EIA石油週報(つらつらコラム2月14日)

 

今週12日水曜日24時30に発表されたEIAの石油統計は原油在庫が746万バレル増(予想300万バレル増)、ガソリン在庫が10万バレル減(予想55万バレル増)、留出油在庫が201万バレル減(予想56万バレル減)、クッシング原油在庫が167万バレル増となった。今日は原油在庫と石油製品在庫についてと、今年の中国の原油需要の見通しについて、そして、アメリカ国内における原油在庫の見通しについて触れておきたい。

在庫の推移

図1は原油とガソリン、留出油の在庫を示している。原油と留出油は過去5年平均の水準にあるが、ガソリン在庫は今週減ったものの、過去5年で最大の在庫となっている(5年平均の平均値と比べておおよそ105%)。

原油の供給量の推移と製油所の処理量

図2の左図は原油の生産量、右図が製油所への投入量(アメリカ国内消費量)を示している。前年(橙)に比べて今年(青)は生産量が一日約60万バレル増加している(前年比112%)。一方で製油所の投入量は100万バレル程度(約5%)減少している。これはアメリカ国内の原油需要の低下を示している。

次に図3はガソリンの生産量と需要量で、元々冬の季節要因から需要は減少する時期に当たっているが、生産量(前年比98%)と需要量(前年比97%)のどちらも前年同時期の実績よりも減少している。

次に図4は留出油の生産量と需要量だが、こちらもガソリンと同様に生産量(前年比97%)と需要量(前年比96%)共に、前年の2月を下回っている。

コロナウイルスによる中国の原油消費への影響推計

EIAの推計では経済活動の低下によって、2020年の平均で日量11.5万バレルが余剰となるとされており、2月と3月は特に日量26万バレルの需要が失われる。加えてジェット燃料の需要が日量5.9万バレル減少など、総計で月40万バレルの原油需要が2020年中は減少すると推計されている。

中国以外の地政学的要因

リビアの原油生産が12月の平均日量120万バレルのところ反政府勢力との戦闘で、1月に平均80万バレルへ減少し、2月には20万バレルまで減少している。イランやベネズエラでの生産再開のめどは立っていない。この他シリアでの内戦では反政府軍に対する政府軍の攻勢が最終段階に入っていると報道されており、政権の是非はともかくISILの登場以来混乱が続いていたイラク北部からシリアにかけての地域の状況が鎮静化する可能性がある。

まとめ

アメリカ国内の原油生産量は未だ増加傾向にある。一方で輸出を別にするとアメリカ国内の原油需要は前年よりも減少している。旅行用の消費が少なくなる季節要因もあるが車両の燃料として使われるガソリンや留出油の在庫、特にガソリン在庫が過去最高水準に積みあがっている。これら石油製品の需要減は中長期的には値下げ圧力となることは間違いない。これだけでは確かなことは言えないが、燃料需要の低迷は経済活動の低下を示し、今後のアメリカ経済の減速を示している可能性があると考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。