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コラム
column

2021/02/19

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年2月19日)

ダイジェスト

・原油在庫は725万バレル減少
 原油生産量は日量1080万バレルと前週比20万バレルの減少
 輸出入では輸入が589万バレル、輸出量が386万バレルで203万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は0.1%向上し原油処理量は2万バレル増加
 原油生産量の減少と輸出量の増加で在庫が減少
・ガソリン在庫は67万バレル増加
 出荷量は伸びたが、(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加
 ガソリン生産量は35万バレル増加、輸入量は2万バレル増加
 ガソリン出荷量は55万バレル増加、輸出量は1万バレル減少
・留出油在庫は342万バレル減少
 (生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少
 留出油の生産量は9万バレル減少、輸入量は1万バレル増加
 留出油の出荷量は15万バレル増加、輸出量は2万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億3640万バレルで前週より1520万バレルの減少
・オクラホマ州クッシング在庫は302万バレル減少した4501万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は59.2%

EIA週間統計の総評

 昨日発表のEIAの週間在庫統計は原油在庫が725万バレルの減少となった。石油製品ではガソリン在庫が67万バレル増加、留出油在庫は342万バレルの減少だった。原油先物相場はテキサス州を襲っている寒波が今後緩むとの見方から売られ、原油在庫の減少はほとんど影響しなかった。
 原油から詳細を見ていく。原油生産量は日量1080万バレルと前週から20万バレルの減少となった。原油輸入量は前週比で4万バレル増加した日量589万バレル、輸出量は日量124万バレル増加した日量386万バレルとなった。全体としては203万バレルの輸入超過となっている。製油所の稼働率は前週比で0.1%上昇し83.1%となり、原油処理量は前週比で2万バレル増加した日量1481万バレルだった。戦略備蓄(SPR)の放出は今週も0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億3640万バレルと前週比で1520万バレルの減少となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は302万バレル減少した4501万バレルだった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 原油の在庫は725万バレル減少した4億6180万バレル、ガソリン在庫は67万バレル増加した2億5710万バレル、留出油在庫は342万バレル減少した1億5770万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は302万バレル減少した4501万バレルだった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)580減725減664減99減997減
ガソリン(万バレル)390増67増425増446増247減
留出油(万バレル)350減342減173減1減81減
クッシング在庫(万バレル)302減65減151減247減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。いずれの在庫も過去5年間の在庫レンジ内での動きとなっている。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は1080万バレルと前週比で日量20万バレルの減少となった。原油輸入量は前週比で日量4万バレル増加した589万バレル、輸出量は日量125万バレル増加した386万バレルとなった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentが92万バレル増と前週比で134万バレル増加し、在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週   前週   2週前   3週前   4週平均  前年同時期  
原油生産(万バレル/日)108011001090109010901300
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)589585650506583654
原油輸出(万バレル/日)386261348335332356
Adjustment(万バレル/日)92-4257694428
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はブラジルからの輸入が0になった他はイラクやエクアドルといった産油国からの輸入が前週より増えている。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ368373-5
メキシコ4744+3
サウジアラビア2328-5
イラク2211+11
コロンビア3433+1
エクアドル1810+8
ナイジェリア70+7
ブラジル014-14
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。製油所の稼働率が0.1%上昇した83.1%となり、製油所への原油投入量は2万バレル増加した日量1481万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週比で35万バレル増加した日量903万バレル、ジェット燃料生産が5万バレル減少した日量114万バレル、留出油生産が9万バレル減少した日量457万バレルだった。製油所の稼働率の微増で原油投入量も微増した。石油製品の生産ではガソリンの生産が日量35万バレル増え、ジェット燃料の生産が5万バレル、留出油の生産が9万バレル減少している。輸入関連ではジェット燃料の輸入量が前週に引き続き5万バレル以下と非常に少なくなっている。

製油所稼働率等今週   前週   2週前  3週前  4週平均 前年度同時期   
原油投入量(万バレル/日)148114791464147214741621
製油所稼働率(%)83.183.082.381.785.989.4
ガソリン生産(万バレル/日)  9038688638678721000
ガソリン輸入(万バレル/日) 676556465942
ジェット燃料生産(万バレル/日)114119125123120168
ジェット燃料輸入(万バレル/日)4412488
留出油生産(万バレル/日)   457466462451434483
留出油輸入(万バレル/日)  363551474212
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。前週比でガソリン出荷量が日量55万バレルと大幅増加した840万バレル、ジェット燃料の出荷量は9万バレル減少した日量117万バレル、留出油の出荷量は15万バレル増加した日量445万バレルとなった。

石油製品
出荷量(日量)
今週  前週  2週前  3週前  4週平均  前年同時期  
ガソリン出荷(万バレル/日)840785777783796891
ガソリン輸出(万バレル/日)474854507262
ジェット燃料出荷(万バレル/日)11712675124110138
ジェット燃料輸出(万バレル/日)1242571225
留出油出荷(万バレル/日)445430419430431372
留出油輸出(万バレル/日)9795948092140
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週比で0.1%上昇したことで、原油消費量は前週より2万バレル増加した日量1481万バレルとなった。主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で35万バレル増加した903万バレル、輸入量は2万バレル増加した67万バレルとなった。
 ガソリンの出荷量は55万バレル増加した840万バレル、輸出量は1万バレル減少した47万バレルだった。前週と比べてガソリンの出荷量が大幅に増加したが、依然として生産量と輸入量の合計の方が多く、ガソリン在庫は増加している。
 次に留出油は生産量が9万バレル減少した457万バレル、輸入量は1万バレル増加した36万バレルだった。留出油の出荷量は15万バレル増加した445万バレル、輸出量は2万バレル増加した97万バレルとなった。生産量と輸入量の減少に対して出荷量が増加したことで在庫の取り崩し幅が増加している。
 ジェット燃料生産量は5万バレル減少した114万バレル、出荷量は9万バレル増加した117万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で48万バレル増加した2066万バレルとなった。ガソリン在庫の増加は続いているが、原油を始め他の石油製品の在庫が減少したことで、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で1520万バレル減少した19億3640万バレルとなった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品の卸売価格となる。今週のガソリン卸売価格が約1セントの下落、ディーゼル燃料卸売価格が約6セントの上昇となった。原油価格が2月12日までの1週間で約2.5ドル上昇し59.50ドルとなっている。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
2/122/51/291/221/15前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
1.6611.6721.5941.5781.5611.625
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.7781.7161.5991.5691.5851.700
原油
(ドル/バレル)
59.5056.8052.1652.2852.2552.03
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果で、今週のガソリン小売価格は約4セント、ディーゼル燃料の小売価格は約7セントの上昇となった。

小売価格2/15  
2/8  2/1  1/25  1/18  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.5012.4612.4092.3922.3792.428
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.8902.8472.7922.7762.7592.841
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.1413.1043.0513.0333.0143.091
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
2.8762.8012.7382.7162.6962.890
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 原油生産量は日量1080万バレルと前週比で20万バレルの増加となった。需要面では製油所稼働率が0.1%上昇したことで原油消費量は2万バレル増加し日量1481万バレルとなった。原油輸出入は日量203万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で日量4万バレル減少した日量589万バレル、輸出量が125万バレル増加した日量386万バレルだった。原油生産の減少と輸出の増加で原油在庫が減少した。
 ガソリンでは供給側(生産量+輸入量)、需要側(出荷量+輸出量)ともに増加したが、供給側の方が多かったためガソリン在庫が増加した。
 留出油では供給側(生産量+輸入量)より需要側(出荷量+輸出量)が多く、留出油在庫は減少となった。
 全ての石油製品の出荷量は日量48万バレル増加した2066万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、1520万バレル減少した19億3640万バレルだった。

 今週の原油先物相場は、テキサス州に来襲した強力な寒波の為、原油生産が日量400万バレル以上落ち込んだこと、多数の製油所の閉鎖に伴う原油精製量の低下で石油製品価格が上昇したことを材料に大幅上昇となり、一時1バレル62ドルを超えた。ただし、既に被害状況が織り込まれたことと週末以降に寒波の影響がなくなることから、利益確定売りが入り下落が始まっている。来週には寒波の相場への影響はほとんどなくなり、大規模経済対策やOPECプラスの会合などが材料となると考えている。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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