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コラム
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2020/12/07

エネルギー速報:OPECプラス減産合意(つらつらコラム12月7日)

ダイジェスト

  • OPECプラスは減産期間の3月までの延長で合意
  • 減産量は770万バレルから段階的に当初の予定量である580万バレルまで縮小される

OPECプラスの減産合意

OPEC加盟国と非加盟国の産油国からなるOPECプラスは12月3日の会合で来年1月以降の減産幅を決定した。元々の計画では2020年12月までは日量770万バレル、1月以降は190万バレル増産して日量580万バレルの減産を行う予定だった。これは4月時点で猛威を振るっていた新型コロナウイルスの感染が夏以降は落ち着き原油需要が戻ることを前提としていた。その後の原油需要は予想通り、回復していたが、10月以降に新型コロナウイルスが欧州と米国を中心に再び感染を拡大し、都市封鎖が再度実施されたこと、OPECプラス以外の産油国の産油量が増加したことで、再度原油の供給過剰と価格下落が危惧されていた。このため、OPECプラスは当初1月からとしていた減産期間の延長を話し合ってきた。11月29日から始まった交渉は、UAEの抵抗によるOPEC総会の結論先送りなど異例の事態を挟んだものの、当初より2日延期され12月3日に開催されたOPECプラスの会合で減産期間の延長が決定された。ただ当初取りざたされていた、12月の減産量をそのまま延長するサウジアラビア案ではなく、月に50万バレルのペースで4か月かけて段階的に減産量を減らしていくロシア案が採択された。

OPECプラスの合意

OPECプラスの合意は以下の通りだった。

  • ロシア案の採択
  • 生産調整の会合の増加
  • 過去の減産破り補償の実施

これにより現在日量770万バレルの減産量は、来年1月に720万バレル、2月に670万バレルのように日量580万バレルを下限として月に50万バレルずつ減産量が減っていく。図1は来月から実施される50万バレルの増産枠の割り当てを示している。

図1 50万バレルの増産割り当て(出展元 ブルームバーグ)

主要国の割り当てを書き出してみると、サウジアラビアとロシアが13.1万バレル、イラクが5.5万バレル、UAEの3.8万バレル、クェートの3.5万バレル、ナイジェリア2.2万バレル、カザフスタン2.0万バレル(いずれも日量)と続く。また、来年1月から月1回OPECプラスの会合を開き、生産量の調整についてより頻繁に話し合うことと、減産破りの補償を行う期限を来年1月から3月末まで延長し、補償を必ず行うことで合意した。

今後の見通し

OPECプラスの話し合いがOPEC総会でのUAEの反対のような紛糾をせず減産期間の延長が行われたことで原油価格は平静を取り戻しているように見える。対立の焦点の1つとなっていた減産補償についても枠組みの延長が行われた。図2は以前紹介した過去の減産超過の図となるが、5月から10月までの平均で最大の増産超過はイラクの日量10万バレル、ロシア日量の9万バレルとなっていた。今回の段階的な減産とともに過去の減産超過補償の期限が3月末まで延ばされたことで、減産超過補償の困難さが減少した。例えば、イラクについては3月まで月5万バレルずつ増産が可能となっており、増産分を補償へ振り向ければ、補償のための減産は大幅に軽減されると考えられる。

図2 過剰生産分(青)と過剰減産分(黒) (出展元 ブルームバーグ)

いくつか気になるニュースを紹介する。クェートでは議会選挙が行われたが、与党が敗北している。原油価格の下落によりクェートも深刻な財政赤字に直面しており、今後UAEのように減産賛成派から転向し、次回以降の減産協議はより難航する可能性があるかもしれない。また、アメリカ大統領の交代に伴って、外交方針の変更や制裁の緩和を見越して、ベネズエラとイランでは増産への試みや購入への問い合わせが増加していると報道されている。
いずれもOPECプラスにとっては新しい頭痛の種になる可能性があり、今回の合意による枠組みが4月まで維持できるのか、筆者は懐疑的に見ている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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