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コラム
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2021/02/05

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム2月5日)

ダイジェスト

・天然ガス在庫は各社予想191Bcf減に対して192Bcf減と予想より在庫量の減少幅が大きく、平年の減少幅146Bcfより減少幅が大きかった
・1月29日時点の天然ガス在庫量は2689Bcf(有効容量の63.1%)
・1月28日から2月3日の期間の天然ガス供給量は97.2Bcf(前週比0.2Bcf減)
・1月28日から2月3日の期間の天然ガス国内需要量は95.4Bcf(前週比2.3Bcf増)
・国内需要の内訳は発電需要が0.8Bcf増、住宅・商業用需要が1.2Bcf増、工業用が0.3Bcf増
・LNG輸出用需要が0.9Bcf増、メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.4Bcf減となった。
・今後の2週間後の気温予報では全国的に平年以下の気温が続く見通し

週間天然ガス在庫総評

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

EIAが先週木曜日に発表した1月29日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で192Bcf減少と各社予想の191Bcf減少より弱く2689Bcfとなった。予想と結果の間の差は小さかったが、冷え込みが強く前年同時期の155Bcfや平年同時期の146Bcfより天然ガス需要が大きかったことが意識されて昨日の天然ガス先物相場は上昇した。天気予報で2月中旬の寒さの見通しが従来より強まったことも支援材料となった。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。冷え込みが厳しく各地の在庫が減少した。全米の在庫量は2689Bcfと前週と比べて191Bcfの減少となり、在庫量は平年(5年間の平均)に比べて198cf、前年比で41Bcf多くなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の57.3%、有効容量(4261Bcf)の63.1%となっている。

天然ガス供給

表2は1月28日から2月3日の間での天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は90.5Bcfと前週より0.5Bcfの減少だったが、90.0Bcf程度で横ばいとなっている。次にカナダからの輸入は6.3Bcfと前週から0.2Bcfの増加となった。天然ガスの総供給量は97.2Bcfと前週から0.2Bcfの増加となった。

図3 天然ガス供給一覧(出展元 EIA)

天然ガス需要

表3は1月28日から2月3日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は118.8Bcfとなり前週比で2.8Bcfの増加となった。
このうちアメリカ国内需要の合計は95.4Bcfと前週比で2.3Bcfの増加となった。内訳は発電需要が0.8Bcf増加した27.6Bcf、工業需要が0.3Bcf増加した25.1Bcf、住宅・商業用需要が1.2Bcf増加した42.7Bcfとなり、冷え込みにより発電需要と住宅・商業用需要が前週比で約3%の伸びとなった。
輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で0.4Bcf減少した5.5Bcf、LNG輸出は前週比で0.9Bcf増加した10.9Bcfだった。

図4 天然ガス需要セクタ別一覧(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

12月30日時点1月5日時点1月12日時点1月19日時点1月26日時点
原油用267基275基287基289基295基
天然ガス用83基84基85基88基88基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

表2はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。1月29日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から6基増加した295基、天然ガス採掘用リグ稼働数は88基で横ばいとなった。これによりリグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて、前週より6基増加した384基となった。

今後の見通し

LNG輸出

図5はNGI社が提供している天然ガスのLNG基地に接続されているパイプラインの流量でLNG輸出量の推定値となる。1月21日から27日の間に濃霧によって輸出用のタンカーが積み込みがきなかったことで10.0Bcfを割り込だ影響から脱して、1月28日以降は連日11.0Bcfに近い輸出が行われている。EIAによれば1月28日から2月4日の間に全米6か所のLNG輸出基地に22隻のLNGタンカーが寄港し、80BcfのLNGが輸出されている。

図5 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

図7はNOAAが今日発表した10日後から14日後(2月12日から19日)の気温予報で、今後2週間は全国的に冷え込みが強まり広い範囲で平年以下の気温となる見通し。図8は1月31日発表のNOAAの2月の1か月予報となる。アメリカの太平洋岸北部から五大湖周辺を中心に例年の2月よりも寒くなる見通しとなっている。今後、暖房用需要が伸びると予想される。

LNG輸出とパイプライン輸出の推移

図9 パイプライン輸出(淡)とLNG輸出(濃)の月別の推移 (出展元 EIA)
*点線(2021年1月時点)以前は実績、以降は予想

EIAによる月別の輸出需要のまとめ(図9)によると新型コロナウイルス流行による2020年夏の輸出の落ち込みは2020年の年末にかけて回復した。LNGの輸出量は2020年11月に日量9.4Bcf、12月には9.8Bcfとこれまでの輸出記録を連続して塗り替え、11月にはパイプラインによる輸出をも上回った。現在LNGの輸出施設はフル稼働状態で輸出を続けているが、2021年以降も季節要因による夏の輸出落ち込みを除けば、毎年設備のフル稼働状態による輸出が続くと予想されている。一方のパイプライン輸出もメキシコ方面で新ルートの開通による輸出増加が予想されており、2021年以降もアメリカの天然ガス輸出は順調に増加する見通し。

まとめ

今週の天然ガス在庫の減少幅は気温の低下による国内の暖房用需要増を反映して、前週の128Bcf、平年の146Bcfを大きく上回った192Bcfとなった。2月中旬までの最新の天気予報ではアメリカ大半の地域で平年より強い寒さが続く予報となっており、今後も暖房用需要の高止まりが予想される。一方の輸出需要は気象条件によってLNG輸出が一時的に低下していたが、今週元の水準に回復した。引き続き冬の終わりまでは順調な輸出が続くと考えられる。翌週以降の天気予報に大きな変化がない限りは大きな下落はない。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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