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レポート
column

2021/03/17

穀物速報:南米の収穫見通し(つらつらコラム2021年3月17日)

ダイジェスト

・ブラジル食料公社の予想では大豆コーンともに過去最高の収穫を見込んでいる。
・大豆の収穫遅れはコーンの作付遅れだけでなく、品質への懸念を生んでいる。
・アルゼンチンでは乾燥によりコーンと大豆の収穫量が減少の見込み。
 

2020年/2021年シーズンのブラジルの収穫予想

図1 3月7日から13日の間のブラジルの降水量(出展元 USDA)

 図1は3月7日から13日にかけてのブラジルの降水量を示している。北部や中部では10~50mmと十分な量の降水があった。気温は30℃台前半から中盤となった。一方、南部では多くの地域で10mm以下の降水量となり乾燥した状態が続いている。

大豆

 ブラジルの主要産地の一つマトグロッソ州では3月12日時点の大豆の収穫率は80%となっている。この数字は平年に比べて8ポイント遅れている。南部のリオグランデ・ド・スル州では大豆の収穫率が1%、パラナ州では大豆の収穫率は36%となっている。ブラジル全体では36%の収穫率で過去10年で最も遅いペースとなっている。これは前年10月から11月の間の異常乾燥により大豆の作付けが遅れたことに加えて、今年2月以降に雨が降り続き農作業の進展が遅れている。一部の州では平年の二倍の降水量となり、大豆の乾燥遅れによる品質の低下に加えて、水分過多で発芽や腐敗が起こり一部の収穫が放棄されたと伝えられている。ただし、現在のところ被害は大きくはない見込みで、ブラジル国家食糧供給公社(Conab)が先週行った公式発表では大豆収穫高は前月より130万トン引き上げられた過去最大の1億3510万トンと予想している。USDAの予想でも100万トン引き上げられた1億3400万トンとしている。一方で民間の予想では1億3200万トンから1億3300万トンという数字も並ぶが、降雨の影響による収穫減で今後収穫高が引き下がる可能性が示唆されている。

コーン

 マトグロッソ州での裏作のコーンの作付率は88%となっており、平年の97%に比べて9%遅れている。南部のリオグランデ・ド・スル州では表作のコーンの収穫率が60%、パラナ州では表作のコーンの収穫率は53%、裏作のコーンの作付率は43%となっている。ブラジル産のコーンのうち裏作のコーンは国内生産量の80%を占めているが、大豆の収穫遅れにより多くの地域で最良の作付け時期を逃しており、収穫時期が乾季に当たる5月から6月にずれ込むと予想されている。しかし、Conabによる公式発表は収穫遅れに対して楽観的な見通しとなっており、コーンの収穫高は前回予想から260万トン引き上げられ1億810万トンという記録的な数字となっている。

2020年/2021年シーズンのアルゼンチンの収穫予想

図2 3月7日から13日の間のアルゼンチンの降水量(出展元 USDA)

 図2は3月7日から13日にかけてのアルゼンチンの降水量を示している。アルゼンチンの主要生産地の多くでは降水量がおよそ5~25mm程度、気温は30℃台前半まで上昇するなど、高温乾燥が続きコーンや大豆に乾燥の影響が出ている。

大豆

 アルゼンチンの主要産地の多くが含まれるパンパ地域は異常な乾燥となっており気温の上昇を合わせて大豆の生育状況が悪化している。早生の大豆は収穫に近づいているが終了は平均を大きく下回る見込み。ブエノスアイレス穀物取引所が先週発表した大豆の予想収穫高は4400万トンと前月から200万トン引きき下げられた。天気予報では今後若干の乾燥状態の改善が予想されているが、高温は続く見通しで、乾燥が続けば更に収穫高が引き下げられる可能性が高いと考えられている。現在の作柄状況は10%が豊作、70%が平年並み、20%が凶作と予想されている。

コーン

 コーンも大豆と同様に乾燥の被害に脅かされているが、作柄状況は25%が豊作、60%が平年並み、15%が凶作と予想されている。ブエノスアイレス穀物取引所の予想ではコーンの収穫量は4500万トンとしており、前月の予想から100万トン引き下げられている。

今後の見通し

 ブラジルでは降雨による大豆の収穫遅れが続いており、一部の地域では収穫放棄も伝えられるようになった。また、コーンでは作付け遅れにより、収穫時期が乾季に当たることが確実となっている。それでも、ブラジル政府の公式発表では今シーズンのブラジル産大豆とコーンの生産量は過去最高だった前年の生産量をいずれも上回る予想となっている。アルゼンチンではブラジルとは逆に少雨が続いており、高温乾燥により農作物が打撃を受け始めている。アルゼンチンの大豆とコーンの予想収穫高はいずれも引き下げられている他、天気予報でも早期の乾燥解消は起こらない予報となっている。
 市場では大豆とコーンの需給がひっ迫しているが、南米から中国向けへの大豆やコーンの輸出が次第に拡大していることで、価格は横ばい状態を保っている。次の材料として今月末にUSDAが発表する今シーズンの作付面積動向調査が注目が集まっている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

 

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