穀物速報:クロッププログレスレポートと南米の干ばつ(つらつらコラム11月3日)

ダイジェスト
クロッププログレスレポートによる大豆・コーンの農作業進展状況

11月2日にUSDAから発表された最新のクロッププログレスレポートより2020/2021年シーズンの大豆とコーンの農作業の進捗状況について紹介する。11月1日の時点での大豆の落葉率と収穫率、コーンの成熟率と収穫率は以下の通り。

今週    前週    前年同時期 平年(5年平均)  
大豆収穫率87%83%71%83%
コーン収穫率82%72%49%69%
表1 大豆とコーンの収穫率(出展元 USDA)

今週も大豆・コーン共に収穫が進展した。大豆がやや進展速度が落ちた87%(前週83%)、コーンは順調に進んだ83%(前週72%)となっている。州別のより詳細な農作業の進捗データはこちら

今期の作柄予想

表2に2020/2021年シーズンの最終の作柄予想を示しておく。大豆の作柄は平年(Fair)以上が89%、豊作(Good)以上が63%、大豊作(Excellent)の割合は14%となっている。コーンの作柄は平年並み(FairとGood、Excellent)以上の作柄が86%、豊作以上(GoodとExcellent)の割合は61%、大豊作(Excellent)の割合が15%となっている。

Very PoorPoorFairGoodExcellent
大豆38264914
コーン59254615
表2 作柄予想(出展元 USDA)
コーンベルトの天候予報

図1は直近2週間の気温予報となる。2週間後までのコーンベルトは東側は平年以上の気温となる見通しで、西側は平年以下の気温となる見通し。図2は直近2週間の降水量予報で、コーンベルトの降水量は平年を上回る見込み。

干ばつの状況
ブラジル

図3はブラジルの10月中旬の気温で、図4は今後2週間の降水量予報となる。大豆の古くからの主要産地は青枠で囲まれたマトグロッソ州、マトグロッソ・ド・スル州、パラナ州、ゴイアス州、サンタ・カタリーナ州、リオグランデ・ド・スル州の各州となっている。これらの地域では広い範囲で平年以下の降水量と平年以上の気温となっており、干ばつと言える。黒枠部分は北部のパラー州、トカンチンス州、マラニョン州、ピアウイ州、バイア州、ミナス・ジェライス州の各州で近年ブラジル産大豆の産地として収穫量が増えている地域で、大豆の産地は黒枠内の地域の内陸側(セラード地帯)に集まっているが状況は同様で干ばつとなっている。

アルゼンチン

アルゼンチンの大豆・コーン産地の気温を図5に今後2週間の降水量予報を図6に示す。青枠内がラ・パンパ州、ブエノス・アイレス州、コルドバ州、エントレ・リオス州、サンタ・フェ州に広がっているパンパ地域で大豆とコーンの産地となっている。パンパでは気温が平年より高めで、降水量はほとんどの地域で平年並みとの予想となっている。

まとめ

大豆とコーンの収穫が進んでいる。大豆では87%の畑で、コーンでは82%の畑で収穫が終了した。今後のコーンベルトは、気温は東側が平年以上、西側が平年以下、降水量は平年以上の予報となっている。穀物相場は利食い売りが強いが、輸出検証高や成約高は前年度の実績を大幅に上回っていることから、輸出期待が支援材料となっている。USDAから出される大口成約などの発表には注意したい。
南米では大豆とコーンの作付け時期にあたっているが、ブラジルでは今後2週間で予想される雨は平年より少なく、高温と乾燥が続く見込みで、作付け作業や作物の生育に影響が出るだろう。アルゼンチンの雨量はここ2週間は平年並みとなる予報だが、1カ月予報では気温は平年並みから平年以上、降水量は平年並みから平年以下となる見込みだが、土壌の乾燥は深刻な状態となっている。南米の干ばつにより、メキシコによるアメリカ産コーン輸入、中国によるアメリカ産の大豆・コーン輸入が堅調となっている。利食い売りが強くなっているが、筆者は今後しばらくは穀物市場は堅調に推移すると予想している。今後も南米の天気予報には注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。