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コラム
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2021/02/12

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2月12日)

ダイジェスト

・天然ガス在庫は各社予想181Bcf減に対して171Bcf減と予想より在庫量の減少幅が小さかった
・2月5日時点の天然ガス在庫量は2518Bcf(有効容量の59.1%)
・2月4日から2月10日の期間の天然ガス供給量は96.5Bcf(前週比0.7Bcf減)
・2月4日から2月10日の期間の天然ガス国内需要量は98.9Bcf(前週比3.5Bcf増)
・国内需要の内訳は発電需要が0.7Bcf減、住宅・商業用需要が3.4Bcf増、工業用が0.8Bcf増
・LNG輸出用需要が0.1Bcf増、メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.2Bcf増となった。
・今後の2週間後の気温予報では全国的に平年以下の気温が続く見通しだが、気温の低下幅は減る見通し

週間天然ガス在庫総評

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

EIAが先週木曜日に発表した2月5日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で171Bcf減少となり各社予想の181Bcf減少より弱く2518Bcfとなった。冷え込みが予想より弱く在庫減少幅が小さくなった。冷え込みが続く中でも気温が上がり天然ガスの暖房用需要が減少したことから昨日の天然ガス先物相場は下落した。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。冷え込みで各地の在庫が減少しているが、太平洋岸から山岳地域にかけては寒さが予想より緩み在庫が減らなかった。全米の在庫量は2518cfと前週と比べて171Bcfの減少となり、在庫量は平年(5年間の平均)に比べて152cf多く、前年比では9Bcf少なくなり逆転している。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の53.6%、有効容量(4261Bcf)の59.1%となっている。

天然ガス供給

表2は2月4日から2月10日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は90.3Bcfと前週より0.2Bcfの小幅減少で90.0Bcf程度での横ばい状態が続いている。寒波による凍結で生産できないガス田が生じている模様。次にカナダからの輸入は6.0Bcfと前週から0.3Bcfの減少となった。よって天然ガスの総供給量は96.5Bcfと前週から0.7Bcfの減少となった。

図3 天然ガス供給一覧(出展元 EIA)

天然ガス需要

表3は2月4日から2月10日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は122.8Bcfとなり前週比で4.0Bcfの増加となった。
このうちアメリカ国内需要の合計は98.9Bcfと前週比で3.5Bcf(3.6%)の増加となった。内訳は発電需要が0.7Bcf減少した26.9Bcf、工業需要が0.8Bcf増加した25.9Bcf、住宅・商業用需要が3.4Bcf増加した46.0cfとなり、冷え込みにより住宅・商業用需要が前週比で約8%の伸びとなった。
輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で0.2Bcfとわずかに増加した5.7Bcf、LNG輸出は前週比で0.1Bcf微増した11.0Bcfだった。

図4 天然ガス需要セクタ別一覧(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

1月5日時点1月12日時点1月19日時点1月26日時点2月2日時点
原油用275基287基289基295基299基
天然ガス用84基85基88基88基92基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

表2はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。2月5日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から4基増加した299基、天然ガス採掘用リグ稼働数も4基増加した92基となった。これによりリグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて、前週より8基増加した392基となった。原油採掘用リグ数は前年同時期の49.6%、天然ガス採掘用リグ数は前年同時期の82.8%まで回復した。

今後の見通し

LNG輸出

図5はNGI社が提供している天然ガスのLNG基地に接続されているパイプラインの流量でLNG輸出量の推定値となる。2月2日から8日までは連日約11.0Bcfの輸出が行われていた、直近3日で減少し10.0Bcfを割り込んでいる。EIAによれば2月4日から2月10日の間に全米6か所のLNG輸出基地に19隻のLNGタンカーが寄港し、69BcfのLNGが輸出されている。

図5 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

図7はNOAAが今日発表した10日後から14日後(2月19日から25日)の気温予報でアメリカの大半を平年より寒い地域が占めているが、カナダ国境沿いやメキシコ国境沿い、太平洋岸の地域を中心に現在の冷え込みは先週の予報と比べてやや弱まる見通し。図8は1月31日発表のNOAAの2月の1か月予報となる。今後、寒さが弱まることで暖房用需要が減速することが考えられる。

まとめ

今週の天然ガス在庫は気温が全国的に低下する中でも寒さが緩んだため、予想の181Bcfを下回った171Bcfとなった。2月下旬までの最新の天気予報は、アメリカ大半の地域で寒さが続くと予想しているが、寒さの強さが緩む予報となっており、今後は暖房用需要の減少が予想される。輸出需要は引き続き3日前まで11Bcf近傍での好調なLNG輸出が続いていたが、直近3日で10.0Bcfを割り込んでいる。今後は寒さが緩むのに加えて現在冷え込みの為に止まっているガス田の生産も復帰すると考えられる。

図9 HenryHubの前日精算値(データ出展元 CME)

図9はHenryHub渡しの天然ガス先物の限月別前日精算値となる。先物価格は冬の終わりが意識される4月限を底としており期近と大きな価格差はない状態となっている。ただし、前述の理由からさらに価格が下落する可能性も高いだろう。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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