イラン情勢悪化(つらつらコラム1月7日)

 

司令官殺害と市場の混乱

アメリカとイランの間で軍事的な緊張状態が増して原油相場、金相場が上昇し、戦争状態への懸念からニューヨーク株式市場の株価は急落した。発端は1月2日にイラン革命防衛隊クトゥズ部隊のソレイマニ司令官がイラクでアメリカ軍の無人機による空爆で殺害された事件となる。同司令官は対外工作としてイラクでシーア派の武装組織の影響力拡大を進めており、今回も武装組織側と会合を行っていたとされている。司令官の殺害に対してイラン側は国葬を行い、5日にはアメリカの軍事施設への報復を警告したほか、2015年の核合意のウラン濃縮制限を遵守しないと宣言した。イラン側の宣言に対してトランプ・アメリカ大統領は攻撃があった場合には大規模な報復を行うと牽制を行った。これらを受けて6日の市場は金や原油の上昇、ダウの下落で始まったが、金や原油は下落、ダウは反発して引けており、市場は一旦落ち着きを取り戻しているように見える。

筆者の今後の見通し

今後について筆者の考えを述べる。まずアメリカとイランの間で全面的な戦争になるようなことはないと考えている。アメリカとイランの軍事力は隔絶しており、イランが望まない限りは戦争にはならない。一方で、イラン国内向けに強硬な態度をとる必要があるため、アメリカに対する何らかのテロ行為が行われる可能性が考えられる。
金相場は今回の事件で中東の緊張状態が高まり、シリア情勢が悪化した2013年以来7年ぶりの高値となっている。引き続きリスク回避の買いが入ることで金相場は堅調になると考えている。原油相場はしばらくは高値を維持するが、OPECプラスが協調減産を続けている状況のため上値は限定的で、実際に何らかの攻撃が行われない限りは70ドルを突破するような高騰はしないのではないかと予想している。今後も中東関係のニュースに注目する状況はしばらく続くと思う。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。