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コラム
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2020/12/01

エネルギー速報:OPEC総会の結論持ち越し(つらつらコラム12月1日)

ダイジェスト

  • 昨日のOPEC臨時総会は減産延長で合意できず
  • OPECプラス会合は明日開催予定だったが3日へ延期
  • 減産延長での交渉合意の見通しは立っていない

OPEC臨時総会は合意に至らず

OPEC加盟国は11月30日にOPEC臨時総会を開き、来年1月以降の減産について協議を行ったが、現行の日量770万バレルの減産期間の延長で合意に至ることができなかった。関係筋の情報によると当初3か月間の減産延長でコンセンサスが取れているとのアルジェリア石油相(現・OPEC議長)のコメントがあったことで、会合は順調に進むものと思われており、原油先物相場も減産の延長見込みで上昇していた。
しかし、会議ではUAEとサウジアラビアの対立が高まった。UAEが減産順守率の向上を減産延長、自国の減産順守の条件に持ち出したこともあり、事実上合意が不可能となったと報じられている。もともとUAEは減産前に行われていた設備投資の意味を損なうとして、今年決められた減産の割当量に不満を持っており、夏には減産破りの増産を行う、2週間前にはOPECの離脱を検討するなど不満を募らせていた。夏の減産破りの際はサウジアラビアが激怒し、UAEのエネルギー相をサウジアラビアの首都リヤドへ召喚するなど対立が深まっていた。また、最大の減産枠かつ減産破りをカバーするため最も過剰に減産を行っているサウジアラビアも今回の交渉に不満を持っており、OPECプラスの共同議長など主要ポストを辞任すると表明するなど、話し合いは紛糾したと伝えられている。
昨夜遅くに、会合は合意に至らず、最終決定はOPECプラスの会合まで持ち越しとの方が流れると、原油価格は下落して取引を終了した。

OPECプラスの会合延期

11月30日に行われたOPEC臨時総会に続いて、12月1日に行われる予定だったOPECプラスの会合は、減産期間延長で合意するための交渉を行う時間を稼ぐため、3日木曜日に延期された。この期間にはOPEC内のUAEだけでなく、OPECプラスの構成国に対しても減産延長のための交渉が行われると考えられるが、今のところ合意に至る見通しは全く立っていない。
OPECプラスの主要国の内、ロシアは基本的に減産延長には賛成だが、1月から月50万バレルずつ増産する段階的な増産を提案しているとも伝えられている。これは現行の12月770万バレルから、1月720万バレル、2月670万バレル、3月620万バレルのように減産幅を段階的に縮小する案となっている。

今後の見通し

図 世界の原油在庫量の変化予想(出展元 OPEC)
減産非延長の場合(黒)と減産延長の場合(青)

図は世界の原油在庫の変化量を見たもので、0より上は在庫が増えることを意味して、0より下は在庫が減少することを意味している。また、2020年第3四半期までは原油在庫の実績、第4四半期以降はOPECによる予想となっている。黒は減産が当初の予定通り2021年1月から日量770万バレルから580万バレルへ縮小した場合を示している。2020年第3四半期以降は原油需要の回復とともに世界の原油在庫は減少していたが、2021年の第1四半期に原油在庫が再び増加する予想となっている。2021年の第2四半期以降は原油需要の回復から同年の第3四半期まで減少する。一方の青はサウジアラビアが提案しているように、3か月間現在の減産期間を延長した場合で、この場合は2021年第1四半期以降も2021年の第3四半期まで原油在庫の減少が続く予想となっている。減産が予定通り縮小された場合には2021年第1四半期に原油在庫の増加=供給過剰となることを意味していて、原油価格の下落が予想されている。
11月のOPECの産油量は日量2531万バレルと前月から75万バレルの増加となった。減産免除国のリビアやベネズエラが増加した他、UAEなども減産枠内で増産となっており、6月以降5か月連続で増加が続いている。減産順守率は102%で横ばいだった。

11月30日に行われたOPEC臨時総会ではこれらの点が議論されたとみられるが、減産延長の合意には至らなかった。現状、欧州の需要がロックダウンの再開や延長で落ち込む中、アジア需要は好調を維持していると伝わっているが、需要が今後増えるかどうかやはり不透明であると思われる。
昨日以下の3つのシナリオがあると考えていると書いたが、原油価格が下落するシナリオに振れているように思われる。

  • UAEが賛成するシナリオでは、明日のOPECプラスの会合での反対派の説得というハードルがなお残っているが、減産期間延長が期待され原油価格は上昇
  • UAEが反対し現状維持のシナリオでは、減産自体は来年以降も続行すると考えられるが、市場の期待に反しており、原油価格は下落
  • 交渉決裂でUAEが離脱するシナリオでは、UAE抜きで減産が継続する場合とOPECプラスの枠組みが空中分解する場合の2つに分かれるが、どちらの場合でも原油価格は大きく下落

減産延長の合意が流れる事態を回避すべく、3日に延期されたOPECプラスの会合までの間も交渉が続けられると考えらえるが見通しは明るくない。今年4月のメキシコのように強硬な反対で交渉が難航した果てに、UAEがOPECプラスの枠組みから離脱するというシナリオは現実的になってきたと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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