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コラム
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2021/03/15

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム3月15日)

ダイジェスト

・3月11日発表の天然ガス在庫は各社予想78Bcf減に対して52Bcf減と予想より在庫量の減少幅が弱気な内容だった
・3月5日時点の天然ガス在庫量は1793Bcf(有効容量の59.1%)
・3月4日から3月10日の期間の天然ガス供給量は95.7Bcf(前週比0.1Bcf減少)
・3月4日から3月10日の期間の天然ガス国内需要量は103.0Bcf(前週3.2Bcf減)
・国内需要の内訳は発電需要が0.8Bcf減、住宅・商業用需要が3.1Bcf減、工業用が0.2Bcf減。暖房用需要(発電需要、住宅・商業用需要)が更に減少した
・LNG輸出用需要は0.9Bcf増
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.2Bcf増
・今後の気温予報ではアメリカの多くの地域で平年以上の気温が続く見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが先週木曜日に発表した3月5日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で52Bcf減少で各社予想の78Bcf減少より弱く在庫量は1793Bcfとなった。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。今回もおおよそ平年並みの減少となった。引き続き過去5年の平均を割りこんでいる。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。アメリカ南部では天然ガス在庫が増加に転じた。全米の在庫量は1793Bcfと前週と比べると52Bcfの減少となり、在庫量は平年(5年間の平均)に比べて141cf少なく、前年比で257Bcf少なくなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の38.2%、有効容量(4261Bcf)の42.0%となった。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は3月4日から3月10日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は90.9Bcfと前週より0.2Bcf減少とほぼ横ばいだった。寒波の影響からはほとんど回復したとみられる。次にカナダからの輸入は4.8Bcfと前週から0.2Bcfの増加となった。天然ガスの総供給量は95.7Bcfと前週から0.1Bcfの減少と横ばいだった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は3月4日から3月10日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は103.0Bcfとなり前週比で3.2Bcfの減少となった。
 アメリカ国内需要は80.2Bcfと前週比で4.0Bcfの減少となった。住宅・商業用を中心に需要が低下している。内訳では発電需要が0.8Bcf減少した24.9Bcf、工業需要が0.2Bcf減少した24.0Bcf、住宅・商業用需要が3.1Bcf減少した31.2cfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比0.2Bcf増加した5.7Bcf、LNG輸出は前週比で0.9Bcf増加した10.7Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

2月9日時点2月16日時点2月23日時点3月2日時点3月9日時点
原油用306基305基309基310基309基
天然ガス用90基91基92基92基92基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。3月9日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から1基減少した309基、天然ガス採掘用リグ稼働数は横ばいの92基となった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から1基した401基となり11月下旬以来の減少となった。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。LNG輸出量はおおむね10.0Bcf超えて推移している。EIAによれば3月4日から3月10日の間に全米6か所のLNG輸出基地に22隻のLNGタンカーが寄港し、80BcfのLNGが輸出された。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(3月22日から28日)の気温予報で太平洋岸から五大湖周辺、アメリカ東部まで平年以上の気温、アメリカ西部からメキシコ湾までは平年以下の気温となる見通し。図4は2月28日発表のNOAAの1か月予報となる。こちらは更新されていないが、アメリカの多くの地域で平年以上の気温となっている。2週間後予報では冷え込みが見られれるが、すでに冬の終わりが近く暖房用需要に大きな影響はないとみられる。

まとめ

 今週発表の3月5日時点の天然ガス在庫は予想の78Bcf減を下回った52Bcf減と弱気な内容となった。天然ガス在庫は過去5年間の平均値を割り込んでいるが、減少量自体は平年並みとなっている。
 発表された3月3日以降の天然ガス需要では住宅・商業用の暖房用需要が3.1Bcfの減少となった。LNG輸出需要は10Bcf超えと寒波前の水準に戻った。天気予報によれば3月下旬は平年以上の気温となる予報となっているため、今後のアメリカ国内需要は伸び悩むと考えられる。天然ガスの生産はほぼ寒波前まで回復して安定している。暖房需要減に伴い天然ガス相場は下落に向かっている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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