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コラム
column

2021/03/18

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年3月18日)

ダイジェスト

・原油在庫は239万バレル増加
 原油生産量は日量1090万バレルと前週から横ばい
 輸出入では輸入532万バレル、輸出量が252万バレルで228万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は7.1%向上し原油処理量は113万バレルの増加
 寒波で低下していた製油所の稼働率が向上し原油処理量が増加
・ガソリン在庫は47万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加
 ガソリン生産量は13万バレル減少、輸入量は34万バレル増加
 ガソリン出荷量は28万バレル減少、輸出量は9万バレル増加
・留出油在庫は25万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加
 留出油の生産量は52万バレル増加、輸入量は5万バレル増加
 留出油の出荷量は46万バレル減少、輸出量は21万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億2470万バレルで前週より360万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は62万バレル増加した4821万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は63.4%

EIA週間統計の総評

 昨日、EIAの週間在庫統計が発表された。2月の寒波で低下していた製油所の稼働率が前週より更に回復したことで原油消費量は増加したが、なお寒波前の水準には及んでいないことで原油在庫は239万バレルの増加となった。石油製品ではガソリン在庫が47万バレルの増加、留出油在庫も25万バレルの増加だった。原油先物相場は原油在庫の増加で一時下落したが、大きな影響はなかった。
 原油生産は前週から横ばいの日量1090万バレル、原油輸入量は前週比で33万バレル減少した日量532万バレル、輸出量は日量11万バレル減少した日量252万バレルとなった。輸出入全体としては280万バレルの輸入超過となっている。製油所の稼働率は前週比7.1%上昇した76.1%となった。原油処理量は前週比で112万バレル増加した日量1343万バレルだった。戦略備蓄(SPR)の放出は0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億2470万バレルと前週比で360万バレルの増加となった。WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は62万バレル減少した4821万バレルだった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 原油の在庫は239万バレル増加した5億80万バレル、ガソリン在庫は47万バレル増加した2億3210万バレル、留出油在庫は25万バレル増加した1億3770万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は52万バレル減少した4883万バレルだった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)100減239増1379増2156増128増
ガソリン(万バレル)90減47増1186減1362減1増
留出油(万バレル)90増25増550減961減496減
クッシング在庫(万バレル)52減52増48増280増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。ガソリン在庫が過去5年間の在庫レンジを割り込んでいる。留出油在庫も在庫レンジの下限近くまで減少した。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は前週比で横ばいの1090万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量33万バレル減少した532万バレル、輸出量は日量11万バレル減少した252万バレルとなった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentが28万バレル減少した7万バレルとなったが、在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)10901090100097010351300
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)532565629459561641
原油輸出(万バレル/日)252263235231279341
Adjustment(万バレル/日)735-95421879
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はカナダとメキシコ、コロンビアからの輸入が減少している一方で、サウジアラビア、エクアドル、ナイジェリアからの輸入が増加している。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ344363-19
メキシコ2736-9
サウジアラビア3025+5
イラク1614+2
コロンビア028-28
エクアドル125+7
ナイジェリア40+4
ブラジル000
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。今週も2月の寒波による製油所閉鎖から稼働率が回復し、稼働率は7.1%向上した76.1%となり、製油所への原油投入量は112万バレル増加した日量1343万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週比で13万バレル減少した日量887万バレル、ジェット燃料生産が8万バレル増加した日量98万バレル、留出油生産が52万バレル増加した日量422万バレルだった。製油所稼働率の上昇に伴い原油投入量が増加し主要な石油製品の生産が増加した。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)13431231990122313621582
製油所稼働率(%)76.169.056.368.667.486.4
ガソリン生産(万バレル/日)  887900830773848997
ガソリン輸入(万バレル/日) 915760536568
ジェット燃料生産(万バレル/日)9890809090160
ジェット燃料輸入(万バレル/日)3619121015
留出油生産(万バレル/日)   422370289362361468
留出油輸入(万バレル/日)  524732303926
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。前週比でガソリン出荷量は日量28万バレル減少した844万バレル、ジェット燃料の出荷量は27万バレル増加した日量101万バレル、留出油の出荷量は46万バレル減少した日量402万バレルとなった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)844872814720813969
ガソリン輸出(万バレル/日)586749515660
ジェット燃料出荷(万バレル/日)1018412897103173
ジェット燃料輸出(万バレル/日)8374627
留出油出荷(万バレル/日)402448378393405401
留出油輸出(万バレル/日)6847827067135
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週比で7.1%と上昇したことで、原油消費量は前週より113万バレル減少した日量1343万バレルとなった。寒波後に再開された製油所の稼働率が更に上昇し、原油消費量が増加した。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で13万バレル減少した887万バレル、輸入量は34万バレル増加した91万バレルとなった。ガソリンの出荷量は28万バレル減少した844万バレル、輸出量は9万バレル増加した58万バレルだった。出荷量が生産量より減少したほか、輸入量の増加でガソリン在庫が増加に転じた。
 次に留出油は生産量が52万バレル増加した422万バレル、輸入量は5万バレル増加した52万バレルだった。留出油の出荷量は46万バレル減少した402万バレル、輸出量は21万バレル増加した68万バレルとなった。生産量の増加と出荷量の減少で在庫が増加した。
 ジェット燃料生産量は8万バレル増加した98万バレル、出荷量は27万バレル増加したと101万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で26万バレル減増加した1893万バレルとなった。原油在庫が239万バレルの増加、ガソリン在庫が47万バレルの増加、留出油の在庫が25万バレルの減少で、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で360万バレル増加した19億2470万バレルだった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週のガソリン卸売価格は約6セントの上昇、ディーゼル燃料卸売価格は約1セントの上昇となった。原油高により上昇していると考えられる。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
3/123/52/262/19前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.2112.0501.8971.8071.383
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.9581.9511.8971.8181.405
原油
(ドル/バレル)
65.5966.0861.5559.1241.14
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果で、今週のガソリン小売価格は約9セント、ディーゼル燃料の小売価格は約5セントの上昇となった。原油高により上昇していると考えられる。

小売価格3/15  3/8  3/1  2/22  2/15  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.8532.7712.7112.6332.5012.375
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.2413.1503.0843.0062.8902.798
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.4953.4103.3443.2633.1413.054
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.1913.1433.0722.9732.8762.814
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 原油生産量は日量1090万バレルで横ばいだった。需要面では製油所の稼働率がさらに上昇し前週比で7.1%の上昇となった。原油消費量は112万バレル増加した日量1343万バレルとなった。原油輸出入は日量280万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で日量33万バレル減少した日量532万バレル、輸出量が11万バレル減少した日量252万バレルとなった。原油消費量が増加となったが、原油生産量と輸入の方が多く原油在庫が増加した。
 ガソリンは出荷量も生産量も減少となったが、輸入量が大きく増加したため在庫は増加となった。
 留出油は生産量が増加したことに加えて出荷量が減少となったことで在庫増となった。
 全ての石油製品の出荷量は日量26万バレル増加した1893万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、360万バレル増加した19億2470万バレルだった。

 今週の原油先物相場は大きな材料がないため、1バレル65.00ドル付近で横ばいとなっている。月末のOPECプラスの会議までは小幅な値動きが続くのではないかと考えている。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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