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コラム
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2021/01/08

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム1月8日)

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ダイジェスト

・天然ガス在庫は各社予想138Bcf減に対して130Bcf減と予想を下回る
・1月1日時点の天然ガス在庫量は3330Bcf(有効容量の78.2%)
・12月31日から1月6日の天然ガスの供給量は97.2Bcf(前週比0.2Bcf 増)
・12月31日から1月6日の天然ガスの需要は89.4Bcf(前週比2.6Bcf減)
・内訳は発電需要が0.7Bcf増、住宅・商業用需要が3.1Bcf減、工業用が0.2Bcf減、LNG輸出が横ばいとなった。
・ベーカー・ヒューズ社の最新のレポートによると天然ガス採掘用リグは83基(横ばい)、原油採掘用リグ267基(前週比3基増)
・LNGの輸出需要は1月6日の時点で11.0Bcfを超えており、依然として好調な輸出が続く
・今後の2週間後の気温予報はメキシコ湾岸で平年以下、中西部で平年並み、西部から太平洋岸は平年以上の気温となる見通し

週間天然ガス在庫総評

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

EIAの発表した1月1日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で130Bcf減少した3330Bcfとなり、予想の138Bcf減少を下回った。昨日の天然ガス先物相場は従来より寒くなり暖房用需要が高まるとの見通しが支援材料となった。欧州時間が始まると利食い売りが入って下落したが、欧州時間後半から需要増見通しを材料に再度上昇した。立会時間終了後に利食い売りもあり下落して取引を終えている。EIAの在庫統計発表後は瞬間的に買われたが、大きな影響はなかった。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。人口の多いアメリカ東部や南部、中西部で中心に暖房用需要から在庫が減少した。全米の在庫量は3330Bcfと前週と比べて130Bcfの減少となった。在庫量は平年(5年間の平均)に比べて201Bcf、前年比で138Bcf多い。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の71.0%、有効容量(4261Bcf)の78.2%となっている。

天然ガス供給

表2は12月31日から1月6日の間の天然ガス供給の内訳となる。天然ガスの生産は前週比で0.3Bcf減少した91.1Bcfとなった。一方でカナダからの輸入が5.9Bcfと前週から0.4Bcfの減少となったため、天然ガスの総供給量は97.2Bcfと前週から0.2Bcfの減少となった。1か月前と比較すると1.0Bcf程度生産量が増加している。

図3 天然ガス供給一覧(出展元 EIA)

天然ガス需要

表3は12月31日から1月6日の間の天然ガス需要の内訳となる。前週と比べて発電需要が0.7Bcf増加した26.8Bcf、工業需要が0.2Bcf減少した24.5Bcf、住宅・商業用需要が3.1Bcf減少した38.1Bcfとなり、アメリカの国内需要の合計は2.6Bcf減少した89.4Bcfとなった。輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で0.4Bcf増加した5.1Bcf、LNG輸出は11.0Bcfで横ばいとなった。

図4 天然ガス需要セクタ別一覧(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

12月11日時点12月18日時点12月23日時点12月30日時点
原油用258基263基264基267基
天然ガス用79基81基83基83基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

表2はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。最新の12月30日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から2基増加した267基、天然ガス採掘用リグ稼働数は横ばいで83基となった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて、前週より3基増加した351基となった。リグ数の回復はシェールオイルの主要産地であるパーミヤン盆地を中心に続いている。

今後の見通し

LNG輸出

図5はNGI社が提供している天然ガスのLNG基地に接続されているパイプラインの流量でLNG輸出量の推定値となる。年越し時期当たる12月30日から1月2日にかけて11.0Bcfに達しない期間があるが落ち込みが、それ以外はおおむね11.0Bcf付近で推移している。EIAによれば12月31日から1月6日の間に全米6か所のLNG輸出基地に21隻のタンカーが寄港し、77BcfのLNGが輸出された。

図5 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)

図6はLNG輸出量(棒グラフ、色分けは輸出基地別)とLNG輸出容量(線グラフ)を見たもので、2020年の夏に新型コロナウイルスの流行による大きな落ち込みがあったものの、年後半にかけて輸出量が増加し、2020年12月には日量9.8Bcfの新記録を達成した。背景にはアジアの冬が例年より厳しく世界のLNG需要が高まっていること、新型コロナウイルスの影響でライバルのLNG供給が落ち込んだことがアメリカ産LNGの順調な輸出につながった。今週の報道では気温低下による電力需要増で東京電力の発電用LNG在庫が不足する可能性が、日本海事新聞によると1月のメキシコ湾岸からアジア向けの大型LNGタンカーの傭船料が12月に比べて33%上昇しており、アメリカからアジアへ向けた輸出が活発化していることが報道されている。

図5 アメリカのLNG輸出量の推移(出展元 EIA)
国内需要

図7はNOAA発表の10日後から14日後(1月15日から21日)の気温予報で、太平洋岸を中心に気温が平年より上昇する見通しとなっている。図8はNOAA月間予報で1月はアメリカの多くの地域で例年より暖かくなる見通しとなっており、中期的(1か月)には暖房用需要の伸び悩みすると予想される。

まとめ

天然ガスの生産は1か月前よりやや増加して91.0Bcf前後で推移している。シェールオイルやシェールガス採掘用のリグ数の増加は続いており、天然ガスの生産も増加していくと考えられる。需要面では、LNG輸出が高水準で高止まりしており、特にアジア向けの輸出が好調なことが支えている。アメリカの国内需要では1月はアメリカの全国的に平年より暖かくなる予想で、気温上昇で暖房用需要は減少しそうだ。輸出需要は設備の限界からこれ以上増えにくいため、天気予報を材料として天然ガス価格が高下する状況が続くと考えられる。来週も天気予報には注意したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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