サウジアラムコ上場(つらつらコラム12月16日)

先週、12月11日にサウジアラビアのアラムコが上場を果たした。サウジアラムコはサウジアラビアの国営石油会社で、同国の石油産業をほぼ全てを握っている世界最大の石油会社である。今回上場された株式は全体の1.5%に過ぎないが、中国のアリババ集団を除いて世界最大のIPOとなった。今回のIPOは世界最大とはいえ石油会社の株式が売り出されるということで、その価格は売り出し時点の原油価格に左右されることが前々から言われており、年内の高値にあった4月の時点より原油価格が下落する中で、どの価格で売り出されるかには注目が集まっていた。12月上旬のOPEC総会でサウジアラビアが協調減産の維持と減産分の多くを引き受けることでの減産枠の拡大に努力したのはそういう理由からだったと推測される。減産決定後、WTIの原油価格は1バレル60ドルを超えはしなかったものの、50ドルを切る直前まで下落していた秋前の状況に比べれば、幾分か状況が改善している。
それでは、今後はどうだろうか、OPECプラスの協調減産は日量120万バレルから50万バレルの割り当てを増加し、1月よりスタートする。ただし、複数回にわたって取り上げてきたが、この最大170万バレルという数字はアメリカ1国の増産分が帳消しにできてしまう量であり、世界需要が横ばいである状態では原油価格が下落していくことが予想できる。これを通常の手段で打開するためには供給を絞るしか道が残っていない。サウジアラビアにとって減産は石油収入の減少につながるが、背に腹は代えられない状況になっているのではないだろうか。

今回のIPOはサウジアラビア政府が目標とする調達金額を下回ったが、公開予定とされている株式(5%以内を予定)の約3分の1が終わったばかりで、追加公開が行われることは間違いない。株式価格を左右する原油価格の維持にサウジアラビア政府は更に注力するに違いなく、来年の原油相場も少なくとも予定のアラムコ株の売り出しが終了するまでは、減産が行われて大崩れしにくい相場が続くのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。