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コラム
column

2020/11/26

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析11月26日)

 

ダイジェスト
  • 原油在庫は75万バレル減
    • 原油生産量は日量1100万バレルへ回復
    • 需給調整分(Adjustment、後述)は26万バレルの増加
    • 輸出入では輸入が2万バレル減少、輸出量が8万バレルの増加となり、全体では239万バレルの輸入超過
    • 製油所稼働率の向上による原油処理量の増加で在庫が減少
  • ガソリンの在庫は218万バレル増加
    • 生産量+輸入量>供給量+輸出量で在庫増
    • ガソリン生産量は21万バレル減少、輸入量は9万バレル減少
    • ガソリン供給量は13万バレル減少、輸出量は7万バレル増加
  • 留出油在庫は144万バレル減少
    • 生産量+輸入量<供給量+輸出量で在庫減が続くが減少幅が縮小
    • 留出油の生産量は33万バレル増加、輸入量は10万バレル減少
    • 留出油の供給量は5万バレル減少、輸出量は26万バレル減少
  • 原油と石油製品を合わせた在庫量は19億9200万バレル(前週比120万バレルの減少)で在庫減少にブレーキ
  • オクラホマ州クッシング在庫は172万バレル減少した5989万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は78.8%
EIA週間統計の総評

今週発表のEIAの週間在庫統計では、原油在庫が先週に続いて75万バレルの減少、原油生産量は日量1100万バレルと10万バレルの増加となった。原油の輸出入は、輸入が2万バレル減少した日量522万バレル、輸出が8万バレル増加した日量283万バレルとなり、239万バレルの輸入超過となっている。製油所の稼働率は1.3%増加した78.7%となり、それを受けて原油処理量は42万バレル増加した1426万バレルとなった。戦略備蓄(SPR)は1万バレル放出され残り6億3820万バレルとなっている。石油製品ではガソリン在庫が218万バレルの増加、留出油在庫は144万バレルの減少だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫量は120万バレル減少した19億9200万バレルとなり、20億バレルを割り込んでいる。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は、172万バレル増加した5989万バレルとなった。

原油と石油製品の在庫(表1)

週間統計では原油在庫が市場予想を下回ったものの、75万バレル減少した4億8872万バレルとなった。ガソリン在庫はほぼ横ばいとの予想を上回り218万バレル増加した2億3014万バレル、留出油在庫は144万バレル減少した1億4263万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は172万バレル減少した5989万バレルとなった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)380増75減76増427増799減
ガソリン(万バレル)130増218増261増230減154増
留出油(万バレル)180減144減521増535減158減
クッシング在庫(万バレル)140減172減120増51減93増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。原油も石油製品の在庫も過去5年の上限値まで減少している。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と3)

原油生産量は前週より10万バレル増加した日量1100万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量2万バレル減少した523万バレル、輸出量は同8万バレル増加して283万バレルとなった。輸入国の国別内訳と前週からの増減は表2のとおり。今週はエクアドルやイラクからの輸入が増加した半面、コロンビアやサウジアラビアからの輸入が減少している。

輸入国輸入量万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ327318+9
メキシコ51510
サウジアラビア2935-6
イラク199+10
コロンビア921-12
エクアドル1037+27
ナイジェリア59+3
ブラジル000
表2 輸入量国別内訳(出展元 EIA)

需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられるAdjustmentは74万バレルとなり前週の48万バレルから26万バレル増加した。今週は前週と同様にAdjustmentで在庫を増加させる形の調整となっている。

原油生産と輸出入今週   前週   2週前   3週前   4週平均  前年同時期  
原油生産(万バレル/日)110010901050105010721290
戦略備蓄増加(万バレル/日)-1-5-8-2-4-19
原油輸入(万バレル/日)523525549502525619
原油輸出(万バレル/日)283275276226265348
Adjustment(万バレル/日)744874-872021
表3 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

製油所の稼働率が1.3%向上した78.7%となり、製油所への原油投入量が42万バレル増加した日量1426万バレルとなった。稼働率は向上したが前年の87.8%を下回っている。石油生産量ではいずれも前週比でガソリン生産が21万バレル減少した日量885万バレル、ジェット燃料生産が6万バレル減少した日量102万バレル、留出油の生産が33万バレル増加した日量460万バレルとなった。

製油所稼働率等今週   前週   2週前  3週前  4週平均 前年度同時期   
原油投入量(万バレル/日)142613841344135513771591
製油所稼働率(%)78.777.474.575.376.587.8
ガソリン生産(万バレル/日)  8859069178959071006
ガソリン輸入(万バレル/日) 445345635177
ジェット燃料生産(万バレル/日)10210810391101179
ジェット燃料輸入(万バレル/日)2123041114
留出油生産(万バレル/日)   460427423427434507
留出油輸入(万バレル/日)  182813332323
表4 石油製品生産量 (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

石油製品の供給(需要)一覧が表5となる。全て前週比でガソリン供給が日量13万バレル減少した812万バレル、ジェット燃料供給は18万バレル増加した116万バレル、留出油供給は5万バレル減少した417万バレルとなった。

石油製品供給(日量)今週  前週  2週前  3週前  4週平均  前年同時期  
ガソリン供給(万バレル/日)812825876833937920
ガソリン輸出(万バレル/日)766971717193
ジェット燃料供給(万バレル/日)1169813291109187
ジェット燃料輸出(万バレル/日)8955719
留出油供給(万バレル/日)417422405376405439
留出油輸出(万バレル/日)8210810710710181
表5 石油製品供給(需要)量 (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

原油需要側では製油所稼働率が前週比で1.3%向上したことで、原油消費量が42万バレル増加した日量1426万バレルとなった。石油製品ではガソリン生産量が前週比で21万バレル減少した885万バレル、輸入量は9万バレル減少した44万バレルとなった。一方、ガソリン供給量は13万バレル減少した812万バレル、輸出量は7万バレル増加した76万バレルとなった。ガソリン生産量、輸入量共に減少となり輸出量も増加となったが、供給量の減少で、引き続き供給側(生産量+輸入量)が需要側(供給量+輸出量)より多くガソリン在庫は増加となった。留出油生産量は33万バレル増加した460万バレル、輸入量は10万バレル減少した18万バレルとなった。一方、留出油供給量は5万バレル減少した417万バレル、輸出量は26万バレル減少した82万バレルとなった。先週と同様に供給側(生産量+輸入量)より需要側(供給量+輸出量)が多く留出油在庫は減少している。ジェット燃料生産量は6万バレル増加した102万バレル、供給量は18万バレル増加した116万バレルとなった。石油製品全体の供給(需要)量は前週比で41万バレル減少した1915万バレルとなり、今週も日量2000万バレルを割り込んでいる。全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比120万バレル減の19億9200万バレルとなった。在庫減少量は前週の11%程にとどまり、在庫減少にブレーキがかかっている。

石油製品価格(表6)

表6はニューヨーク港渡しの石油製品の価格となるが今週の卸売価格はガソリンが約4セント(約4%)の上昇、ディーゼル燃料が約8セント(約7%)の上昇となった。原油価格は41.99ドルと前週比で2.06ドル(約5%)の上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
11/20  11/13  11/6  10/30  10/23  前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
1.2021.1581.1211.0781.1681.733
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.2881.2011.1451.0891.1521.942
原油
(ドル/バレル)
41.9939.9336.9735.6439.7357.68
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

表7は石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計したものとなるが、今週のガソリン小売価格は約1セントの下落、ディーゼル燃料は約5セントの上昇となった。

小売価格11/23  11/16  11/9  11/2  10/26  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.1022.1112.0962.1122.1432.579
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.5252.5322.5172.5332.5593.015
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.7792.7832.7712.7862.8103.264
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
2.4622.4112.3832.3722.3853.066
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)
今後の見通し

今週の原油生産量は10万バレル増加した日量1100万バレルとなりハリケーン襲来前の水準を回復した。需要面では製油所稼働率が1.3%向上したため、原油の消費量が日量42万バレル増加した1426万バレルとなった。原油輸出入では239万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で2万バレル減少した523万バレル、輸出量が8万バレル増加した283万バレルだった。原油の消費量の増加が原油生産量の増加を上回り原油在庫は減少した。主要石油製品ではガソリンの供給側(生産量+輸入量)が多く在庫増、留出油は先週に引き続き需要側(供給量+輸出量)が多く在庫減となった。ただし、留出油の在庫減少ペースが減速している。前週より石油製品の出荷は日量41万バレル減少した1915万バレルとなった。全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、19億9200万バレルと前週比で120万バレルの減少となっているが、在庫減少量が前週の約11%となり在庫減少のペースが落ちている。
アメリカの原油生産量は日量1100万バレルに増加した。また、昨日ベーカー・ヒューズ社が発表した原油生産用リグ数は10基増となる241基となり、確実に増加している。EIAの月報等での推定では暫く自然減による減産を予想しているが、リグ数の急速な回復により、原油生産増加が続くのではないかと考えている。WTI指標原油であるクッシング原油在庫は今週は減少して5989万バレルと再度6000万バレルを割り込んだが、高水準のままとなっている。
アメリカ国外ではリビアの原油生産量が日量125万バレルに達し内戦前の水準を回復した。年内には130万バレルまで増加することが予想されている。前週からOPECプラス関連では特にニュースはないが、関係筋からはOPECプラスの構成国の中には減産期間の延長に対して消極的な態度をとる国があるとの情報も出てきている。背景としては新型コロナウイルスワクチンの進展報告が各社(ファイザー、モデルナ、アストラゼネカ)から3週連続で行われており、ワクチンによる新型コロナウイルスの感染抑制が今後の経済活動と原油需要の見通しを明るくするとの見方がある。事実、WTIの原油先物相場は昨日も上昇して46.00ドルを超えており、この価格上昇により減産への意欲が失われているのは間違いない。減産の決定は来週の月曜日と火曜日に行われるOPEC臨時総会とOPECプラスの会合を経て決定されるが、原油価格の上昇によりどうなるかわからなくなってきている。ただし、ワクチンが順調に完成したとしても、その生産、輸送、接種に存在する問題やタイムラグから実際に需要回復への効果が表れるまでは、今から半年以上の時間が必要と思われる。減産が延長されない場合には、需要が供給をしばらく上回り続けることとなるため、現在の原油価格の上昇は一時的な上昇と考えてよいのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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