冬後半の天然ガス価格の見通し(つらつら分析2月3日)

 

天然ガス価格の低迷

4年振りの安値水準にある天然ガス相場は金曜日の取引時間前半は値を下げ一時1.803ドルと1.800ドル割れ直前まで下落した。金曜日発表の天気予報では2月中旬の気温が下がり寒さが厳しくなるとの予報から暖房用需要の増加が見込まれて上昇した。図1に示す通り、天然ガス相場は2016年以来の安値となっている。長期的見込みが低空飛行であることについては金曜日のコラムで触れたが、金曜日の予報で気温が下がるとの予報となり天然ガス価格が上昇したので、天気予報から今後も上昇傾向が続くのかどうかを分析してみたい。

図1 天然ガス価格の推移(トムソンロイター調べ 出展元 EIA)
先週の気温の振り返り

図2上段は平年の最高気温と28日までの5日間の平均最高気温との差を取ったもので、下段は平年の最低気温と29日までの5日間の平均最低気温との差を取ったものとなっている。暖房用天然ガスが大量に消費されるアメリカ東部やシカゴなど中西部の人口密集地で、最高気温で5~10℉、最低気温で10~15℉も平年より気温が高い温暖な1週間だったことがわかる。*華氏10℉の差は約5.5℃に当たる。

図2 最高気温と最低気温の平年からの差の5日間平均(出展元 NOAA)
2月から4月までの気温予報

図3は1月31日NOAAが発表した最新の今後30日(2月)の気温予想で、東部や西部に加えて太平洋岸でも気温が平年より高くなる見込みとなっている。

30-day outlook - Temperature Probability
図3 30日気温予報 (出展元 NOAA)

図4はNOAA発表の3か月予報で、左側が3月を中心とした3か月、右側が4月を中心とした3か月の予報。3月には中西部で冷え込みが強まることが見込まれるが東部は冬の終わりまで温暖な気温となる見通しとなっている。

以上から、今年の冬の終わりまで暖冬傾向となることが予報されているため、天然ガスが需要の面から上昇することは考えにくい状況だと筆者は考えている。図5はEIAのエネルギー短観より引用したCMEグループが予想するヘンリーハブでの天然ガス価格となっている。1.8ドルを割り込む寸前まで下落しており、95%信頼区間の下限値に近づいている。

Henry Hub natural gas price
図5 CMEグループ天然ガス価格予想(出展元 EIA)
今年の夏の気温予報

ここで、図6に今年の夏の気温予想を載せておきたい。現在のところ、太平洋岸でも大西洋岸でも今年の夏は平年より高い気温となる見通しで、筆者は夏の冷房用需要は平年並みから平年以上となると予想している。

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図6 今年7-9月の3か月気温予報(出展元 NOAA)
まとめ

先月末の気温は平年よりかなり高い状態となり、天然ガスの暖房用需要は増加しなかった。現在8-14日予報では2月中旬は東海岸を中心に冷え込みが予想されているが、2月の30日予報、3月、4月の3か月予報を見ても、東部を中心に平年より気温が高くなる見通しで、天然ガスの暖房用需要は低迷すると考えている。今年の冬が終わって夏相場に切り替わるまでは2ドル以下の低空飛行が続くと筆者は考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。