南米産地分析(つらつら分析2月5日)

 

コーン・大豆産地の近況

今週のコーン相場と大豆相場は中国での新型コロナウイルスの流行による中国での需要の落ち込み懸念から売り圧力がかかっている。一方で南米産地(ブラジル)ではコーンと大豆の収穫が始まっている。今日は南米のコーンと大豆の生育状況と今後の生育見通しについてより詳しく紹介し、今後の市場見通しについても予想したい。

参考 アルゼンチンとブラジルの農業カレンダー

現在、アルゼンチンでは10月植えの大豆と11月植えの大豆・コーンの生育期で、ブラジルでは10月植えのコーン(1st corn)の収穫に入っており、コーン(2nd corn)の植え付け時期に当たっている。大豆は平均的には生育期に該当している。

アルゼンチン

図2はアルゼンチンにおける大豆とコーンの産地の分布で、図3は1月27日から2月2日のアルゼンチンの降水量(図3左)と1月21日から31日までの土壌水分量指数(図3右、干ばつ指数)をまとめたものとなる。図2と図3を組み合わせると産地の農地における水分量が分析可能となる。今週はコーンと大豆の主要産地のうち、コルドバ州やブエノス・アイレス州の南部西側などで雨が少なかった。一方でブエノス・アイレス南部中央部、東側では多くの雨が降り乾燥がやや緩和された。ただし、これまでの降水が少なかったためコルドバ州やサンタフェ州の南部、ブエノス・アイレス州西部などでは土壌の軽度な乾燥が起きている。今後の作物の生育には適度な降雨が必要な見通し。

ブラジル

図4と図5はブラジルにおける大豆とコーン産地の分布で、図6は1月27日から2月2日の降水量(図6左)と1月21日から31日までの土壌水分量指数(図6右、干ばつ指数)をまとめたものとなる。図4と図5、図6を組み合わせて分析するとコーンと大豆の主要産地のほとんどの地域で少雨が続いている。 これまでの雨で北部産地のゴイアス州やマトグロッソ州の東部では十分な水分量があるが、マトグロッソ州西部や南部産地のパラナ州東部、リオグランデ・ド・スル州では乾燥が進んでおり、今後の作物の安定的な生育には降雨が必要な状況となっている。
現地からの情報によるとマトグロッソ州では早植えの大豆のおよそ4割の収穫が終了している。イールドは昨年より良好な見込み。マトグロッソ・ド・スル州でも去年よりイールドが良好と報告されている。パラナ州西部では十分なイールドが期待されているが、パラナ州東部では乾燥の影響によりイールドが低下する可能性が懸念されている。すでに乾燥の影響が出ているサン・パウロ州では9月に植付の大豆のイールドが前年比で3割低下したと報告されている。
ブラジル全体でみると大豆、コーンともに過去最大の作付け面積となった。今シーズンの生産量は記録的な量(大豆1.23億トン、コーン1.01億トン)となる見通し。想定されるイールドは先月比で大豆+2%、コーン-3%となっている。

図4 ブラジルでの大豆産地分布(出展元USDA)
まとめと今後の相場見通し

今日は土壌の水分量から今後の収穫について考えてみたい。アルゼンチンでは全体的に雨が少ないが、現在のところ土壌の水分量は軽度な乾燥から通常レベルに止まっている。今後の生育に雨は必要だが、大豆・コーン共にイールドへの影響はまだ報告されていない。ブラジルでは北部の産地で十分な雨が降っているが、北部の一部と南部の産地では乾燥が起きており、南部の一部では乾燥が深刻化しており、イールドの低下が実際に発生している。ただし、ブラジル全体でみれば、コーンと大豆はおよそ1億トンの生産を引き続き見込んでおり、大きな生産量の下方修正などは起きていない。まとめると、これまで通り南米産の大豆とコーンについては大きな生産減は起きないため供給面からの高騰は想定し難く、引き続き新型コロナウイルスの流行による中国の需要落ち込み懸念から売り圧力が続くのではないかと筆者は考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。