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コラム
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2021/02/01

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2月1日)

ダイジェスト

・天然ガス在庫は各社予想138Bcf減に対して128Bcf減と予想より在庫量の減少幅が小さかった
・1月22日時点の天然ガス在庫量は2881Bcf(有効容量の67.6%)
・1月21日から1月27日の期間の天然ガス供給量は96.9Bcf(前週比0.8Bcf 増)
・1月21日から1月27日の期間の天然ガス国内需要量は94.7Bcf(前週比5.5Bcf増)
・国内需要の内訳は発電需要が0.5Bcf増、住宅・商業用需要が4.7Bcf増、工業用が0.2Bcf増
・LNG輸出用需要が1.0Bcf減、メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.4Bcf増となった。
・ベーカー・ヒューズ社の最新のレポートによると天然ガス採掘用リグは88基(前週比横ばい)、原油採掘用リグ295基(前週比6基増)
・今後の2週間後の気温予報はほぼ全国的に平年以下の気温となる見通し。最新の1か月予報でも2月は平年より冷え込みが強くなる見通し。

週間天然ガス在庫総評

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

EIAが先週木曜日に発表した1月22日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で128Bcf減少と各社予想の138Bcf減少より弱く2881Bcfとなった。予想より在庫量の減少が少なかったことや月末の手じまい売りなどで、前週金曜日の天然ガス先物相場は下落した。天気予報で寒さの見通しが従来より強まってたが金曜日には大きな影響はなかった。今日、2月1日の寄り付きは約0.2ドルの上窓が開いて始まっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。先々週に気温の高かった太平洋岸で在庫の減少が小さかった。全米の在庫量は2881Bcfと前週と比べて128Bcfの減少となり、在庫量は平年(5年間の平均)に比べて244cf、前年比で78Bcf多くなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の61.4%、有効容量(4261Bcf)の67.6%となっている。

天然ガス供給

表2は1月21日から1月27日の間での天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は90.5Bcfと前週より0.2Bcfの増加だったが、今週も90.0Bcf程度で横ばいとなっている。次にカナダからの輸入は6.1Bcfと前週から0.5Bcfの増加となり前週の減少幅を打ち消した。天然ガスの総供給量は96.9Bcfと前週から0.8Bcfの増加となった。

図3 天然ガス供給一覧(出展元 EIA)

天然ガス需要

表3は1月21日から1月27日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は117.6Bcfと前週より4.9Bcfの増加となった。
このうちアメリカ国内需要の合計は94.7Bcfと前週比で5.5Bcfの増加となった。内訳は発電需要が前週比で0.5Bcf増加した27.0Bcf、工業需要が0.2Bcf増加した24.9Bcf、住宅・商業用需要が4.7Bcf増加した42.8Bcfとなった。
輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で0.4Bcf増加した5.9Bcf、LNG輸出は前週比で1.0Bcf減少した9.9Bcfとなった。

図4 天然ガス需要セクタ別一覧(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

12月30日時点1月5日時点1月12日時点1月19日時点1月26日時点
原油用267基275基287基289基295基
天然ガス用83基84基85基88基88基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

表2はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。1月29日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から6基増加した295基、天然ガス採掘用リグ稼働数は88基で横ばいとなった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて、前週より6基増加した384基となった。パーミヤン盆地でリグの増加が続いている。

今後の見通し

LNG輸出

図5はNGI社が提供している天然ガスのLNG基地に接続されているパイプラインの流量でLNG輸出量の推定値となる。1月21日に10.0Bcfを割り込み、一時8.0Bcf台まで低下した。その後は回復し、1月28日以降は再び11.0Bcfを超える状態となっている。EIAによれば1月21日から1月27日の間に全米6か所のLNG輸出基地に18隻のLNGタンカーが寄港し、65BcfのLNGが輸出された。1月21日以降の輸出量の落ち込みはメキシコ湾沿岸の3か所のLNG基地周辺の濃霧のためタンカーが接岸できなかったことによると報じられている。

図5 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

図7はNOAAが今日発表した10日後から14日後(2月1日から7日)の気温予報で、今後2週間は全国的に冷え込みが強まり平年以下の気温となる見通し。図8は1月31日発表のNOAAの2月の1か月予報となる。前の1か月予報では平年以上の気温となるとの予報だったが、最新の予報ではアメリカの太平洋岸北部から五大湖周辺を中心に例年の2月より寒くなる見通しとなっている。今後、暖房用需要が伸びると予想される。

まとめ

天然ガスの生産は原油採掘用や天然ガス採掘用のリグ数の増加が続いているが、原油、天然ガス共に生産量の維持に留まっている。ただし、原油価格の高止まりが続いているため、リグ数の増加は続くと考えられる。需要面では、2月の最新の天気予報は半月前の予報と比べて、アメリカの半分以上の地域で平年より寒くなる予報となった。天気予報では今日の2週間週予報で寒くなると予報されている他、最新の1か月予報で2月は例年より寒いとの予報に変わっため、今後しばらくは冷え込みにより暖房用需要が増加して国内需要は増加すると予想される。ただし、すでに2月で冬の終わりが見えてきているため供給が不足するようなことはないと考えられる。輸出需要はLNG輸出が高水準で続いているが、LNG輸出港周辺の気象条件により直近で輸出落ち込みが見られた。ただし、需要が減少している訳ではないため今後も順調な輸出が続くと考えられる。天気予報に大きな変化がない限りは大きな下落はない。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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