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コラム
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2021/02/03

穀物速報:南米の輸出状況と今後の見通し(つらつらコラム2021年2月3日)

ダイジェスト

・ブラジル
 北部では1週間(1月24日から30日)当たり25以下の降水量
 中部では1週間(1月24日から30日)当たり25~100mmの降水量
 南部では1週間(1月24日から30日)当たり25~100mmの降水量
 今週以降ブラジル北部で雨が降るが、中部や南部では今後2週間にわたって雨が少ない模様
 USDA予想の大豆生産量は1億3300万トン、民間の農業会社AgResourceの予想では1億2800万トン

・アルゼンチン
 パンパ北部では50mm~150mmの雨が降り乾燥が緩和した。それ以外の地域では25mm以下の雨となった。
 今後2週間は平年並みの降雨が予想されている。
 大豆生産量予想は先月のUSDAの予想の4800万トンに対して、ブエノスアイレス穀物取引所が4650万トン、ロザリオ取引所が4700万トンと予想

・ブラジル産大豆の収穫遅れで2月の大豆需給が更にひっ迫
・ブラジル産大豆の裏作であるサフリナコーンの作付遅れが確定しコーンの需給のひっ迫も1か月伸びる見通し

南米の降雨の状況

南米の大豆とコーンの主要産地であるブラジルやアルゼンチンでは開花と受粉の時期を迎えている。一部の早生の大豆では収穫が始まっている。早播きの大豆には前月の雨が恵みの雨となったが、2月に入って今度は雨による収穫遅れや晩生の大豆では品質低下の可能性が出ている。一方で、この地域が乾燥しやすいと言われているラニーニャは最短でも3月末まで続くと予想されており、2月の中旬以降に乾燥する可能性が浮上している。今週も週の降水量と土壌水分量の変化、来週の天候について見ていきたい。

図1は南米の大豆とコーンの産地の先週1週間(1月24日から1月30日の間)の降水量を示している。

ブラジル

ブラジル(図1左)では中部の大豆とコーン産地のマトグロッソ・ド・スル州から南部産地のリオグランデ・ド・スル州にかけては前週に続いて25~100mmと平年並みの雨が降った。一方で北部産地のゴイアス州の降水量は25mm以下となった。気温はブラジル全体で30度以上と平年より暑い日が続いている。ブラジル政府によると大豆の収穫率は5%と平年(27%)より大幅に遅れている。ブラジルでは週ごとに雨の地域が移動するちぐはぐな天候が続き収穫が2週間以上遅延しているが、公式な大豆生産量は1億3300万トンから変更されていない。民間の農業会社の予想では1億2800万トンという数字が出ている。次の公式の推定値は9日に発表される予定。

アルゼンチン

アルゼンチン(図1右)ではパンパ地域の北西部から海岸にかけて50mmから150mmの雨となった。他の地域では25mmの少雨となった。気温は平年より2度高く30度を超える日々が続いた。アルゼンチン政府の発表によると大豆とコーン共に作付けが終了した。アルゼンチン産大豆の生産量は先月のUSDAの予想が4800万トンだったのに対して、ブエノスアイレス穀物取引所が4650万トン、ロザリオ取引所が4700万トンと予想している。

土中水分量

図2はNASAのGRACE衛星による土中水分量のリモートセンシングの結果を示している。図中の色分けは1948年から2012年の水分量の平均を平年のデータとして、平年からの水分量のずれをパーセンテージで見ている。図中で青色が強いほど平年より水分が豊富で、茶色が濃いほど水分が少なく乾燥していることを意味している。図2左側は1月25日、右側は2月1日の土中水分量を示している。
ブラジルでは降雨のあった南部を中心に土中水分量に改善が見られ水分量の多い青色の地域が見えているが。一方で中部や北部では水分量が不足している茶色の地域が多い。
アルゼンチンでは降雨のあったパンパ北部で青色の地域が見られるが、南側では茶色の地域が残っている。

今後の降水予報

ブラジル

図3はブラジルの今後2週間分の降水量を平年(1980~2010の平均)と比較した図で、茶色に近いほど平年より降水量が少なく、緑に近いほど平年より降水量が多いことを示している。図3左が2月2日から2月8日まで、図3右が2月9日からの2月15日までの降水量の予測となっている。今週はこれまで雨の少なかった北部のマトグロッソ州やゴイアス州を中心に降雨がある見込みで、リオグランデ・ド・スル州などブラジル南部、マトグロッソ・ド・スル州やパラナ州など中部ではやや雨が減ると予想されている。来週以降は北部から南部の産地にかけての広い範囲で雨が少なくなる予報となっている。

アルゼンチン

図4はアルゼンチンの今後2週間分の降水量を平年(1980~2010の平均)と比較したもので、色の設定は図3と同様、茶色に近いほど平年より降水量が少なく緑に近いほど平年より降水量が多いことを示している。図4左が2月2日から2月8日、図4右が2月9日から2月15日までの降水量予測となる。アルゼンチンでは今後2週間平年並みの雨が予想される。

アメリカの今シーズンの作付けについて

大豆価格とコーン価格が上昇しているため、今シーズンのアメリカの農家は休耕地を生産に戻すことが、アナリストにより予想されている。前年の大豆の作付面積は8310万エーカーだったが今年は9000万エーカーを超える可能性が指摘されている。一方でコーンの作付面積は前年の9080万エーカーから大きく変動しないと予想されている。

まとめ

南米のブラジルでは南部のコーン・大豆産地を中心に大雨が降っており乾燥していた地域の作物には恵みの雨となっている。ただしすでに収穫に入っている早生の大豆には影響が少なく、晩生の大豆にとっては多すぎる雨が逆に懸念材料となっていると報じられている。降水量は各地でまちまちとなっており、北側や中部ではやや雨が少なくなっている。降水量を反映してNASAの衛星リモートセンシングによる土中の水分量のモニタでは南部では水分量が平年並みまで回復したが、それ以外の地域では依然として乾燥している。
アルゼンチンではパンパ地帯の北側に季節外れといってよい大雨が降り乾燥が改善した。南部では平年より雨が少なかったが降雨があった。今後2週間は平年並以上の降雨となる見通し。

ブラジル産大豆は例年と比べて2週間収穫が遅れており、2月中に更に需給がひっ迫する可能性が生じている。ブラジル産大豆の出荷が本格化するまでは大豆相場は高値が続くだろう。また、大豆需給のひっ迫でアメリカ産大豆の在庫が予想以上に減少しているため、夏にアメリカが自国消費分の大豆輸入に追い込まれるとの予想が出ており、6月以降に大豆相場が高騰する可能性があることは覚えておきたい。
一方、コーンもブラジル産大豆の収穫遅れにより影響を受けそうだ。輸出用を含むブラジル産コーンの多くは大豆収穫後の裏作として栽培されるサフリナコーンが占めているが、大豆の収穫遅れにより植え付けが1か月遅れ、元々乾燥している乾季に収穫時期がずれ込むことで、輸出の開始時期だけでなく乾燥など天候リスクが高まる見通しとなっている。ブラジル産コーンが入手できる4月から5月になるまで、コーン相場の下落もなさそうだ。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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