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コラム
column

2021/03/12

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年3月12日)

ダイジェスト

・原油在庫は1379万バレル増加
 原油生産量は日量1090万バレルと前週比90万バレルの増加
 輸出入では輸入565万バレル、輸出量が263万バレルで302万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は13.0%向上し原油処理量は240万バレルの大幅増加
 寒波後の製油所の大量閉鎖が解除され原油処理量が大幅増加
・ガソリン在庫は1186万バレル減少
 出荷量も生産量も増加となったが同程度で在庫の大幅減少が続いている
 ガソリン生産量は70万バレル増加、輸入量は3万バレル減少
 ガソリン出荷量は58万バレル増加、輸出量は18万バレル増加
・留出油在庫は550万バレル減少
 (生産量+輸入量)<(出荷量+輸出量)で在庫が減少
 留出油の生産量は81万バレル増加、輸入量は15万バレル増加
 留出油の出荷量は70万バレル増加、輸出量は35万バレル減少
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億2110万バレルで前週より130万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は52万バレル増加した4883万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は64.2%

EIA週間統計の総評

 今週発表のEIAの週間在庫統計は1月前にテキサス州を襲った寒波の影響で閉鎖されていた製油所が順次再開しているが、まだ稼働率が寒波前の水準には及ばないことや原油生産が一足早く回復したことで、原油在庫は1379万バレルの大幅増加となった。石油製品ではガソリン在庫が1186万バレルの大幅減少、留出油在庫は505万バレルの減少だった。原油先物相場は原油在庫の増加で一時下落したが、大きな影響はなかった。
 原油生産は前週の日量1000万バレルから90万バレル増加した1090万バレル、原油輸入量は前週比で63万バレル減少した日量565万バレル、輸出量は日量28万バレル増加した日量263万バレルとなった。全体としては302万バレルの輸入超過となっている。製油所の稼働率は前週比で13.0%大幅上昇した69.0%となった。原油処理量は前週比で240万バレルと大幅増加となった日量1230万バレルだった。戦略備蓄(SPR)の放出は0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億2110万バレルと前週比で130万バレルの増加となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は52万バレル増加した4883万バレルだった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 原油の在庫は1379万バレル増加した4億9840万バレル、ガソリン在庫は1186万バレル減少した2億3160万バレル、留出油在庫は550万バレル減少した1億3750万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は52万バレル増加した4883万バレルだった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)1280増1379増2156増128増725減
ガソリン(万バレル)850減1186減1362減1増67増
留出油(万バレル)480減550減961減496減342減
クッシング在庫(万バレル)52増48増280増302減
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。ガソリン在庫が過去5年間の在庫レンジを割り込んでいる。留出油在庫も在庫レンジの下限近くまで減少した。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は寒波後の生産回復が本格化し前週比で日量90万バレルの増加した1090万バレルとなった。寒波前の水準をほぼ回復した。原油輸入量は前週比で日量63万バレル減少した565万バレル、輸出量は日量28万バレル増加した263万バレルとなった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentが130万バレル増となった35万バレルと、在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)10901000970108010351300
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)565629459589561641
原油輸出(万バレル/日)263235231386279341
Adjustment(万バレル/日)35-9542921879
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はメキシコとサウジアラビアからの輸入が大きく減少している。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ363364-1
メキシコ3660-34
サウジアラビア2536-11
イラク146+8
コロンビア28280
エクアドル511-6
ナイジェリア08-8
ブラジル000
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。寒波による閉鎖から製油所が再開し、稼働率が13.0%向上した69.0%となった。製油所への原油投入量は240万バレル増加した日量1231万バレルとなり1000万バレルの大台を回復した。石油製品の生産ではガソリン生産が前週比で70万バレル増加した日量900万バレル、ジェット燃料生産が10万バレル増加した日量90万バレル、留出油生産が81万バレル増加した日量370万バレルだった。製油所の稼働率の大幅上昇で原油投入量が大幅増加し主要な石油製品の生産が増加した。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)12319901223148112311570
製油所稼働率(%)69.056.368.683.169.286.4
ガソリン生産(万バレル/日)  900830773903851995
ガソリン輸入(万バレル/日) 576053675971
ジェット燃料生産(万バレル/日)90809011494163
ジェット燃料輸入(万バレル/日)6191241017
留出油生産(万バレル/日)   370289362457369470
留出油輸入(万バレル/日)  473230363026
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。前週比でガソリン出荷量は日量58万バレルと増加した872万バレル、ジェット燃料の出荷量は44万バレル減少した日量84万バレル、留出油の出荷量は70万バレル増加した日量448万バレルとなった。主要石油製品では今週もガソリン出荷量が伸びている。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)872814720840790918
ガソリン輸出(万バレル/日)674951476555
ジェット燃料出荷(万バレル/日)8412897117117170
ジェット燃料輸出(万バレル/日)374121125
留出油出荷(万バレル/日)448378393445412391
留出油輸出(万バレル/日)4782709789120
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週比で13.0%と大幅上昇したことで、原油消費量は前週より240万バレル減少した日量1231万バレルとなった。寒波で閉鎖された製油所が再開し、原油消費量が大きく増加した。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で70万バレル増加した900万バレル、輸入量は3万バレル減少した57万バレルとなった。ガソリンの出荷量は58万バレル増加した872万バレル、輸出量は18万バレル増加した67万バレルだった。出荷量が生産量より増加しガソリン在庫は大幅減少が続いている。
 次に留出油は生産量が81万バレル増加した370万バレル、輸入量は15万バレル増加した47万バレルだった。留出油の出荷量は70万バレル増加した448万バレル、輸出量は35万バレル減少した47万バレルとなった。生産量が出荷量より増加したこと、輸出量が減少したことで在庫の取り崩し幅が縮小した。
 ジェット燃料生産量は10万バレル増加した90万バレル、出荷量は84万バレルと44万バレル減少した。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で8万バレル減少した1867万バレルとなった。原油在庫が1379万バレルの大幅増加、ガソリン在庫が1186万バレルの大幅減少、留出油の在庫が550万バレルの減少となった。全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で130万バレル増加した19億2110万バレルだった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週のガソリン卸売価格は約10セントの上昇、ディーゼル燃料卸売価格は約5セントの上昇となった。原油高と製油所の閉鎖で供給減となった影響で価格が上昇し続けている。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
3/52/262/192/12前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.0501.8971.8071.6611.383
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.9511.8971.8181.7781.405
原油
(ドル/バレル)
66.0861.5559.1259.5041.14
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果で、今週のガソリン小売価格は約6セント、ディーゼル燃料の小売価格は先週に続き約7セントの上昇となった。原油高に加えて製油所閉鎖による石油製品の供給減の残っているため上昇していると考えられる。

小売価格3/8  3/1  2/22  2/15  2/8  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.7712.7112.6332.5012.4612.375
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.1503.0843.0062.8902.8472.798
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.4103.3443.2633.1413.1043.054
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.1433.0722.9732.8762.8012.814
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 原油生産量は寒波の油田が再開が軌道に乗り日量90万バレル増加した1090万バレルとなり、寒波前の水準を回復している。需要面では製油所が再開し、製油所稼働率が先週の13.0%の大幅上昇となった。原油消費量は240万バレルと大幅増加した日量1231万バレルとなった。原油輸出入は日量203万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で日量63万バレル減少した日量565万バレル、輸出量が28万バレル増加した日量263万バレルとなった。原油消費量が大幅増加となった一方で原油生産も増加したため原油在庫が増加した。
 ガソリンは出荷量も生産量も増加となったが、出荷量と輸出量が大きく増加したため、在庫は今週も大幅減少となった。
 留出油は生産量と出荷量がともに増加したものの、供給側(生産量+輸入量)の増加が需要側(出荷量+輸出量)を上回り在庫の取り崩し幅が減少している。
 全ての石油製品の出荷量は日量8万バレル減少した1867万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、130万バレル増加した19億2110万バレルだった。

 今週の原油先物相場はOPECプラスの会議が終了し、材料出尽くし感で利食い売りが入り下落で始まった。アメリカのバイデン政権が進めている大規模経済対策法案が可決されたことが支援材料となり再度上昇に転じている。今後は直近高値を超えて上昇するかどうかが鍵となるのではないかと考えている。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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