穀物速報:クロッププログレスレポートと天気予報(つらつらコラム10月6日)

ダイジェスト(クロッププログレスレポートと天気予報)
クロッププログレスレポートによる大豆・コーンの農作業進展状況

10月5日にUSDAから発表された最新のクロッププログレスレポートより2020/2021年シーズンの大豆とコーンの農作業の進捗状況について紹介する。10月4日の時点での大豆の落葉率と収穫率、コーンの成熟率と収穫率は以下の通り。大豆・コーン共に収穫が進展しており、大豆は間もなく収穫を残すのみとなる見込み。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆作付率終了
大豆発芽率終了
大豆開花率終了
大豆着サヤ率終了
大豆落葉率85%74%67%82%
大豆収穫率38%20%12%28%
コーン作付率    終了
コーン発芽率終了
コーンシルキング率終了
コーンドウ率終了
コーンデント率終了
コーン成熟率87%75%54%78%
コーン収穫率25%15%14%24%
表1 大豆とコーンの作付率と発芽率

大豆の農作業は順調に進展しており、落葉率は平年の82%を上回る85%、収穫率は平年の28%を上回る38%となった。およそ4割の畑で収穫が終了した。
コーンの成熟率は平年の78%に対して87%となっているが、収穫率は25%と平年の24%並みとなっている。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2に大豆の作柄予想を示す。作柄平均は平年(Fair)以上が90%と前週から据え置きだった。豊作(Good)以上は引き続き64%だが、大豊作(Excellent)の割合が1%増加した14%となった。前年との比較では、豊作以上の作柄の割合は今週も前年(53%)より11%高くなっている。今週はミネソタ州で作柄が更に改善したほか、ネブラスカ州やサウス・ダコタ州などコーンベルト西側で作柄が改善している。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前38265013
2週前37275112
前週37265113
今週37265014
前年41132458
表2 大豆の作柄予想(出展元 USDA)

表3はコーンの作柄予想を示す。全体の87%の畑が平年並み(FairとGood、Excellent)以上の作柄が予測されており、前週から1%の改善となった。豊作以上(GoodとExcellent)の割合は62%となり、こちらも1%の改善だった。豊作以上の割合は前年の56%を上回っている。ウィスコンシン州やミシガン州、南北両ダコタ州などコーンベルト北側での作柄改善が目立った。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
3週前510254614
2週前59254714
前週59254714
今週49254814
前年411294511
表3 コーンの作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報(図1左)と9月30日発表の最新の1か月気温予報(図1右)となる。2週間後のコーンベルトは全体的に平年以上の気温、今後1か月間の予報では、南側を除いて平年より気温が高くなる見通し。

降水量予報

図2は降水量予報で、直近2週間の予報(図2左)でも、9月30日発表の最新の1か月間予報(図2右)でも、コーンベルトの降水量は平年以下となる見込みで農作業が進展すると考えられる。

土壌水分量
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州14(15)31(31)55(53)0(1)
イリノイ州7(11)23(25)68(62)2(2)
ネブラスカ州25(20)42(40)32(39)1(1)
ミネソタ州2(3)12(12)80(79)6(6)
48州平均16(16)31(29)51(51)4(4)
表4 表層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)
Very Short(欠乏)Short(不足)Adequate(十分)Surplus(過剰)
アイオワ州20(21)32(34)48(44)0(1)
イリノイ州7(9)25(27)66(62)2(2)
ネブラスカ州24(23)36(35)39(41)1(1)
ミネソタ州3(3)12(10)79(80)6(7)
48州平均16(16)30(28)51(53)3(4)
表5 深層土の水分量 ()内の数字は先週の値(出展元 USDA)

コーンベルトの内、コーンや大豆の生産量の多い代表的な4州の畑の土壌中水分の調査結果をまとめたものが表4(地表)と表5(地中)となる。前週に続いてコーンベルト全域で雨が少なかったため乾燥がやや進んでいる。ただし、コーン・大豆ともに既に収穫期に入っており、作柄には大きく影響しない見込み。

まとめ

大豆とコーンの農作業は今週も好天に恵まれて順調に進んでいる。大豆では落葉率が85%と全体の8割以上の畑で終了し、約4割の畑で収穫が終了した。コーンは成熟期に87%の畑が入り、全体の4分の1に当たる25%の畑で収穫が終了した。
今後のコーンベルトの天気予報は、一部を除き1か月先まで気温が平年以上に上昇する見込みで、降水量はほぼ全域で平年以下の見込みとなっている。来週も好天に恵まれて農作業の進展が期待される。
作柄予想は大豆畑の64%(前週から据え置き)、コーン畑の62%(前週比1%改善)で豊作以上(Good、Excellent)の作柄予想となっている。大豆畑では大豊作(Excellent)の割合が1%改善している。大豆・コーン共にここへ来て作柄の改善が続いており、先月の需給報告より予想される単収や収穫量が増えるのではないかと思われる。
穀物相場は中国向けの大口輸出成約の発表は9月上旬程の盛況はないものの、週間の検証高や成約高が依然として好調で、輸出期待が支援材料となっている。今週も、大豆・コーン共に堅調となると考えられるが、週末に予定されている10月の需給報告の内容には注意したい。また、新型コロナウイルスの感染が欧州や米国内で再拡大しており、リスク回避のドル高と穀物の換金売りが進む可能性はあるが、アメリカ政府の検討している追加経済支援策の与野党協議で進展が期待されており、換金のためのドル高が進展しない可能性も高くなってきている。今週もヘッドラインやUSDAによる大口成約の発表に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。