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コラム
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2021/03/23

エネルギー速報:リビアの原油生産の近況(つらつらコラム2021年3月23日)

ダイジェスト

・リビアの原油生産量は日量130万バレルの水準まで回復し、直近数か月の間日量100万バレル越えの生産量を維持している。
・今年年末までに現状より15万バレル多い日量145万バレルへの増産予定がNOCから発表されている。
・インフラの劣化や給料未払いによる職員のストライキや実力行使などで生産が不安定化している。
・今年2月5日に暫定政府が成立、12月の選挙を経て正式な政府に移行する予定となっている。
 

リビアの原油生産の現状

 リビアの原油生産は2020年1月に発生した内戦による油田の占拠や輸出の停止により2020年9月にはわずかに日量10万バレルの水準まで落ち込んでいたが、その後、内戦の停戦が実現すると急速に生産量を回復して2020年12月に原油生産は内戦発生前の水準である日量125万バレルまで回復した。その後の数か月の間リビアは日量100万バレルの生産を維持しており、S&Pグローバルプラッツ社の推計では2月のリビアの生産量は日量120万バレルを超える水準にありほとんどが輸出へ回っている。
 2021年3月に入ってリビア国営石油会社(NOC)の会長は現在の130万バレル前後の生産量を2021年12月までに日量145万バレルに引き上げること、2年後には日量160万バレル、4年後には日量210万バレルまで生産を増加させる目標を発表している。

生産の再開と新規油田

図1 リビア国内の油田・ガス田と輸送インフラ(出展元 EIA)

 図1はリビアの産油地帯とパイプライン、輸出港などの輸送インフラを示している。現在、2020年に行われた内戦前生産水準にまでは回復したが、更にカダフィ政権崩壊後の10年間の間に内戦やISILなどによって破壊され、放置された油田の再開に向けた修復による増産の試みが始まっている。その他、東側のシルテ(Sirte)盆地と西側、チュニジア国境沿いのガダメス(Ghadames)盆地では新規の油田が生産を開始する予定となっている。先に挙げた2年後に日産160万バレルという数字はカダフィ政権末期の原油生産量に相当するため十分な修復予算と新規油田の生産開始があれば、十分に達成可能な数字だと考えられる。一方で、日量210万バレルという量はガダフィ政権前の王政時代末期の生産水準ではあるが、その後は達成されていない数字であり、多額の予算のほか先進国からの技術導入などが必要だと考えられる。

今後の見通しと課題

 リビアはアフリカ大陸最大の原油埋蔵量を誇っている他、主な輸出原油であるEs SiderとSharara産の原油は軽質原油でガソリンと中間留分の割合が多いためヨーロッパや中国の製油所に人気がある価値の高い原油となっている。
 原油生産が安定するには今後も治安が安定することや十分な予算確保が必要となる。2021年1月にはパイプラインの漏洩事故で1週間にわたって原油生産が日量20万バレル減少、2021年2月には石油施設の警備隊が給与支払いを求めて輸出港を閉鎖する事件が発生し、一時該当する港の原油輸出が停止するなど原油生産が安定が脅かされる事件が続発している。また、油田や輸送インフラの復旧・維持のための予算をNOCが定期的に受け取れることが今後の安定的な生産拡大に必要となっている。リビアでは国連の支援の下で2021年2月5日に暫定政府が成立し、2021年12月の選挙を経て正式な政府に移行するロードマップが策定されているが、10年に及ぶ内戦が終わるかどうかは不透明といえる。
 また、原油生産が安定すればOPEC加盟国であるリビアに減産枠の義務が復活する事になると考えられる。ただし、それがいつになるのか不透明な状況となっており、しばらくの間はリビアの増産傾向は続くと考えられる。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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