穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム10月14日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによる大豆・コーンの農作業進展状況

10月13日にUSDAから発表された最新のクロッププログレスレポートより2020/2021年シーズンの大豆とコーンの農作業の進捗状況について紹介する。今週はコロンブスデーのため1日順延した。10月12日の時点での大豆の落葉率と収穫率、コーンの成熟率と収穫率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率終了
大豆着サヤ率終了
大豆落葉率93%85%81%90%
大豆収穫率61%38%23%42%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率終了
コーンドウ率終了
コーンデント率終了
コーン成熟率94%87%69%87%
コーン収穫率41%25%20%32%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆・コーン共に残すはほぼ収穫だけとなった。この1週間は好天に恵まれて大豆が6割(前週4割)、コーンが4割(前週2割)と収穫作業が大きく進展した。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2に大豆の作柄予想を示す。作柄平均は平年(Fair)以上が89%と前週から1%の悪化となり、豊作(Good)以上も63%と1%の悪化となった。大豊作(Excellent)の割合は14%で据え置きとなった。前年との比較では、豊作以上の作柄の割合は今週も前年(54%)より9%高くなっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前37275112
2週前37265113
前週37265014
今週38264914
前年41032459
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想を示す。全体の86%の畑が平年以上(FairとGood、Excellent)の作柄と前週から1%の悪化となった。豊作以上(GoodとExcellent)の作柄割合は61%となり、こちらも1%の悪化だったが、大豊作(Excellent)の割合は1%改善した。豊作以上の割合は前年の55%を上回っている。今週はイリノイ州やミネソタ州、ノースダコタ州などで作柄改善が目立った。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前59254714
2週前59254714
前週49254814
今週59254615
前年411304411
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報となる。2週間後までのコーンベルトは西側を中心に平年以下の気温となる見通し。

図1 直近2週間の気温予報(出展元 NOAA)
降水量予報

図2は直近2週間の降水量予報で、コーンベルトの降水量は西側で平年並みから平年以上、東側では平年以上となる見込み。

図2 直近2週間の降水量予報(出展元 NOAA)
土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州17(14)34(31)49(55)0(0)
イリノイ州9(7)36(23)54(68)1(2)
ネブラスカ州27(25)46(42)27(32)0(1)
ミネソタ州3(2)17(12)76(80)4(6)
48州平均20(16)33(31)43(50)4(3)
表4 表層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州21(20)37(32)42(48)0(0)
イリノイ州9(7)34(25)55(66)2(2)
ネブラスカ州23(24)41(36)36(39)0(1)
ミネソタ州4(3)14(12)78(79)4(6)
48州平均17(16)33(30)47(51)3(3)
表5 深層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)

表4と表5はコーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分の調査結果をまとめたもので、表4が地表、表が地中の水分量となる。前週に続いてコーンベルト全域では雨が少なく乾燥が進んでいる。ただし、コーン・大豆ともに既に収穫期に入っており、作柄にほとんど影響しない見込み。コーンベルトとは直接関係ないが、小麦産地であるアメリカ西部では干ばつとなっており、カルフォルニア州やオレゴン州では山火事が発生している。

まとめ

大豆とコーンの農作業は今週も好天に恵まれ大幅に進展した。大豆では落葉率が93%とほぼ終了し、約6割の畑で収穫が終了した。コーンは成熟期を94%の畑が過ぎてこちらもほぼ終了、約4割の畑で収穫が終了した。
今後のコーンベルトは、気温が平年以下に降水量は大半の地域で平年以上の見込みとなっている。
作柄予想は大豆畑の63%(前週から1%の悪化)、コーン畑の61%(前週から1%悪化)で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となっている。コーン畑では大豊作(Excellent)の割合が1%改善した。大豆・コーン共に作柄はやや改善傾向にあるように見えている。
穀物相場は中国向けの大口輸出成約の発表は前月程多くはないが、毎週発表されている輸出検証高や成約高が依然として好調を保っていることで、輸出期待が支援材料となっているので、USDAから出される大口成約の発表には注意したい。加えて、大豆とコーンの一大産地である南米(アルゼンチン、ブラジル)やコーン産地である黒海沿岸(ウクライナ、ロシア)で干ばつとなっているため、アメリカ産農産物の需要拡大期待が高まると考えられる。以上のことから、大豆・コーン共に大豊作となったが、今週の相場も堅調となると考えられる。一方で、期待されていたアメリカ政府の検討している追加経済支援策の与野党協議の進展がなく、支援策の時期は大統領選挙後にずれ込むとの見方が強まっており、穀物にも換金売りが出る可能性がある。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。