穀物速報:クロッププログレスレポートと南米の干ばつ(つらつらコラム10月27日)

ダイジェスト
クロッププログレスレポートによる大豆・コーンの農作業進展状況

10月26日にUSDAから発表された最新のクロッププログレスレポートより2020/2021年シーズンの大豆とコーンの農作業の進捗状況について紹介する。10月25日の時点での大豆の落葉率と収穫率、コーンの成熟率と収穫率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆収穫率83%75%57%73%
コーン収穫率72%60%38%56%
表1 大豆とコーンの収穫率(出展元 USDA)

大豆・コーン共に収穫が進展し、大豆が83%(前週75%)、コーンが72%(前週60%)となっている。このままのペースなら3週間で収穫もほぼ終了の見込み。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2は今期の最終の作柄予想を示す。大豆の作柄は平年(Fair)以上が89%、豊作(Good)以上が63%、大豊作(Excellent)の割合は14%となっている。コーンの作柄は平年並み(FairとGood、Excellent)以上の作柄が86%、豊作以上(GoodとExcellent)の割合は61%、大豊作(Excellent)の割合が15%となっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
大豆38264914
コーン59254615
表2 作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報となる。2週間後までのコーンベルトは全体的に平年以上の気温となる見通し。図2は直近2週間の降水量予報で、コーンベルトの降水量は平年以下となる見込み。

干ばつの状況
ブラジル

図3はブラジルの10月中旬の降水量を見たもので、大豆の古くからの主要産地は青枠で囲まれたマトグロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州、パラナ州、ゴイアス州、サンタ・カタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州の各州となっている。海岸部の一部で降水量が1mm以下、多くの地域では1~25mmの雨となったが、例年より少なく干ばつが続いている。黒枠部分は北部のパラー州、トカンチンス州、マラニョン州、ピアウイ州、バイア州、ミナス・ジェライス州の各州で近年ブラジル産大豆の産地として収穫量が増えている。大豆の産地は黒枠内の地域の内陸側(セラード地帯)に集まっているが状況は同様となっている。

図3 ブラジルの降水量状況(10/11~17) (NOAA作成の図を筆者が加工)
アルゼンチン

アルゼンチンの大豆・コーン産地は図4の青枠内に示す、ラ・パンパ州、ブエノス・アイレス州、コルドバ州、エントレ・リオス州、サンタ・フェ州に広がっているパンパ地域となっている。パンパのほとんどでも降水量が1週間で10mm以下と非常に少なく干ばつとなっている。

図4 アルゼンチンの降水量状況(10/11~17) (NOAA作成の図を筆者が加工)
まとめ

大豆とコーンの農作業はほぼ収穫を残している。大豆では83%畑で、コーンでは72%の畑で収穫が終了した。今後のコーンベルトは、気温は平年以上に降水量は平年以下の予報となっている。作柄では大豆の作柄予測の公開は終了。コーンの作柄は前週から据え置きとなった。穀物相場は中国向けの大口輸出成約の発表が少なくなっていることが気になるが、毎週発表されている輸出検証高や成約高は前年度の実績を大幅に上回っており、輸出期待が支援材料となっている。今後もUSDAから出される大口成約の発表には注意したい。
南米の大豆とコーンの産地は作付け時期となっているが、アルゼンチン、ブラジル共に干ばつが続き作付け作業や作物の生育に影響が出ている。ブラジルでは多期作が通常のため、今期の大豆作付けの遅れで収穫が遅れ、ところてん式に次の作物の作付けが遅れるのを嫌って、水分不足を承知で作付けが強行されていると報道されている。南米の干ばつにより、これらの地域から穀物を輸入していた国々が豊作であったアメリカ産購入に切り替えている。例えばメキシコによるコーン輸入、中国による大豆・コーン輸入が増加していることを受けて、需要期待から先週穀物市場は5連騰と上昇が続いている。筆者は今後しばらくは穀物市場は堅調に推移すると予想しているが、南米の降水報道、天気予報には注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。