最新エルニーニョ予報(つらつらコラム2月26日)

 

今年も2月が終わりに近づき、冬が終わるのも間もなくとなった。穀物相場ではおおよそ4月から天候相場が始まろうとしており、天然ガスは冬の需要から夏の需要へ切り替わる時期が近付いている。今日は最新のNOAAのエルニーニョ予報から今年の夏の気温と大まかな相場の値動きについて予想してみたい。

エルニーニョ予報

まず、エルニーニョについて簡単に説明しておくと、南米ペルー沖の東太平洋の気温が上がることで、地球規模の気候変化をもたらす現象となる。地域によって効果は様々だが、下の図1から4はそれぞれ冬春夏秋でエルニーニョが発生した場合の一般的な影響見積もりを示している。日本においては一般に暖冬と冷夏、北米においては雨が多い厳冬と冷夏がもたらされる。ラニーニャはエルニーニョとは逆の現象である。

図1 12月から2月にかけてのエルニーニョの影響見積もり(出展元 気象庁)
図2 3月から5月にかけてのエルニーニョの影響見積もり(出展元 気象庁)
図3 6月から8月にかけてのエルニーニョの影響見積もり(出展元 気象庁)
図4 9月から11月にかけてのエルニーニョの影響見積もり(出展元 気象庁)

昨年夏前にエルニーニョが終息して以来、エルニーニョは再発していない。今年の北米や日本はともに暖かくなり、エルニーニョが発生しているとは言えない冬となった。

最新エルニーニョ予報

図5はペルー沖の海水温と平年からのずれを示していて、平年より高い海水温の時期をオレンジで、低い時期を青で表示(塗りつぶし)している。0.5がエルニーニョ発生の-0.5がラニーニャ発生の閾値で数か月超えた状態が続くと発生と判断される。現在は0.5に達しているものの発生とは判断されていない。

図5 海水温の平年温度とのずれ(出展元 NOAA)

図6は今後の海水温と平年からのずれの予測となっており、細線が各予測から導き出された予測、黒い点線がその平均となる。予測によると海水温は今後低下する見込みとなっていて、図6から導き出されるエルニーニョの発生確率は春の時点で約40%、夏の時点で約50%となっている。

図6 今後の予想(出展元 NOAA)

図7はアメリカの最新の3か月予報で、左図は降水量予報、右図は気温予報となる。気温はアメリカ東部や南部、太平洋岸で平年以上となる見通しで、降水量はアメリカの東側で平年以上、カルフォルニアなど太平洋側では平年以下の見通しとなっている。

図7 アメリカの降水量(左)と気温(右)の3か月予報(出展元 NOAA)
過去の干ばつ事例

北米では過去たびたび干ばつに襲われてきた。近年では2011年から17年にかけての干ばつは大規模なもので多くの被害が発生している。ハワイ大学の研究によると干ばつはラニーニャ現象と関係があるといわれている。ここで過去の干ばつ事例を確認しておきたい。図8はNDMC(アメリカ干ばつ緩和対策センター)がまとめた土地の乾燥割合の推移図で、色付きが全体に占める乾燥した土地の割合、色が濃いほど乾燥度が強いことを示している。2002年から2005年、2011年から17年までが乾燥割合が大きく、干ばつだったことがわかる。ラニーニャが2000年から2001年、2010年から2011年に発生しており、2000年代には2例しかないがいずれも干ばつ前の年に発生している。

図8 乾燥と判断された土地の割合(出展元 NDMC)
*色が濃いほど乾燥度合いが高いことを示す
まとめ:今年の気温予想

以上からエルニーニョとラニーニャだけで筆者が予想する今年の北米の気温はエルニーニョが発生していないことから平年以上、ラニーニャが前年に発生していないことから今年の干ばつの可能性は低いとなる。夏の気温が上がることで冷房用需要から天然ガス相場の値上がりが期待される。一方で干ばつの可能性が低いことから今年夏から秋の大豆相場、コーン相場は低迷すると筆者は予想する。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。