2月14日関税引き下げ(つらつらコラム2月7日)

 

米中の通商合意に基づく関税の引き下げ

先月15日に、アメリカ・中国両政府は第1段階の通商合意に署名した。これを受けて1週間後の1月22日にアメリカ通商代表部(USTR)は、対中関税のうちいわゆる「第4弾」の関税の引き下げを発表した。第4弾にはテレビや衣料品、デジタル家電など1200億ドル相当に掛けている関税を15.0%から7.5%に引き下げる。一方で、2018年までに課した2500億ドル分の第1弾(340億ドル)、第2弾(160億ドル)、第3弾(2000億ドル)の関税は25%のまま中国側への圧力として維持される見込み。

中国政府の関税引き下げ対応

昨日、2月6日に中国商務省はアメリカからの1717品目に上る輸入品に発動していた報復関税率を半減すると発表した。前述の通商合意による関税引き下げ実施は2月14日までに行うと定められていたための措置で、対象は中国が9月1日に発動した輸入品が対象となり、大豆や冷凍豚肉、原油などが含まれる。今後も交渉を続けすべての品目に対する追加関税を廃止することが表明されている。大豆に対する関税が引き下がったことや、交渉妥結から3週間の間履行されていない状態だが、500億ドル分の中国の大豆購入が実施されるなら大豆相場は大きく上昇することが予想される。

第2段階以降の通商交渉について

今後の交渉は昨年までの交渉で米中両国の間での懸案となり、交渉決裂の寸前まで行くこととなった、知的財産権の取り扱いなど多くの項目が残っており難航が予想される。今年はアメリカ大統領選挙の年であるが、民主党側では自党内の予備選挙で混乱が続いている他、昨日付でトランプ大統領への弾劾は無罪判決が得られており、トランプ大統領再選の目が大きくなっていると筆者は考えている。もっとも民主党側有力候補のバイデン候補は対中強硬派として知られており、仮に大統領選挙まで交渉が伸びた場合に、どちらが勝っても中国にとってはタフな交渉が必要だと思われる。

まとめと今後の見通しについて

中国国内の新型コロナウイルスの流行拡大が止まらない中で、米中間の第1弾の通商協議が確実に履行されることは、世界経済にとって明るいニュースであることには間違いない。ダウも高値警戒感から小幅上昇にとどまったものの、一時約240ドルの上げとなった。今後も順調に交渉が進めば、残る3分の2の関税が引き下げられることで、現在も好調なアメリカ経済や減速している中国経済双方の支援材料となりダウも30000ドルの先が見えてくると考えている。しかし、既にアメリカは大統領選挙に突入しており、現職大統領に急いで交渉を進める必要性はあまりなくなった他、懸案となっている知的財産権の含まれる第2段階の交渉には非常な困難があると筆者は考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。