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コラム
column

2021/02/10

穀物速報:2月のUSDA需給報告と今後の見通し(つらつら分析2021年2月10日)

 

ダイジェスト

・大豆(アメリカ)
 輸出需要が0.20億ブッシェルの引き上げ
 輸出需要以外の需給項目は据え置き
 予想期末在庫は0.20億ブッシェル引き下げられた1.20億ブッシェル
 在庫は直近7年で最低の水準

・コーン(アメリカ)
 輸出需要が0.50億ブッシェル引き上げ
 輸出需要以外の需給項目は据え置き
 予想期末在庫は0.50億ブッシェル引き下げられた15.02億ブッシェル

・世界需給
 アルゼンチンの大豆生産量、コーン生産量共に据え置き
 ブラジルの大豆生産量、コーン生産量共に据え置き
 中国のコーン需要が200万トン引き上げ

総評

昨日、日本時間2月10日26時にUSDAから2月の穀物の需給報告が発表された。今回の報告は南米の乾燥が生産量へ影響するかどうかや順調な輸出を反映してアメリカ産の大豆とコーンの期末在庫がどれだけ引き下がるかが注目材料だった。
報告では大豆は輸出需要が0.20億ブッシェル引き上げられた結果、予想期末在庫は0.20億ブッシェル引き下がり1.20億ブッシェルとなり前回の報告時より予想量が減少し、7年間で最低の水準となっている。輸出需要以外の項目は全て据え置かれた。
コーンは輸出需要が0.50億ブッシェル引き上げられた。予想期末在庫も0.50億ブッシェルの引き下げとなり15.02億ブッシェルとなった。
大豆・コーン共に好調な輸出を反映して期末在庫が引き下げられれたが、事前の市場予想と比べると特にコーンは弱気な内容となった。南米では乾燥の影響が続いているが、前回と異なり今回は生産量の引き下げは全くなく、逆に好天に恵まれた南アフリカのコーンの生産量が引き上げられた。加えて、新型コロナウイルスの流行による欧州での大豆・コーンの需要減が加わり需給が緩むとの見方が広がった。結果、発表前後で大豆・コーン共に利食い売りに押されて一時大幅下落となった。

需給-大豆-

表1が大豆の2019/2020年シーズン(旧穀)の需給予想と2020/2021年シーズン(新穀)の需給見通しで、2020/2021年シーズンについては12月の報告と比較している。

           2019/2020年シーズン
予想(2月時点)
2020/2021年シーズン
予想(1月時点)
2020/2021年シーズン
予想(2月時点)
作付面積(万エーカー)      761083108310
収穫面積(万エーカー)749082308230
単収(ブッシェル/エーカー)47.450.250.2
期初在庫(億ブッシェル)9.095.255.25
生産量(億ブッシェル)35.5241.3541.35
輸入(億ブッシェル)0.150.350.35
供給合計(億ブッシェル)44.7646.9546.95
消費合計(億ブッシェル)39.5245.5545.75
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.6522.0022.00
 内輸出(億ブッシェル)16.8222.3022.50
期末在庫(億ブッシェル)5.251.401.20
平均価格(セント/ブッシェル)85711151115
表1 大豆の需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2019/2020年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は実測値

今月の報告では生産量など供給面はすべて据え置き、需要面では輸出需要が0.20億ブッシェル引き上げられた22.50億ブッシェルとなり、予想期末在庫は1月の報告の1.40億ブッシェルから1.20億ブッシェルへの引き下げとなった。

需給-コーン-

表2はコーンの2019/2020年シーズン(旧穀)の需給予想と2020/2021年シーズン(新穀)の需給見通し、および新穀の前月の予想を比較したものとなる。

           2019/2020年シーズン
予想(2月時点)
2020/2021年シーズン
見通し(1月時点)
2020/2021年シーズン
見通し(2月時点)
作付面積(万エーカー)      897090809080
収穫面積(万エーカー)813082508250
単収(ブッシェル/エーカー)167.5172.0172.0
期初在庫(億ブッシェル)22.2119.1919.19
生産量(億ブッシェル)136.20141.82141.82
輸入(億ブッシェル)0.040.020.02
供給合計(億ブッシェル)158.83161.27161.27
消費合計(億ブッシェル)139.63145.75146.25
 内輸出(億ブッシェル)17.7825.5026.00
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)62.8263.7563.75
  内エタノール用(億ブッシェル)48.5249.5049.50
 内飼料用(億ブッシェル)59.0356.5056.50
期末在庫(億ブッシェル)19.1915.5215.02
平均価格(セント/ブッシェル)356420430
表2 コーンの需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2019/2020年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は実測値

今月の報告では供給側が全ての項目で据え置かれた。需要側では輸出需要が1月の報告から0.50億ブッシェル引き上げとなり、予想期末在庫が0.50億ブッシェル引き下げられた15.02億ブッシェルとなった。

世界需給のダイジェスト

大豆

2020年/2021年シーズンにおける世界の予想生産量は1月の3億6100万トンから約8万トン引き上げられたが、3億6108万トンとほぼ横ばいとなった。主要国生産国ではアメリカが1億1255万トン、アルゼンチンが4800万トン、ブラジルが1億3300万トンなど主要国は全て据え置きとなった。南米の乾燥した天候による作柄悪化などの影響は反映されなかった。
需要側では世界全体の消費量が1月の3億6982万トンからほぼ横ばいの3億6984万トンとなった。主要輸入国である中国の需要は1億1770万トンで据え置き、欧州需要が5万トン引き下げられて1851万トンとなった。
予想生産量、予想消費量共にほとんど据え置きだった。

コーン

2020年/2021年シーズンの世界の予想生産量は1月の11億3389万トンから16万トン引き上げられ11億3405万トンとなった。主要生産国ではアメリカが3億6025万トン、ロシアが1400万トン、ウクライナが2950万トン、アルゼンチンが4750万トン、ブラジルが1億900万トンで据え置きとなる中、南アフリカが50万トン引き上げられた1650万トンとなった。南米で続く乾燥やブラジルの大豆収穫遅れによるコーン生産への影響は今回特に反映されなかった。
世界の予想需要は1月の11億5306万トンから約250万トン引き下げられた11億5052万トンとなった。主要輸入国のうち欧州の需要が250万トン引き下げられた7700万トン、日本と韓国がそれぞれ40万トンずつ引き下げられて1565万トンと1160万トンとなっている。一方で中国の需要は200万トン引き上げられた2億8900万トンとなっている。

今後の見通し

2月のアメリカの需給報告では2020年/2021年シーズンの大豆の輸出需要が0.20億ブッシェル引き上げられたことで、予想期末在庫が0.20億ブッシェル引き下げとなり1.20億ブッシェルとなった。大豆在庫は前月に引き続き過去7年で最低の水準となっている。(7年前は2012年に始まるアメリカの大干ばつの影響があった)
コーンの輸出需要が0.50億ブッシェル引き上げられた。予想期末在庫は0.50億ブッシェルの引き下げとなり15.02億ブッシェルとなった。

世界需給では1月の報告と比べて大豆の予想生産量、コーン予想生産量共に大きな変動はなかった。需要面では大豆需要はほぼ据え置かれた。コーン需要は中国の需要が200万トン引き上げられたが、欧州需要が250万トン、日本と韓国の需要が40万トン減少するなどで世界全体の需要は250万トンの引き下げとなった。

今回の需給報告では大豆・コーン共に好調な輸出を反映して期末在庫が引き下げられれたが、事前の市場予想に比べると減少幅は弱気な内容となった。また、乾燥が伝えられる南米の生産量の引き下げは全くなかった。逆に一部の産地の好天でコーンの生産量が引き上げられたことや新型コロナウイルスの流行による欧州での大豆・コーンの需要減で需給が緩むとの見方が広がったことで利食い売りによる大幅下落につながった。ただ、輸出は好調を維持しており需給のひっ迫も南米の収穫が本格化するまでは続く見通しであることから取引終了時間までは買い戻されている。現在、中国は春節に入っており大口成約が入りにくいが、成約を材料に値段が上がりやすい状況となっているので情報には注意したい。南米では雨が降っていると報じられているが、調査会社や農業会社の生産量予測の発表がまちまちな内容となっており、生産量の増加か減少のどちらになるかに注目したい。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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