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コラム
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2021/03/19

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム3月19日)

ダイジェスト

・3月18日発表の天然ガス在庫は各社予想18Bcf減に対して11Bcf減と今週も弱気な内容だった
・3月12日時点の天然ガス在庫量は1782Bcf(41.8%)
・3月11日から3月17日の期間の天然ガス供給量は95.4Bcf(前週比0.3Bcf減少、カナダからの供給の減少)
・3月11日から3月17日の期間の天然ガス国内需要量は100.2Bcf(前週2.8Bcf減)
・国内需要の内訳は発電需要が0.2Bcf増、住宅・商業用需要が2.8Bcf減、工業用が0.4Bcf減。暖房用需要(住宅・商業用需要)が更に減少している
・LNG輸出用需要は0.5Bcf増で11.1Bcfとほぼ輸出能力の上限値に達した
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.1Bcf減
・昨日発表の1か月気温予報ではアメリカの多くの地域で平年以上の気温が続く見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが先週木曜日に発表した3月12日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で11Bcf減少となり各社予想の18Bcf減少より弱く在庫量は1782Bcfとなった。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較しているが、在庫の減少が0に近づいている。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。アメリカ中西部や太平洋岸以外では天然ガス在庫が増加に転じた。全米の在庫量は1782Bcfで平年(5年間の平均)に比べて93cf少なく、前年比で253Bcf少なくなっている。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の38.0%、有効容量(4261Bcf)の41.8%となっている。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は3月11日から3月17日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は90.8Bcfと前週より0.1Bcf減少とほぼ横ばい、カナダからの輸入は4.6Bcfと前週から0.2Bcfの減少となった。天然ガスの総供給量は95.4Bcfと前週から0.3Bcfの減少となった。

表2 天然ガス供給内訳(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は3月11日から3月17日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は100.0Bcfとなり前週比で2.8Bcfの減少となった。
 アメリカ国内需要は77.0Bcfと前週比で3.1Bcfの減少となった。今週も住宅・商業用を中心に需要が低下している。内訳では発電需要が0.2Bcf増加した25.1Bcf、工業需要が0.4Bcf減少した23.6Bcf、住宅・商業用需要が2.8Bcf減少した28.4Bcfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比で横ばい、LNG輸出は前週比で0.5Bcf増加した11.1Bcfだった。

表3 天然ガス需要セクタ別内訳(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

2月9日時点2月16日時点2月23日時点3月2日時点3月9日時点
原油用306基305基309基310基309基
天然ガス用90基91基92基92基92基
表4 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表4はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。3月12日発表の現在最新のレポート(3月9日時点)によると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から1基減少した309基、天然ガス採掘用リグ稼働数は横ばいの92基となった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から1基減少した402基となり11月下旬以来の減少となっている。

今後の見通し

LNG輸出

 図2はNGI社が提供している天然ガスパイプライン流量でLNG輸出量の推定値となる。3月11日以降のLNG輸出量はおおむね10.5Bcf超えの高水準で推移している。EIAによれば3月11日から3月17日の間に全米6か所のLNG輸出基地に18隻のLNGタンカーが寄港し、67BcfのLNGが輸出された。

図2 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図3はNOAAが今日発表した10日後から14日後(3月26日から4月1日)の気温予報で太平洋岸から五大湖周辺、大西洋岸では平年以上の気温、山岳地域やアメリカ西部、メキシコ湾では平年以下の気温となる見通し。図4は3月18日発表のNOAAの1か月予報となる。全国的に平年以上の気温となっている。2週間後予報では冷え込みが見られるが、今後気温は上昇する見通しで暖房用需要は伸びないと考えられる。

まとめ

 今週発表の3月12日時点の天然ガス在庫は予想の18Bcf減を下回った11Bcf減と3週連続で弱気な内容となった。天然ガス在庫は過去5年間の平均値を割り込んでおり、在庫減少量は0日に使づいており冬の終わりを感じさせる。
 発表された3月10日以降の天然ガス需要によると暖房用需要が減少したことで住宅・商業用の暖房用需要が2.8Bcfと今週も大きな減少となった。LNG輸出需要は直近1週間で10Bcf後半の高水準となり順調な輸出が続いている。3月下旬以降の天気予報によれば平年以上の気温となる予報となっており、暖房需要の減少でアメリカ国内需要全体は更に減ると考えられる。一方で、天然ガスの生産は安定して来ていることから、天然ガス在庫が早々に増加に転じることで、天然ガス相場は更に下落すると考えている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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