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コラム
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2021/01/25

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム1月25日)

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ダイジェスト

・天然ガス在庫は各社予想180Bcf減に対して188Bcf減と予想より在庫量の減少幅が大きかった
・1月15日時点の天然ガス在庫量は3009Bcf(有効容量の70.6%)
・1月14日から1月20日の天然ガスの供給量は96.1Bcf(前週比0.6Bcf 減)
・1月14日から1月20日の天然ガスの需要は89.2Bcf(前週比5.1Bcf減)
・需要の内訳は発電需要が2.9Bcf減、住宅・商業用需要が1.9Bcf減、工業用が0.3Bcf減、LNG輸出が0.1Bcf増となった。
・ベーカー・ヒューズ社の最新のレポートによると天然ガス採掘用リグは88基(前週比3基増)、原油採掘用リグ289基(前週比2基増)
・LNGの輸出需要は1月20日の時点で10.9Bcfで、依然として好調な輸出が続くが直近では10Bcfを割り込む日も
・今後の2週間後の気温予報は太平洋岸で平年以下、西部で平年並み、中西部から大西洋岸は平年以上の気温となる見通し。2月の天気予報でも多くの地域で平年以上の気温が続く

週間天然ガス在庫総評

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

EIAの発表した1月15日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で188Bcf減少と予想の180Bcf減少より強く3009Bcfとなった。予想より在庫量の減少が大きかった。前週金曜日の天然ガス先物相場は従来より暖かくなり暖房用需要が低下するとの見通しが懸念材料となった。下落で取引を終えている。1月23日のEIAの在庫統計発表直後は瞬間的に買われたが、大きな影響はなかった。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。人口の多いアメリカ東部や南部、中西部を中心に在庫が減少している。全米の在庫量は3009Bcfと前週と比べて188Bcfの減少となった。在庫量は平年(5年間の平均)に比べて198cf、前年比で36Bcf多い。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の61.4%、有効容量(4261Bcf)の70.6%となっている。

天然ガス供給

表2は1月14日から1月20日の間の天然ガス供給の内訳となる。天然ガスの生産は前週から変わらず90.3Bcfとなった。1月に入っても90Bcf程度で横ばいとなっている。次にカナダからの輸入が5.6Bcfと前週から0.4Bcfの減少となったため、天然ガスの総供給量は96.1Bcfと前週から0.4Bcfの減少となった。

図3 天然ガス供給一覧(出展元 EIA)

天然ガス需要

表3は1月14日から1月20日の間の天然ガス需要の内訳となる。前週と比べて発電需要が2.9Bcf減少した26.5Bcf、工業需要が0.3Bcf減少した24.7Bcf、住宅・商業用需要が1.9Bcf減少した38.0Bcfとなった。アメリカの国内需要の合計は5.1Bcf減少した89.2Bcfとなった。
輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で0.1Bcf増加した5.5Bcf、LNG輸出は前週比で0.1Bcf増加した10.9Bcfとなった。

図4 天然ガス需要セクタ別一覧(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

12月23日時点12月30日時点1月5日時点1月12日時点1月19日時点
原油用264基267基275基287基289基
天然ガス用83基83基84基85基88基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

表2はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。最新の1月22日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から2基増加した289基、天然ガス採掘用リグ稼働数は3基増加した88基となった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて、前週より5基増加した378基となった。リグ数の回復はシェールオイルの主要産地であるパーミヤン盆地を中心に続いている。

今後の見通し

LNG輸出

図5はNGI社が提供している天然ガスのLNG基地に接続されているパイプラインの流量でLNG輸出量の推定値となる。1月13日以降はおおむね10.0Bcf台後半で推移してきたが、21日に久々に10.0Bcfを割り込んでいる。EIAによれば1月14日から1月20日の間に全米6か所のLNG輸出基地に20隻のLNGタンカーが寄港し、72BcfのLNGが輸出された。

図5 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

図7はNOAA発表の10日後から14日後(2月1日から7日)の気温予報で、太平洋岸を中心に冷え込みが強まり気温が平年より低下する見通しとなっている。一方でアメリカ中西部から大西洋岸にかけては平年以上の気温となる見通し。図8は1月21日発表のNOAAの1か月予報で2月はアメリカの太平洋岸北部を除いて例年より暖かくなる見通しで、中期的(1か月)には暖房用需要の伸び悩みと予想できる。

まとめ

天然ガスの生産は1か月前よりやや落ち込んだ90.0Bcf前後で推移している。シェールオイルやシェールガス採掘用のリグ数の増加は続いているが、天然ガスの生産も増加は足踏みしている。需要面では、2月の天気予報がアメリカの半分以上の地域で平年より暖かくなる予想となっているため、国内需要は暖房用需要を中心に減少すると予想される。輸出需要はLNG輸出が高水準で続いているが、直近での落ち込みが見られる。よって今週も天気予報を材料として天然ガス価格が高下する状況が続くと考えられる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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