(Updated) OPEC会合開催 (つらつらコラム2019年12月4日)

 

OPEC加盟国と非加盟産油国で構成されるOPECが12月5日にOPECプラスが6日にウィーンで会合を開く。報道では2020年3月末までの期限で行われている現在の日産120万バレルの規模での協調減産が延長されるのは確実な見通しとなっている。減産拡大のサプライズはあるのだろうか。

今日はまず協調減産について内容を振り返ってから今後の見通しを述べておきたい。下表はOPEC14か国とOPECプラスに参加している非OPEC産油国の直近の産油量と減産目標(2018年12月策定)をまとめたものである。(出展元:OPEC月報、EIA)

*12月6日のOPECプラス会合で決定した新しい協調減産枠の情報を下表に太字で追記しました。(出展元:OPEC)

国名2018年(1000バレル/日)参考減産基準(1000バレル/日)2019年10月(1000バレル/日)減産目標(1000バレル/日)10月と目標との差(1000バレル/日)2020年1月からの新減産枠(1000バレル/日)追加減産量 (1000バレル/日)
アルジェリア1042105710191025-61013-12
アンゴラ1505152813561481-12514810
コンゴ317325325315+10311-4
エクアドル519531448515-671月OPEC脱退1月OPEC脱退
赤道ギニア125127125123+2122-1
ガボン187187207181+26179-2
イラン35532146
イラク4550465346904512+1784462-50
クウェート2745280926742724+502669-55
リビア9511167
ナイジェリア1718182718111774+371753-21
サウジアラビア1031110633989010311-42110144-167
アラブ首長国連邦2986316831063072+343012-60
ベネズエラ1354687
減産実施国全体268452565126033-38225146-372
OPEC全体3186429650-372

OPEC全体では2018年に比べて原油生産量が減少しているが、これはベネズエラ・イランの両国に対するアメリカの制裁、およびリビアの政情不安によって3か国の輸出が抑えられたためとなっている。

*12月7日追記
上の表の右側2列が2020年1月からの新しい減産割り当てでOPEC全体で計37.2万バレルが追加減産される。サウジアラビアが最大の減産を引き受ける他、自主的に追加で更に40万バレル、合計すると日量66.7万バレルまでの減産を行うと同国の石油相が表明し、OPECのHP上の議事録にも明記されている。一方で、エクアドルが2020年1月にOPECを脱退するため、エクアドルの割り当て分である日量6.7万バレル分が宙に浮いた形になったことには注意。

国名2018年(1000バレル/日)参考値減産基準(1000バレル/日)2019年10月(1000バレル/日)減産目標(1000バレル/日)10月と目標との差(1000バレル/日)2020年1月からの新減産枠(1000バレル/日)追加減産量1000バレル/日)
アゼルバイジャン810797718777-59770-7
バーレーン200227221222-1220-2
ブルネイ100135114132-18131-1
カザフスタン1810202819381988-501971-17
マレーシア700653715638+77633-5
メキシコ2100201719491977-281959-18
オマーン1000995978970+8961-9
ロシア11610117471156211517+4511447-70
南スーダン200132153129+24128-1
スーダン747172-171-1
非OPEC全体188051840918422-1318291-131
OPECプラス全体456504406044455-39543437-503

*12月7日追記
右2列が非OPEC側の新しい減産割り当て量となる。非OPEC側では日量13.1万バレルの減産枠が追加されて、ロシアが最大の引き受け先となる。ただし、ロシアはこれまでの原油生産量の計算方法を他国に合わせる形で見直すと表明しており、原油生産量からコンデンセート(天然ガス生産の副産物である超軽質原油)が差し引かれる見込み。同国の原油生産量に占めるコンデンセートの割合は約6%で、差し引かれる量は日量70万バレルとなる。これは割り当て量の7万バレルを大きく上回っており、ロシアは事実上減産しないといえる。

協調減産全体では基準量に比べてOPEC側で81万バレル、非OPEC側で34万バレル、合計で日量115万バレルとなっており、全体ではほぼ目標を達成し機能しているが、個々の実施国では必ずしもそうとは言えない。サウジアラビアやアンゴラが減産枠より大きく減産しているが、産油量全体でも大きな割合を占めているイラクやUAE、ロシアで目標が達成されていない。このような中でOPECプラスの会合が実施されるが、協調減産の延長は確実視される中で、最大のポイントは協調減産が拡大されるのかとなる。アメリカの増産分だけで日量190万バレルに達する中、減産維持だけでは拡大するOPECプラス外の産油国の増産には対応できないことは明らかとなっており、12月2日付の報道ではイラク石油相が日量40万バレル程度の減産の可能性があると述べるなど、OPEC内からも減産拡大の情報が出てきている。しかし、国営石油会社サウジアラムコの株式公開を前に原油価格を維持したいサウジアラビアと減産拡大に難色を示すロシアなど産油国の間でも足並みはそろっておらず、減産拡大が実施されるかは不透明なままとなっている。

筆者は減産拡大が行われて、原油価格が維持されると考えているが、仮に減産拡大が行われない場合は原油価格は維持できず、年明けにかけて50ドル割れが見えてくるのではないだろうか。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。