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コラム
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2021/01/26

エネルギー速報:イラクとリビアの状況について(つらつらコラム1月26日)

アンケートのお願い

ダイジェスト(原油は全て日量)

・イラクは1月と2月に合わせて50万バレル減産を計画
・イラク国内の政情不安が高まっており継続できるかは不透明
・リビアの原油輸出は100万バレルにとどまる
・リビアの輸出港の一部を武装勢力(石油施設警備隊)が抑え、原油輸出を実力で妨害中のため

イラクの減産

Iraq is cutting oil output to compensate OPEC+
図1 イラクの生産量の推移(出展元 ブルームバーグ)

イラクは今年の1月と2月に減産を実施する。OPECプラスの生産枠を昨年超過して精算した分を補うための削減で、サウジアラビアやロシアなどの要求に応じた形となる。イラクは2020年の12月に385万バレルの原油を生産したが、今年1月と2月には360万バレルまで減らす計画で2か月で合計50万バレルを減産する。うち輸出には300万バレルをやや上回る量が回る見込みで、先月の330万バレルから減少となる。

イラクが減産を達成できるかは北部のクルド人自治区内での原油生産が減らせるかどうかにかかっている。フセイン政権の崩壊後生産量をコントロールできない状態が続いている。

イラクでは経済的な困窮が続いており今後も減産が続けられるかは不透明な情勢となっている。図1のようにOPECプラスの減産が始まって以来約100万バレルの減産が続いている。この原油の輸出が制限される状況が続くと収入を原油に頼っている政権や経済が崩壊する可能性が高まることになる。例を挙げれば、昨年に困窮したイラク国民によるデモが行われたことなどがあり、政情不安が高まっている。政府は原油輸出を前払いに切替えることで対応を図っている。

リビアの輸出制限

Libya's oil output falls to about 1 million barrels a day
図2 リビアの原油生産量推移(出展元 プルームバーク)

表2はリビアの原油生産量を示している。2020年1月の内戦の再開で9月まで10万バレル程度まで落ち込んだリビアの原油生産は昨年後半に急速に回復して12月には120万バレルと内戦前の水準を回復した。以降順調な輸出が続いていたが、1月に入って東部の主要な原油輸出港のうち3か所を武装組織(石油施設警備隊)が封鎖し、原油輸出を実力で停止している。これにより20万バレルの輸出が停止している。交渉が続いているが輸出の停止は武装組織の給与支払い遅延の解消などの改善要求が通るまで継続される可能性がある。
一方でリビアのワハ油田では故障していたパイプラインの修理が終了した。これにより9万8千バレルだった生産量は30万バレルまで戻る見込み。

今後の見通し

原油価格は1月のサウジアラビアの自主減産の実施により上昇に転じているが、新型コロナウイルスの感染拡大が続き欧州のロックダウンの長期化が避けられない状況となる中で、今年前半の原油需要は予想より落ち込むことが予想される。一部の情報では超大型タンカーによる輸送力の整理が進んでおり過剰となっている老朽船の廃船が行われているようだ。これは原油需要の低下で原油を輸送する原油タンカーが余っており、輸送運賃が下がっていることが背景にある。運賃低下で維持コストが賄えなくなり(記事によれば中東中国航路の収益はマイナスに達しているという)、費用の高い老朽船から解体されている。
今回のイラクやリビアの減産は短期的に上昇の要因となったが、供給が復活すれば今度は原油供給の増加が価格の下落要因となる。加えて、アメリカの政権交代でトランプ政権が行っていた経済制裁が解除されることでイランの原油輸出が200万バレル増加するとの情報も流れており、サウジアラビアの減産が終わる3月以後のタイミングで原油供給が一気に増加する事態が予想される。今後のOPECプラスの減産がどうなるかなどの情報に注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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