エネルギー速報:リビアの産油量が日量100万バレルへ(つらつらコラム10月26日)

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前週のコラムで再開済みの油田の産油量が約56.0万バレルに達したとお伝えしたが、リビア産原油の産油量はさらに伸びる。図1はリビアの主な原油関連施設の地図となるが、19日に東部ベンガジ近郊にある日量7万バレルを生産可能なアブ・アティフェル油田が再開、次に同じく東部のズエイティナ港の近郊にある日量7万バレルを生産可能なズエイティナ油田が再開に入ったと伝えられた。またシャララ油田も増産が順調に進んでおり10日ほどで最大生産量の8割に当たる日量25万バレルまで生産が増強される予定。加えて、1か所合わせて日量9万バレルが生産可能なアルナフォーラ油田とアマル油田が前週再開したと伝えられた。

稼働中の油田の産油量と稼働を再開した油田の産油量の合計は83.1万バレルとなる。前週の産油量に26万バレル上乗せされる。図1で錨マークで示されているリビアの原油輸出港全てが再開されたため、生産を再開した油田がフル稼働すれば、NOC(National Oil Corporation)の発表した2週間以内に日量80万バレルとの目標の達成は間違いないと思われる。更に再開予定の油田の産油量を合わせると更に24.0万バレル上積みされた日量107.1万バレルに達して、4週以内に日量100万バレルとの目標も無理なく達成すると考えられる。昨年に始まった内戦前のリビアの産油量は日量120万バレルだったが、予算の制約とインフラの損傷があり、ここまで戻るのは難しいとNOCは発表している。

図1 リビアの原油関連施設概略(出展元 ブルームバーグ)
今後の見通し

OPECプラスの10月の話し合いは減産目標の達成と減産破りの補償の徹底という従来通り主張を繰り返したのみだった。一方で、アフリカ最大の原油埋蔵量を持ったリビアはOPEC加盟国ではあるが、昨年から再開された内戦のため、減産が免除されていた。そのリビアの原油生産が増大している。9月末の時点で日量10万バレル未満だった産油量は1ヶ月で5倍、2か月で10倍に達しようとしている。リビア産の原油がガソリン向きで価値の高い軽質油だったとしても、ここまでの産油量の急速な回復はOPECを始めとしてだれも予想しておらず、市場の最悪の分析ですらここまでの生産回復を見込んでいなかった。OPECプラス側では前々からサウジアラビアが減産枠の維持に積極的な姿勢を見せていたが、先週金曜日にはロシアのプーチン大統領が減産枠の縮小の延期に前向きと伝えられるなど、11月30日から12月1日のOPECプラスの全体会合で、減産枠縮小の延期が行われるのではないかという市場の期待が集まり始めている。

ハリケーン接近による短期的な見通し

昨日、カリブ海で熱帯低気圧「ゼータ」が発生し、前回のハリケーン「デルタ」と似たようなコースを辿りながら、メキシコ湾上の海上油田を直撃するコースで進んでいる。水曜日には油田地帯に達する見込み。勢力は強くはないものの、風力33メートル毎秒の暴風で油田の閉鎖が予想されることから、今週の原油相場は上下の動きが激しくなりそうだ。

図2 熱帯暴風雨「ゼータ」の予想進路(出展元 EIA)
海上の赤丸が海上油田(プラットフォーム)

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。