穀物速報:サバクトビバッタ現況(つらつらコラム10月28日)

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/201015ETH.jpg
図1 バッタの群れ エチオピア、ハラール近郊(出展元 FAO)
ダイジェスト
サバクトビバッタの最新情報

今日はサバクトビバッタの最新情報をお伝えする。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/201026DLupdate.jpg
図2 サバクトビバッタの現状(出展元 FAO)

図2はサバクトビバッタの群れが確認された場所を示している。
エチオピアやソマリアでは夏に繁殖し成熟した群れが収穫期を迎えた農作物に甚大な被害を与えている。これらの群れが繁殖している一方で、次世代の成虫が羽化し新しい群れを形成しつつある。周辺のエリトリアやスーダン東部へも成熟した群れが移動している他、現地で夏の卵が羽化している。
アラビア半島ではイエメンの内陸部で夏に繁殖したサバクトビバッタが海岸部に移動しており、一部はアデン湾を超えてソマリアへ、一部は紅海沿いの地域で繁殖している。

図3は今度の動きの予想で、現在エチオピア北部やソマリア北部に要る群れはエチオピアとソマリアの国境地帯(オガデン地方)で繁殖し、12月には新しい群れが南西方向へ進んでケニアやウガンダへ向かうと予想されている。現在、ケニアに現在生息している群れは多くはないが、12月以降に移動してきたサバクトビバッタ群れの増加が見込まれている。

西アジアや西アフリカでは現状平穏な状態が続いており、特にインドやパキスタン、イランの10月の調査ではほとんど群れが見られないなど、8月末から9月に比べて状況は劇的に改善しており、大きな群れは報告されていない。

http://www.fao.org/ag/locusts/common/ecg/75/en/20201014HoA_forecast.jpg
図3 サバクトビバッタの進路予想(出展元 FAO)
今後の見通し

現在サバクトビバッタはエチオピアやソマリアで収穫期を迎えた農作物を食い荒らしており、猛威を振るっている。エチオピアでは今年に入って20万ヘクタールの農地が被害を受けたと報告されている。世界銀行は今年アフリカ東部だけで約9000億円に及ぶ被害が出たと発表している(前回の2003~2005年の蝗害では約2800億円の被害だった)。そのほかの地域では沈静化の兆しがみられているが、今後、今年の夏や秋に産卵された卵が東アフリカで孵化するかどうか、東アフリカやアラビア半島で今後に雨が降るかどうかで、来年もサバクトビバッタの被害が繰り返されるかどうかが決まると思われる(今回の大発生は2018年の多雨が原因だったとされる。FAOのHP)。発生した場合に来年の被害の規模次第では穀物相場への影響が考えられる。サバクトビバッタの孵化には十分な雨が必要だが今後イランは雨期に入るため、今後のインド洋沿岸の天気情報に注意しておきたい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。