ダウの今後の見通し(つらつらコラム2月13日)

 

ダウ平均株価の上昇

ダウ平均株価が上昇している。1月の始めの値は28547ドルだったので、昨日までに実に1000ドル上昇した計算となる。いよいよ大台となる30000ドルも見えてきたのではないかと思われる。今日は今後の相場の行方を占うと思われる5つの点について筆者の見通しを示しておきたい。

雇用統計と経済指標

2月に入って発表された主な経済指標であるISM製造業景況指数、非製造業景況指数ともに市場予想を上回っている。特に製造業景況指数は50の大台を回復した。一方2月7日発表の雇用統計は堅調な内容で、アメリカ経済の底堅さが雇用の面から裏付けられることになったが、市場の反応は限定的で2月7日は陰線引けとなった。先週中国が、通商合意に基づいて対米関税の引き下げを行ったことは長期的に米中両国の経済に対して好影響があると考えている。第2弾以降の交渉は難航することも予想されているが、交渉時期はアメリカ大統領選挙後まで延期されるだろう。よって経済の先行きは暗くないと考えられる。

新型コロナウイルス

中国で流行している新型コロナウイルスは昨日発表された新規感染者数が頭打ちとなったことで、世界的大流行や中国経済の減速懸念が後退して大幅に上昇する展開となった。今週のFRBの議長証言でもコロナウイルスの流行が、経済減速への懸念材料と言及されていただけに市場に安心感が広がったと筆者は考えている。しかし、13日になってウイルスへの感染判断が検査キットを使わない臨床診断でも可能なように基準が変更されたため、感染者が一気に1万4840人増となる事態が発生しており、再び不透明感が増している。封じ込めがいつ成功するのかはリスク要件となっているが、中国以外で大流行が始まらない限りは、市場は落ち着きを取り戻すのではないかと考えられる。

個別銘柄の影響

今後の株価を占う2019年第4四半期の企業決算発表が続いている。概ね業績は好調を維持しているため強材料となると考えている。ただし、中国の製造業の閉鎖が長引けば、他の業種にも悪影響が出る可能性がある。また、製造業ではボーイングの新型機の飛行再開時期が不透明となっており、ダウ構成銘柄の中で最大割合を占める同社の業績が低迷していることはしばらく弱材料となりそうだ。他にもアメリカ取引員会がアルファベット、アマゾン、フェイスブック、アップル、マイクロソフトなど5つの大企業に対して独占禁止法に基づいて企業買収に関して調査を開始したとの報道があった。調査の進展と場合によってはこれらの企業が分割される可能性があるため、続報には注意したい。

大統領選挙

現在アメリカ大統領選挙は民主共和両党で予備選が進行している。与党共和党では弾劾裁判で無罪となった現職のトランプ大統領が順当に選出される見込み。対する民主党ではこれまで本命と見られていたバイデン元副大統領が弾劾裁判のあおりを受けて失速した形で、左派のサンダース上院議員や中道のブティジエッジ元サウスベンド市長がリードする展開となっている。民主党側の混乱でトランプ大統領の再選確率は7割程度と見られており、左派大統領(サンダース上院議員、ウォーレン上院議員)の誕生による政治的混乱は回避される公算は高く弱材料とはならないと考えられる。

地政学的要因

2019年はアメリカとイランの間で軍事的緊張が高まり、実際に攻撃が双方から行われたことが、昨年の12月初めには弱材料となっていたが、現在のところは小康状態が続いている。内戦の続くシリアやイスラエルを巡る状況に関しても特に変化がなく、今後、突発的で大規模な事件がない限りは問題視されないと考えられる。

まとめ

今日は今後のダウ相場を占ういくつかの点について筆者の見解を述べた。総合すると、一部の企業業績に弱材料が見られるが、アメリカ企業活動やアメリカ経済は順調となっており、他の条件の影響は小さいと判断できる。そのため、ダウが早晩30000ドルへ上昇するのは確実ではないかと筆者は考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。