アメリカ産大豆の2020年予想(つらつらコラム2月25日)

先週20、21日にアメリカでは農業アウトルックフォーラムが開かれて、USDAによる2020/2021年の大豆とコーンについての作付予想が公表された。今日はフォーラムで発表された数字のうち特に大豆について報告したい。

2020/2021年シーズンの作付面積、イールド、収穫量予測
作付面積

2020/2021年シーズン(以降2020/2021年とする)のコーン作付予想面積は9400万エーカーと昨年より5%の増加にとどまるが、大豆の作付面積は8500万エーカーと昨年実績の7610万エーカーから12%増加するとの予想が発表された。大豆の作付面積が拡大する要因としては、

が挙げられている。まず一番大きな理由として、図1に示すように昨年の大豆コーン価格比は低い値(2.25近辺)となっていたが、現在は平均的な値まで回復してきているため、コーンと大豆では大豆を選択するが増えると予測されている。

図1 大豆コーン価格比(出展元 DTN )

次に冬小麦や綿花の作付面積が減少しており、農家は代替としてコーンか大豆を植えると予想される。以上のことから大豆の作付面積が昨年度よりも増えると予想されている。

イールド(単位面積当たり収穫量)

単位面積当たりの収穫量(イールド)は、図2に示す通り栽培技術・品種面に伴って右肩上がりに増加している。昨年は作付け遅れと年後半の冷え込みや霜があったことで約47ブッシェルにとどまったが、2020/2021年が標準的な天候ならば、50ブッシェルとなる見込みである。

「america soybean yeild」の画像検索結果
図2 大豆のイールド(出展元 USDA)
*2019年は11月8日時点の情報
生産量

イールドと作付面積から予想される2020/2021年の予想収穫量は42.3億ブッシェルと2019/2020年の35.6億ブッシェルから大幅に増加する見込みとなっている。また、2020/2021年シーズンの期初在庫量は4.2億ブッシェルと予想されている。

消費量

消費量は平年では40-43億ブッシェル程度だったが、増加する生産量を補い、現在の大豆在庫4.2億ブッシェルを増加させないためには42.5億ブッシェルの消費が必要となる。例年このうちおよそ半分に当たる20.0億ブッシェルは輸出が占めている。

価格予想

過去数年間ライバルのアルゼンチンやブラジルが不作や生産減少に見舞われたことで、2018/2019年までの2年間は21.5億ブッシェルの輸出が行われたが、2019/2020年の輸出予想量は20億ブッシェルを割り込んでいて、2020/2021年は更にブラジルでの豊作が予想されていることから、20億ブッシェルに達することは厳しいと予想されている。以上から若干の在庫増加が予想されていて、USDAによる2020/2021年の大豆予想価格は865から888セントと予想されている(2019/2020年は今月の需給報告では900セント)。

まとめ

今日は来年度のアメリカ産大豆の生産見通しについてまとめた。今年の大豆は昨年に比べて、作付面積とイールドが上回ることが予想されている。天候にさえ恵まれれば収穫の大幅増が予想されるため、今年より相場が下落する可能性が高い。今年に天候情報には注意したい。

なお、ブラジルでは雨が多いため大豆の収穫作業が遅れており、収穫率は34.2%と前年の収穫率46.3%を下回っているが、生育には問題がないと報じられている。アルゼンチンでは北部で豪雨が起きているが、大豆作付では2%程度のため影響はほとんどないと報じられている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。