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レポート
column

2020/11/30

エネルギー速報:減産終了の可能性が急浮上(つらつらコラム11月30日)

ダイジェスト

  • 昨日のOPECプラスの非公式会合は減産延長で合意できず
  • OPEC臨時総会は今夜開催
  • OPECプラス会合は明日開催

OPECプラス非公式会合

OPECと非OPEC主要産油国で構成するOPECプラスの共同閣僚監視委員会(JMMC)は11月29日に非公式会合を行った。会合では来年1月から予定されている現行の減産量日量770万バレルを日量590万バレルへ増産する、今年4月の計画を変更するかどうかが議題になったが、減産延長が多数派だったものの減産延長で合意できなかったと報道されている。
当初の計画では新型コロナウイルスの流行は2020年年内に終息に向かい、ロックダウンなどで急減していた原油需要は回復するとの見通しが立てられており、当初日量970万バレルで開始されたOPECプラスの協調減産は段階的に縮小する計画となっていた。実際には970万バレルから770万バレルへ縮小する時期が1か月延期されたものの、減産と需要回復で原油価格は8月までは上昇を続けて40.00ドル台へ上昇し、以降は40.00ドル近傍での値動きを続けていた。ところが、10月になって新型コロナウイルスの第2波が欧州や北米で多くの患者を生んだことから、再度の移動制限などで原油需要が再び縮小に転じたこと、リビアなどが減産に参加しない産油国が、安定した原油価格を背景に減産から増産へ転じたことなどで、11月初めには35.00ドル付近まで下落した。これを受けて減産期間を延長するプランが急浮上していたが、11月に相次いで発表された新型コロナウイルスのワクチン開発の進展が原油需要の回復期待を生んで、ワクチン開発の進展が発表されると原油価格も45.00ドルへ上昇し、OPECプラスの足並みが乱れ始めた。

OPEC内の変化

中東の多くの産油国は国家財政を原油収入に依存しており、原油価格が上昇した際に販売を拡大できれば、収入増に直結する。OPECの臨時総会とOPECプラスの会合が迫る中、現在の価格を前にUAEとイラク、ナイジェリアなどから延長反対や減産枠免除申請をするというコメントが出ていた。29日の会合ではサウジアラビアやロシアなど多くのJMMCの参加国が賛成したが、OPEC加盟国のUAEと非加盟国のカザフスタンの反対により会合は減産延長で合意できずと報道されている。11月16日のJTC(共同技術委員会)で減産延長が勧告されたものの、17日の定期のJMMCで減産延長で合意できなかったことは同様の理由だと推測される。反対している国々はこれまで減産枠の超過を繰り返しており、当初より目先の利益を前に積極的に賛成していなかったと考えられる。

今後の見通し

市場関係者の多くや新型コロナウイルスの流行が拡大している中で、これまで回復基調だった原油需要の先行きに不透明感が生じているため、減産期間の延長が行われると考えていた。OPEC議長の発言などもこれを裏付けていた。また、ワクチン開発の進展があっても、年内に全世界で接種できるわけではないとの事実があり、今後の需要回復にすぐに寄与するかどうかは不確実と筆者は見ている。
今日開催されるOPEC臨時総会とOPECプラスの会合を前に、サウジアラビアなどによる減産期間延長に向けての努力は続けられると考えられるが、会合の行方は不透明となっている。これについて、OPEC臨時総会では、UAEが説得に応じて賛成に回る場合、UAEの反対で減産期間が延長されない現状維持の場合、交渉が決裂してUAEがOPECを脱退する場合の3つのシナリオがあると考えている。

  • UAEが賛成するシナリオでは、明日のOPECプラスの会合での反対派の説得というハードルがなお残っているが、減産期間延長が期待され原油価格は上昇
  • UAEが反対し現状維持のシナリオでは、減産自体は来年以降も続行すると考えられるが、市場の期待に反しており、原油価格は下落
  • 交渉決裂でUAEが離脱するシナリオでは、UAE抜きで減産が継続する場合とOPECプラスの枠組みが空中分解する場合の2つに分かれるが、どちらの場合でも原油価格は大きく下落

どのシナリオになるかは全くわからないが、今日のOPEC臨時総会に注目すべきだと思われる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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