アルゼンチンの干ばつ可能性(つらつらコラム12月25日)

 

アルゼンチンの大豆・コーン産地では干ばつが懸念されている。12月の前半のアルゼンチンのブエノスアイレス穀物取引所の見通しでは水分不足のため、作付け面積のうち大豆とコーンのおよそ4分の1が使用されていないと報じている。

https://www.cpc.ncep.noaa.gov/products/analysis_monitoring/regional_monitoring/wcpcp8.png
図1 アルゼンチンの週間天気予報(出展元 NOAA)

図1はNOAA発表の12月14日までの週間天気予報でアルゼンチンの大豆やコーンの多くを生産しているパンパ地域(ブエノスアイレス、ラ・パンパ、コルドバ、サンタ・フェ、エントレリオス)の広い範囲で降水量が10mm以下となっており、乾燥が続いていことが分かる。
それでも12月18日の時点で55%のコーンが植え付けを終了していて、ほぼ平年通りの進捗となっている。既に26%が受粉を終了しているものの、乾燥が続いているため今後の生育が心配される状況。一方の大豆は61%の作付けが終わっているが、例年と比べて進展は遅くなっており、1期作の大豆で7.3%、今月の収穫がほぼ終わる小麦の後に植える2期作の大豆で14.8%の遅延となっている。

図2 アルゼンチンの週間予報(出展元 INTA)

図2は最新となる来週の予報で、図1に比べてパンパ北部では今週末にかけて雨が降って土壌中の水分(図1右、現状の土壌中水分)がある程度回復する予報となっている。ただし、パンパ南部では依然として雨が少なく乾燥が続く模様。
まとめると、アルゼンチンの大豆・コーン産地では少雨と高温に見舞われている。このまま乾燥が続くと旱魃となり、穀物輸出と穀物価格に大きく影響すると考えられる。来月にはコーンの受粉や大豆のさや付きが始まるため、アルゼンチンの天気予報によって穀物相場が動くような場面があると筆者は考えている。

最後に月曜日のコラムでアルゼンチンの輸出税の引き上げを書いたが詳細が分かったのでここに書いておきたい。新政権が農産物の輸出税を更新し、これまでFOB価格(本船渡条件価格、大豆の梱包費用、輸出港までの輸送費用、集荷費用、輸出国側での通関費用込みの価格 )の6.7%だった輸出関税が引きあがって、今後はFOB価格の12%の輸出税を払うことになった。これがそのまま輸出価格に転嫁されれば5.0%以上の値上げとなると考えられる。月曜日のコラムで書いた通り、アメリカ産とアルゼンチン産の穀物価格差は小さいので、南米の収穫が始まるまでの今後2か月は、アメリカ産の穀物の競争力が得られる状態となると考えられる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。