大豆とコーンの輸出見通し(つらつらコラム12月23日)

アメリカでの収穫は終了し、大豆とコーンは南半球の収穫や次の年の作付けの準備が始まるまで、輸出成約高の多寡や中国向けの輸出期待を材料とした値動きに移っている。大豆については輸出が順調だが、コーンについては輸出が振るわずコーン価格の低迷要因となっている今日は、USDAが発表している最新の世界市場と貿易についての調査レポートを取り上げて紹介してみたい。

図1 直近二か月のブラジルの大豆輸出量(出展元 USDA)

図1はブラジルの大豆の直近2か月の輸出量を示している。2018年と2019年はそれまでの5年間の平均の約4倍に当たる1千万トンの輸出が行われている。大豆の国際価格の上昇とブラジルの通貨であるレアル安が背景にあり、大豆売却価格が収穫時と比較して約18%上昇していることが要因となっている。

図2 大豆の輸出価格(出展元 USDA)

図2は大豆1トン当たりの輸出価格の推移で、収穫の終わったアメリカ産大豆の価格(赤)がアルゼンチン(水色)、ブラジル(黒)に比べて安くなっており、去年の傾向が続けば、1月中頃までは優位が続くことが分かる。

図3 アメリカの大豆輸出量(出展元 UDSA)

図3はアメリカの大豆輸出量で、2018年の貿易摩擦で大きく落ち込んだ中国向け輸出が2019年には回復し、2018年の約50万トンから、約960万トン(11月末時点)まで増加している。
まとめると、年末のブラジル産の大豆の輸出が近年急増しているものの、アメリカ産大豆は今のところ国際競争力を持っているため、1月までは輸出が順調に進むと考えることができる。中国向けの輸出が米中協議の合意によって拡大することが考えられ、筆者は大豆価格は堅調に推移するのではないかと考えている。

次にコーンのデータを見ていきたい。

図4 ブラジルのコーン輸出量(左)、ブラジルのコーン在庫(右)(出展元 USDA)

図4左はブラジルのコーンの輸出量を示している。今年輸出量が急増しており、過去3年間の平均に比べて倍以上に当たる3300万トンが既に輸出されている。背景には旺盛な需要があるが、ここでもブラジル通貨の下落によりおよそ20%実勢価格が低下したことが理由となっている。また、輸出に回ったため図4右に示すブラジルのコーン在庫は大きく落ち込んでおり、国内価格の上昇から2期作目のコーンの作付け面積のさらなる拡大が予想されている。アルゼンチンでは、新政権により輸出関税が引き上げられた状態となっている。アメリカでは悪天候によって遅れていた収穫がようやく終わり、価格が下がって輸出競争力を持つ状態になっている。

図5 コーンの輸出価格比較(出展元 USDA)

図5はコーンの輸出価格の推移となっていて、アメリカ産(緑)はブラジル産(赤)よりは安価だがアルゼンチン産(青)と同水準となっている。
まとめると、ブラジルのコーンの輸出は来年度以降も順調に進む見込み。アメリカ産のコーンの収穫が終わったことと需要低迷で輸出価格が下がり、ブラジル産より安価となったことで競争力を持ってきている。筆者は1月以降のコーン市場はこれを受けた輸出の拡大により上昇するのではないかと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。