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コラム
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2020/12/14

エネルギー速報:天然ガス生産量と輸出量見通し(つらつらコラム2020年12月21日)

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ダイジェスト
  • シェールオイルとシェールガスの生産性は低下。リグ数の増加により最も生産性の高い井戸を毎回掘れなくなったためと思われる
  • 高い生産性の少数の井戸で生産量を維持する時期から、井戸数の増加により生産量が増加する時期に移行、本格的な増産が始まったと思われる
  • 輸出量は予想を上回って増加、主な輸出先は厳冬の予想されるアジアと欧州
  • ただし、米国の輸出能力はすでに限界
EIA Drilling Productivity Report

EIAは今月のシェールガス・シェールオイルのDrilling Productivity Reportを発表した。リグ当たりの生産効率と、地域別の生産量見通しが発表された。

生産性について

表1は主な生産地域別の新規井戸1基当たりから期待される原油及び天然ガスの生産量予想をまとめたものとなる。

表1 生産地域別の新規井戸1基当たりから期待される原油及び天然ガスの生産量予想
 (出展元 EIA)

表中左端が生産地域と平均、その右側3列が原油、右端の3列が天然ガス、それぞれ3列の内容は12月の生産量、来年1月の生産量、差分となっている。原油、天然ガス共にほとんどの地域で生産量が減少している。

生産量予測

表2は主な生産地域別の原油及び天然ガスの生産量予想をまとめたものとなる。表1と同様に左端が生産地域と平均、その右側3列が原油、右端の3列が天然ガス、それぞれ3列の内容は12月の生産量、来年1月の生産量、差分となっている。

12月の生産量と比べると1月の生産量も原油、天然ガス共にほとんどの地域で、生産量が減少している。これは、レガシー井戸と呼ばれる、以前採掘された井戸からの生産量が減っているためとなる。新規リグ数の増加とともに新規井戸は増加しているが、減少分を補えていないと考えられる。

リグ数と生産量の関連
図1 Permian盆地の原油・天然ガス採掘用リグ数と新規井戸1基当たりの生産量(出展元 EIA)

原油・天然ガス採掘用リグ稼働数はベーカー・ヒューズ社によると9月最後の週の発表分の179基を底に12週間連続で増加し、先週は258基まで増加している。図1は主要生産地域の1つPermian盆地の原油・天然ガス採掘用リグ数と生産量の関係を見たものとなる。図1の黒線は左右で共通で原油と天然ガスの採掘用リグ数を加えたリグ数を示す。図1の左側は赤線が新規井戸1基当たりの原油の生産効率(バレル/日量)、図1の右側の青線は天然ガスの生産効率(tcf/日量)を示している。リグ数を示す黒線は今年4月の落ち込み以降増加傾向を示しているが、原油・天然ガスの生産効率はリグ数の減少に反して上昇したものの、直近ではリグ数の増加に対応して減少に転じている。
筆者はこのリグ数の増加と共に生産効率が落ちる現象が増産への兆候だと考えている。リグ数が少ない場合は最も有望な場所がフルに採掘されるため、生産効率が高くなる。実際、今年3月以降のリグ数の急減に対応して、生産効率が大きく向上している。反対にリグ数が増加してくると、フル生産しなくなることと期待される生産量がより少ない場所も採掘されるため、生産効率が低下すると考えられる。現在、枯れていく古井戸の生産量と新規の井戸の生産量が釣り合い見かけ上生産量が増えない状態が続いているが、今後リグ数が増大するに従って、井戸が増大して生産量が増加していくと考えている。

LNG輸出能力と輸出実績
図2 米国内のLNG輸出能力(灰)と輸出実績(棒グラフ) (出展元 EIA)

図2は米国内のLNG設備の能力と輸出実績を示している。11月の時点で輸出の応力は日量10Bcfとなっている。4月以降の需要の落ち込みで6月以降は50%未満の輸出となっていたが、9月以降に急速に回復している。図3は5月時点の輸出能力と輸出量予測だが、年末に日量6Bcf程度としていたEIAの予想を上回る速度で輸出が回復したことが分かる。輸出の好調のため、以前お伝えした通り、来年稼働予定だった設備が前倒しで試験稼働し輸出能力は11Bcfを超えるところまで強化されたが、ほぼ限界まで輸出が行われている。米国産天然ガスの輸出拡大は価格の低下により生産コストの高い米国外のオーストラリア、カタール、ノルウェー、マレーシア、ナイジェリア、トリニダード・トバゴなどのLNG輸出施設が停止し国際LNG価格が上昇したことも材料となっている。また、報道ではパナマ運河の混雑も報告されており、アジア向けが好調な輸出をけん引しているとみられる。

図3 米国内の設備別LNG輸出能力(灰)と輸出実績予測(折れ線グラフ) (出展元 EIA)
今後の見通し

原油価格とガス価格の上昇により、採掘用リグ数が上昇に転じた。すでに冬に入り、例年通り需要が供給を上回って推移している。調査したところでは欧州とアジアでは冬が寒いためLNG需要が増加すると見られている。EIAはこの先、冬が終わるまで輸出需要は好調としているが、米国の輸出能力の限界に達していることからこれ以上の輸出量の増加は輸出設備が増強されない限りないと考えられる。よって、春までの天然ガス相場は、LNG輸出が下値を支え、将来的な生産量の増加予想が上値を抑えながら、北米の暖房用需要に左右される値動きが続くと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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