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レポート
column

2021/01/14

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析1月14日)

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ダイジェスト

・原油在庫は324万バレル減少
 原油生産量は日量1100万バレルで前週から横ばい
 輸出入では輸入が623万バレル、輸出量が301万バレルで、全体では322万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は1.3%上昇し原油処理量が27万バレル増加
 原油処理量の増加とAdjustmentの減少が在庫減少要因
・ガソリン在庫は439万バレル増加
 生産量の減少は続くが、生産量と輸入量が供給量と輸出量を上回っているため在庫増
 ガソリン生産量は50万バレル減少、輸入量は6万バレル減少
 ガソリン供給量は9万バレル増加、輸出量は29万バレル減少
・留出油在庫は478万バレル増加
 供給量の大幅増加は輸出の減少でほぼ相殺、生産量と輸入量が供給量と輸出量を上回り在庫増
 留出油の生産量は12万バレル減少、輸入量は4万バレル増加
 留出油の供給量は66万バレルの大幅増加、輸出量は52万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億7240万バレルで前週比940万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は197万バレル減少した5722万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は75.2%

EIA週間統計の総評

昨日発表のEIAの週間在庫統計では原油在庫が324万バレルの減少となったが、ガソリンなど主要石油製品の在庫は前週と同様に大幅増加する結果となった。原油在庫の減少は特段の材料にならず、原油は小幅な下落となった。
原油から詳細を見ていくと、原油生産量は日量1100万バレルで今週も横ばい、原油輸入量は87万バレル増加した日量623万バレル、輸出量は日量62万バレル減少した日量301万バレルとなった。全体としては322万バレルの輸入超過となっている。製油所の稼働率は前週比で1.3%上昇した82.0%と今週も80%を超え、原油処理量は前週比で28万バレル増加した日量1465万バレルとなった。輸入が増加したものの、製油所の稼働率の上昇で原油精製量が増えたこととAdjustmentの減少で原油在庫が減少した。戦略備蓄(SPR)の放出は今週も0だった。主要石油製品ではガソリン在庫が439万バレルの増加、留出油在庫は478万バレルの増加となったが、原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億7240万バレルと前週比で940万バレルの減少となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は197万バレル減少した5722万バレルだった。

原油と石油製品の在庫(表1)

週間在庫では324万バレル減少した4億8220万バレル、ガソリン在庫は439万バレル増加した2億4550万バレル、留出油在庫は478万バレル増加した1億6320万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は197万バレル減少して5722万バレルだった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)580減324減801減606減53減
ガソリン(万バレル)190増439増451増119減112減
留出油(万バレル)440増478増639増309増232減
クッシング在庫(万バレル)197減76増2増2減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。ガソリンと留出油在庫は季節要因による在庫増の時期に当たっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と3)

表2は原油の生産量と輸出入についてまとめたもので、原油生産量は今週も1100万バレルと横ばいだった。原油輸入量は前週比で日量87万バレル増加した623万バレル、輸出量は日量62万バレル減少して301万バレルとなった。需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられるAdjustmentはマイナス4万バレルとなり前週の49万バレルから53万バレル減少した。今週はAdjustmentで在庫を減少させる形の調整となった。

原油生産と輸出入今週   前週   2週前   3週前   4週平均  前年同時期  
原油生産(万バレル/日)110011001100110011001290
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)623536532556562655
原油輸出(万バレル/日)301363362309334348
Adjustment(万バレル/日)-44971534153
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はサウジアラビアなど中東やコロンビア以外の南米産原油の輸入が増加した。コロンビアからの輸入が減少して0となった。

輸入国輸入量万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ395389+6
メキシコ6052+8
サウジアラビア320+32
イラク90+9
コロンビア033-33
エクアドル160+16
ナイジェリア194+15
ブラジル200+20
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

表3は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所の稼働率が1.3%上昇した82.0%となり、製油所への原油投入量は28万バレルの増加の日量1465万バレルとなった。稼働率は上昇しているが依然として稼働率は前年の92.2%を10%以上下回っている。石油生産量ではガソリン生産が前週比で50万バレル減少した日量751万バレル、ジェット燃料生産が9万バレル増加した日量123万バレル、留出油の生産は22万バレル減少した日量466万バレルだった。今週も製油所の稼働率が上昇したがガソリン生産は50万バレルを超える減少となった。

製油所稼働率等今週   前週   2週前  3週前  4週平均 前年度同時期   
原油投入量(万バレル/日)146514371428140114331697
製油所稼働率(%)82.080.779.478.080.092.2
ガソリン生産(万バレル/日)  751801919882838928
ガソリン輸入(万バレル/日) 384460575044
ジェット燃料生産(万バレル/日)123114119114118193
ジェット燃料輸入(万バレル/日)5141212112
留出油生産(万バレル/日)   466478463459466492
留出油輸入(万バレル/日)  343061444220
表4 石油製品生産量 (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

表5は主要石油製品の供給(需要)と輸出の内訳一覧となる。前週比でガソリン供給が日量9万バレル増加した753万バレル、ジェット燃料供給は55万バレルと大幅増加した日量146万バレルとなった。留出油供給は66万バレル増加して日量360万バレルとなり2週間前の水準に戻った。

石油製品供給(日量)今週  前週  2週前  3週前  4週平均  前年同時期  
ガソリン供給(万バレル/日)753744818802778855
ガソリン輸出(万バレル/日)598891757860
ジェット燃料供給(万バレル/日)14691121119119172
ジェット燃料輸出(万バレル/日)3558517
留出油供給(万バレル/日)360294359417358294
留出油輸出(万バレル/日)71123122119109105
表5 石油製品供給(需要)量 (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

原油需要側では製油所稼働率が前週比で1.3%上昇し、原油消費量は28万バレル増加した日量1465万バレルとなった。主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で50万バレル減少した751万バレル、輸入量は6万バレル減少した38万バレルとなった。一方、ガソリン供給量は9万バレル増加した75万バレル、輸出量は29万バレル減少した59万バレルとなった。ガソリン生産量が減少した一方でガソリン供給量が増加したため、ガソリン在庫が減少となった。次に留出油生産量は22万バレル減少した466万バレル、輸入量は4万バレル増加した34万バレルだった。留出油供給量は66万バレル増加して360万バレルとなったが輸出量は52万バレル減少して71万バレルとなった。留出油生産量が減少した。一方で、供給量が66万バレルの大幅増となったものの輸出が52万バレルの大幅減少となったため、前週に比べて需要はあまり増えず留出油在庫の増加傾向は変わらなかった。ジェット燃料生産量は9万バレル増加した123万バレル、供給量は55万バレル増加した146万バレルだった。石油製品全体の供給(需要)量は前週比で255万バレルの大幅増加で1960万バレルとなった。主要石油製品の在庫が増加したが原油を始めとした他の石油製品の在庫が減少したことを受けて、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比940万バレル減少した19億7240万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

表6はニューヨーク港渡しの石油製品の卸売価格となる。クリスマスと新年の休暇による未発表期間を挟んでガソリン価格は約15セント、ディーゼル燃料価格は約7セントの上昇だった。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
1/81/112/2512/18  12/11  前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
1.576未発表未発表1.4301.3381.698
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.582未発表未発表1.5131.4311.929
原油
(ドル/バレル)
52.14未発表未発表49.0446.5959.02
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果で、今週のガソリン小売価格は前週比で約6セントの上昇、ディーゼル燃料は前週比で約3セントの上昇となった。

小売価格1/11  1/4  12/28  12/21  12/14  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.3172.2492.2432.2242.1582.570
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.7022.6392.6342.6182.5652.964
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.9592.8952.8892.8712.8213.209
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
2.6702.6402.6352.6192.5593.064
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)
今後の見通し

原油生産量は今週も日量1100万バレルで横ばいだった。需要面では製油所稼働率が1.3%向上し、原油消費量が日量28万バレル増加した日量1465万バレルとなった。原油輸出入は日量322万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で日量87万バレル増加した日量623万バレル、輸出量が62万バレル減少した日量361万バレルだった。原油投入量の増加に加えて、Adjustmentによる在庫調整が大きく原油在庫が減少している。主要石油製品ではガソリンと留出油ともに需要側(供給量+輸出量)が供給側(生産量+輸入量)今週も上回り在庫増となった。ガソリンの生産が日量50万バレルの減少となった他、留出油の供給量は日量66万バレルの大幅増となった。前週より石油製品の出荷は日量255万バレルと大幅増加した1960万バレルとなった。全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、940万バレル減少した19億7240万バレルだった。
WTI原油先物相場では前週のOPECプラスのJMMC(共同閣僚監視委員会)での減産幅拡大やバイデン新政権による大規模な経済対策になどによる原油需要増加への期待が原油相場を支えており、1バレル50ドル前半の値動きが続いている。一方で、新型コロナウイルスの感染拡大がワクチンの接種開始後も増加を続けており、欧州では春までロックダウン継続を行う国が出始めている。今週のEIA統計でもガソリンや留出油など石油製品の在庫増加が止まっていないことに加えて、今年後半に向けての原油需要の増加見通しが不透明になってきている。原油相場は割高だと筆者は考えており、早晩1バレル50ドルを割り込むのではないかと考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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