をまとめたもので、コーンと大豆の主要産地のうち、南部のラ・パンパ州や北部のコルドバ州北部では25mm以上の雨が降り、上昇した気温と十分な雨で良好な状態が維持された。一方で、コルドバ州南部からエントレリオス州南部、ブエノスアイレス州北部では雨が少ない高温乾燥状態となり、2毛作目の大豆に水分不足がストレスを与えている。アルゼンチン政府の発表では1月16日の時点でコーンの95%、大豆の96%の作付けが終了した。

図1 アルゼンチンの降水量[1月19-25日](出展元 NOAA)
ブラジル

図2はブラジルの降水量の状況を示している。1月19日から25日の1週間で月の初めは乾燥していた北東部や、マトグロッソ州北部では局所的に100mm以上、全体でも25-50mmの雨が降り作物の生育に有益な雨となった。ただし、乾燥した場所が点在していることが報告されていて、マトグロッソ州南部では30度以上となる季節外れの高温と25mm以下の少雨となっている。北部の主要産地のマトグロッソ州全体では大豆の14%の収穫が終了している。ブラジル南部の主要産地であるパラナ州とリオグランデ・ド・スル州では大部分で雨が少ない状態となっている。パラナ州では95%のコーンが受粉の時期を、リオグランデ・ド・スル州ではコーンの83%と大豆の52%が受粉の時期にある他、一部のコーンの収穫が始まった。

図2 ブラジルの降水量[1月19-25日](出展元 NOAA)
まとめと今後の相場見通し

アルゼンチンでは一部の地域を除いて作付けがほぼ終了した。今週は生産地の中部で雨が少なかったが北部と南部では十分な雨が降った。ブラジル北部では雨が降っていて順調に生育が進んでいる。ブラジル南部では、この1週間雨が少なく2期作目のコーンの作付けにストレスを与えている。生育は乾燥により例年より遅れているが、生育に問題があるとの報告はなかった。現在のところコーンや大豆の供給面からの高騰はないと考えている。一方で、現在最大需要地の中国での新型コロナウイルスの流行により、大豆需要やコーン需要の落ち込みが見込まれている。過去のデータによると2003年のSARSの際には畜産産業も影響を受け、コーンや大豆を原料とする飼料生産が3割減少したとの報告がある。今回の流行の終息までは日数がかかると予想されることや、生育の順調な南米産の収穫が始まるため、しばらくは相場は軟調となるのではないかと筆者は予想している。ただし、コーン相場に関してはUSDA発表のメキシコ向けの大型成約が発表されるなど、輸出に明るい兆しが見られているので、輸出情報には注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。