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これまでのダウ相場と原油相場に見る相関
今日から時折過去の相場情報のデータ分析を行って、値動きについての分析を紹介していきたい。今日はまず手始めとして新年からのダウ相場と原油相場を簡単に分析してみたので振り返ってみたい。
ダウ相場

図1に示す今年に入ってダウ相場は1月4日にジョージア州の上院選挙を巡る政治的な不透明感や新型コロナウイルスの感染拡大を材料に急落したものの、1月5日には掲載指標の改善を材料に6日には民主党が前述の上院選で勝利しトリプルブルーと言われる政治的な安定を確保したことで、公約である大規模な経済対策が行いやすくなったとの見方を材料に上昇した。その後、7日以降は31000ドル付近での値動きが続いている。
原油先物相場

図2は原油相場を示している。原油相場も1月4日に大きく下落したが、5日にOPECプラスがサプライズとなる減産枠の拡大を発表したことで大幅上昇した。6日以降も減産による需給改善期待や追加経済対策への期待を材料に、上昇を続けて年初の安値から5ドル以上上昇して1バレル当たり53ドル台で推移している。
ダウ相場と原油相場の相関
図3 日足で見た相関 図4 1時間足で見た相関
今日はダウ相場と原油相場の終値で相関を確認してみよう。図3は横軸にダウの日足の終値、縦軸に原油の日足の終値の相関を見たものとなる。左下から右上に向かう対角線上に点が並んでいるがこれは、ダウが高くなれば原油も高いという相関を示している。右下や左上に点がないことはダウが高いが原油が安いというような相反する動きはほぼなかったことを示している。相関係数を計算してみると0.87となる。この値は強い正の相関(ダウが上がる時に原油も上がる)があることを示している。
図4は一時間足の終値で図3と同様に相関を見たものだが、やはり左下から右上に向かう対角線を外している点はほとんどなく、相関係数を計算してみても強い正の相関を示す0.84となった。これらのことから1月のダウのと原油の値動きには強い相関があったことを示している。
まとめ
新年1月に入ってダウ、原油共に高値付近での張り付きが続いている。1月4日はアメリカの政治的な混乱と新型コロナウイルスの感染拡大による景気の落ち込みを材料にダウ・原油と大きな下げとなった。1月5日は原油はOPECプラスの減産のサプライズで上昇したが、ダウを上昇させた好調な経済指標による景気見通しの改善が材料としてあったと推測できる。その後はアメリカの議会の両院で多数派となった民主党とバイデン新政権による大規模な経済対策への期待感がダウ相場と原油相場を共にけん引している。以上のような理由で、新年のダウ相場と原油相場の間には非常に強い相関が見えていることが分かった。
今後も定期定期このコラムでデータ分析をもとにした記事を載せようと考えているので、ご期待ください。
※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。