穀物速報:USDAによるアメリカの収穫状況と南米の干ばつの状況(つらつらコラム11月18日)

ダイジェスト

クロッププログレスレポートによる大豆・コーンの農作業進展状況

USDAが11月16日に発表した発表のクロッププログレスレポートから2020/2021年シーズンの大豆とコーンの農作業の進捗状況を17日発表の週間報告から南米の干ばつの状況について紹介する。11月15日の時点での大豆の落葉率と収穫率、コーンの成熟率と収穫率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆収穫率96%92%89%93%
コーン収穫率95%91%87%87%
表1 大豆とコーンの収穫率(出展元 USDA)

今週も大豆・コーン共に収穫が進展した。大豆は平年(93%)並みとなる96%、コーンは95%となり平年(87%)に比べて進展が早くなっている。一部の州で収穫が進んでいないがほとんどの州で収穫率が95%を超えている。

今期の作柄予想(変更なし)

表2に2020/2021年シーズンの最終の作柄予想を示しておく。大豆の作柄は平年(Fair)以上が89%、豊作(Good)以上が63%、大豊作(Excellent)の割合は14%となっている。コーンの作柄は平年並み(FairとGood、Excellent)以上の作柄が86%、豊作以上(GoodとExcellent)の割合は61%、大豊作(Excellent)の割合が15%となっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
大豆38264914
コーン59254615
表2 作柄予想(出展元 USDA)

コーンベルトの天候予報

図1はNOAAによる直近2週間の気温予報となる。コーンベルトは全体的に平年以上の気温となる見通しとなる。図2は直近2週間の降水量予報で、コーンベルトの降水量は平年並みから平年以下まで地域によりまちまちとなる見込み。

干ばつの状況

ブラジル

ブラジルでは高温少雨が続いている。図3はそれぞれ直近1週間、2週間、1か月の降水量と平年(1981年から2010年までの30年分から計算)と比較を見たもので、図4に示している大豆とコーンの産地の多くで平年以下の降水量となっている。現地政府の発表をUSDAから孫引きすると、北側のマトグロッソ州では大豆の94%の作付けが終了、中部のパラナ州では大豆の84%、コーンの95%の作付けが終了、南部のリオグランデ・ド・スル州では大豆の31%とコーンの78%の作付けが終了している。いずれの州でも気温が平年より3℃ほど高い状態(35℃から40℃超)で降水量が平年より25~50mm以上少なく高温少雨となっている。

アルゼンチン

アルゼンチンではブラジルと比べて、平年より降水量が多くなっている(図5)。とはいっても地域によっては、2毛作の内冬作物の収穫が乾燥により遅れているため、夏の穀物の作付けが平年より遅れている地域が出ている。全国的にはコーンの作付け率は43%となっており、平年より2%早く作付けが進んでいる。アルゼンチンでも気温が平年より2℃近く高く、40℃近い高温状態が続いている。

ラニーニャの予測
図7 ペルー沖の海水温の平年からのずれ(出展元 USDA)

現在、図7に示す通りペルー沖の海水温が低下する現象=ラニーニャが発生しており、大半のモデルでは2021年の冬が終わるまで(2021年3月まで)は継続しその後弱まると予測されている。このラニーニャと南米の干ばつとの関係性は解明されていない部分が多いが一般的には冬の南米では、ブラジル北部で多雨、南部で少雨となることが予想されており、現時点ではその通りになっているように思われる。最悪の場合は来年3月まで干ばつが続きそうだ。

まとめ

大豆では96%の畑で、コーンでは95%の畑で収穫が終了した。穀物相場は引き続き好調な輸出を背景にして、輸出期待が支援材料となっている。南米の干ばつ情報もぽつぽつ話題となっており、特に天気予報(降雨)に注目が集まっている。

南米のブラジルでは50年に1度クラスの干ばつが発生しており、現在も雨が少ない状況が続いている。天気予報によるとこの干ばつは少なくとも年内には解消しない見込みだが、ブラジル食料供給公社は2020/2021年シーズンについて今月に強気な予想を示しており、大豆が1億3495万トン(2019/2020シーズン予想1億2484万トン)、コーンが1億489万トン(2019/2020シーズン予想1億251万トン)と過去最高水準を見込んでいる。今後、作付けの遅れや生育の遅れなどの影響が表れると思われるが、南米の天気予報には注意したい。北米では2020/2021年シーズンの作付け動向情報まで直接的に大きな影響をもたらす話題はないと思われる。南米の状況が判明するまでは、穀物市場は堅調に推移すると予想している。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。