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コラム
column

2021/03/25

エネルギー速報:EIA週間原油統計(つらつら分析2021年3月25日)

ダイジェスト

・原油在庫は192万バレル増加
 原油生産量は日量1100万バレルと前週から10万バレルの増加
 輸出入では輸入量が562万バレル、輸出量が248万バレルで214万バレルの輸入超過
 製油所稼働率は5.5%向上し原油処理量は95万バレルの増加
 寒波後1か月経ってようやく製油所稼働率と原油処理量が寒波前の水準に回復している
・ガソリン在庫は20万バレル増加
(生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加
 ガソリン生産量は30万バレル減少、輸入量は2万バレル増加
 ガソリン出荷量は28万バレル減少、輸出量は15万バレル減少
・留出油在庫は380万バレル増加
 (生産量+輸入量)>(出荷量+輸出量)で在庫が増加
 留出油の生産量は38万バレル増加、輸入量は6万バレル増加
 留出油の出荷量は43万バレル減少、輸出量は44万バレル増加
・原油と石油製品を合わせた在庫量は19億2940万バレルで前週より480万バレルの増加
・オクラホマ州クッシング在庫は193万バレル減少した4628万バレル、クッシングのタンク容量は約7600万バレルで貯蔵率は63.4%

EIA週間統計の総評

 昨日、EIAの週間在庫統計が発表された。2月の寒波以来漸く製油所稼働率が寒波前の水準まで回復したことで原油消費量は95万バレル増加した1438万バレルとなっている。原油在庫は192万バレルの増加となった。石油製品ではガソリン在庫が20万バレルの増加、留出油在庫も380万バレルの増加、WTI指標原油であるオクラホマ州クッシングの在庫は193万バレル減少した4628万バレルだった。原油在庫の増加を受けて原油先物相場は一時下落したが、コンテナ船の座礁でスエズ運河が閉鎖されて中東と欧州の間の原油供給に影響生じるという大きな支援材料で上昇相場となったため大きな影響はなかった。
 原油生産は前週から10万バレル増加した日量1100万バレル、原油輸入量は前週比で29万バレル増加した日量562万バレル、輸出量は日量3万バレル減少した日量248万バレルとなった。輸出入全体としては214万バレルの輸入超過となっている。製油所の稼働率は前週比5.5%上昇した81.6%となった。原油処理量は前週比で95万バレル増加した日量1438万バレルだった。戦略備蓄(SPR)の放出は0だった。原油と全ての石油製品を合わせた在庫は19億2940万バレルと前週比で480万バレルの増加となった。

原油と石油製品の在庫(表1)

 原油の在庫は192万バレル増加した5億270万バレル、ガソリン在庫は20万バレル増加した2億3230万バレル、留出油在庫は380万バレル増加した1億4160万バレル、オクラホマ州クッシングの原油在庫は193万バレル減少した4628万バレルだった。

API統計 EIA統計今週EIA統計前週EIA統計2週前EIA統計3週前
原油(万バレル)100減192増239増1379増2156増
ガソリン(万バレル)90減20増47増1186減1362減
留出油(万バレル)90増380増25増550減961減
クッシング在庫(万バレル)193減52減52増48増
表1 原油・石油製品在庫 (出展元 EIA)

 図1は原油在庫の過去2年分の推移、図2はガソリン在庫の過去2年分の推移、図3は留出油在庫の過去2年分の推移となる。それぞれの図は今年の在庫推移(青線)と過去5年間の在庫レンジ(灰色)とを比較している。ガソリン在庫が過去5年間の在庫レンジを割り込んでいる。留出油在庫も在庫レンジの下限近くまで減少した。

図1 原油在庫推移(出展元 EIA)
図2 ガソリン在庫推移(出展元 EIA)
図3 留出油在庫推移(出展元 EIA)
原油生産と輸出入、戦略備蓄(日量)(表2と3)

 表2は原油の生産量と輸出入についてまとめている。原油生産量は前週比で10万バレル増加した日量1100万バレルとなった。原油輸入量は前週比で日量29万バレル減少した562万バレル、輸出量は日量3万バレル減少した248万バレルとなった。Adjustmentは需要と供給それぞれの不確実性(計算のずれなど)のつじつまを合わせて相殺するために需給の計算に加えられる。今週の統計ではAdjustmentが45万バレル増加した52万バレルで在庫を増加させる形で調整が加わっている。

原油生産と輸出入今週前週2週前3週前4週平均前年
同時期
原油生産(万バレル/日)110010901090100010731300
戦略備蓄増加(万バレル/日)000000
原油輸入(万バレル/日)562532565629573611
原油輸出(万バレル/日)248252263235280285
Adjustment(万バレル/日)52735-952580
表2 原油生産と戦略備蓄、輸出入 (出展元 EIA)
*Adjustmentの-はマイナス補正を意味している

 輸入国の国別内訳と前週からの増減は表3の通り。今週はカナダとメキシコ、コロンビアからの輸入が減少している一方で、サウジアラビア、エクアドル、ナイジェリアからの輸入が増加している。

輸入国輸入量(万バレル/日)前週輸入量(万バレル/日)増減(万バレル)
カナダ341344-3
メキシコ6127+34
サウジアラビア2830-2
イラク1016-6
コロンビア90+9
エクアドル1312+1
ナイジェリア164+12
ロシア519-14
ブラジル70+7
表3 輸入量国別内訳(出展元 EIA)
石油製品生産量(日量)と製油所稼働率(表4)

 表4は主要石油製品の生産と輸入(供給)についてまとめたものとなる。2月の寒波による製油所閉鎖から1か月かけて稼働率が寒波前の水準まで回復した。製油所稼働率は5.5%向上した81.6%となり、製油所への原油投入量は95万バレル増加した日量1438万バレルとなった。石油製品の生産ではガソリン生産が前週比で30万バレル減少した日量857万バレル、ジェット燃料生産が5万バレル増加した日量103万バレル、留出油生産が38万バレル増加した日量460万バレルだった。製油所稼働率の上昇に伴い原油投入量が増加した。

製油所稼働率等今週前週2週前3週前4週平均前年度
同時期
原油投入量(万バレル/日)14381343123199012501583
製油所稼働率(%)81.676.169.056.370.787.3
ガソリン生産(万バレル/日)  857887900830869857
ガソリン輸入(万バレル/日) 939157608375
ジェット燃料生産(万バレル/日)10398908088139
ジェット燃料輸入(万バレル/日)1036191210
留出油生産(万バレル/日)   460422370289385483
留出油輸入(万バレル/日)  665247324911
表4 石油製品生産量(供給) (出展元 EIA)
石油製品供給(日量、需要)(表5)

 表5は主要石油製品の出荷量(需要)と輸出量の内訳一覧となる。前週比でガソリン出荷量は日量28万バレル減少した816万バレル、ジェット燃料の出荷量は2万バレル増加した日量103万バレル、留出油の出荷量は43万バレル減少した日量359万バレルとなった。

石油製品
出荷量(日量)
今週前週2週前3週前4週
平均
前年
同時期
ガソリン出荷(万バレル/日)816844872814813912
ガソリン輸出(万バレル/日)435867495483
ジェット燃料出荷(万バレル/日)1031018412810465
ジェット燃料輸出(万バレル/日)3837527
留出油出荷(万バレル/日)359402448378397421
留出油輸出(万バレル/日)11268478277125
表5 石油製品出荷量(需要) (出展元 EIA)
石油製品需給(日量)

 原油の需要側では製油所稼働率が前週比で5.5%と上昇し原油消費量は前週より95万バレル増加した日量1438万バレルとなった。製油所の稼働率が2月の寒波前まで上昇し、原油消費量が増加した。
 主要な石油製品ではガソリン生産量が前週比で30万バレル減少した857万バレル、輸入量は2万バレル増加した93万バレルとなった。ガソリンの出荷量は28万バレル減少した816万バレル、輸出量は15万バレル減少した43万バレルだった。出荷量が生産量より減少したほか、輸入量の増加でガソリン在庫が増加に転じた。
 次に留出油は生産量が38万バレル増加した460万バレル、輸入量は14万バレル増加した66万バレルだった。留出油の出荷量は43万バレル減少した359万バレル、輸出量は34万バレル増加した112万バレルとなった。生産量の増加と出荷量の減少で在庫が増加した。
 ジェット燃料生産量は5万バレル増加した130万バレル、出荷量は2万バレル増加した103万バレルだった。
 石油製品全体の出荷量(需要)は前週比で23万バレル減少した1870万バレルとなった。原油在庫が192万バレルの増加、ガソリン在庫が20万バレルの増加、留出油の在庫が380万バレルの増加で、全ての石油製品在庫に原油在庫を加えた全石油在庫は前週比で480万バレル増加した19億2940万バレルだった。

石油製品価格(表6と表7)

 表6はニューヨーク港渡しの石油製品のスポット卸売価格となる。今週のガソリン卸売価格は約30セントの急落、ディーゼル燃料卸売価格も約15セントの急落となった。前年同時期は新型コロナウイルスの感染が急拡大し原油価格が急落した時期に当たる。

スポット卸売価格
(ニューヨーク港渡し)
3/193/123/52/26前年同時期  
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
1.8902.2112.0501.8970.606
ディーゼル燃料
(ドル/ガロン)
1.8221.9581.9511.8971.021
原油
(ドル/バレル)
61.4365.5966.0861.5519.48
表6 石油製品受渡価格 (出展元 EIA)

 表7は全米の石油製品の小売価格の全国平均を週ごとに集計した結果で、今週のガソリン小売価格は1セントから2セント、ディーゼル燃料の小売価格は横ばいとなり価格上昇が穏やかとなっている。

小売価格3/22  3/15  3/8  3/1  2/22  前年同時期    
レギュラーガソリン価格
(ドル/ガロン)
2.8652.8532.7712.7112.6332.120
中間グレードガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.2653.2413.1503.0843.0062.580
プレミアムガソリン価格
(ドル/ガロン)
3.5163.4953.4103.3443.2632.817
ディーゼル燃料価格
(ドル/ガロン)
3.1943.1913.1433.0722.9732.659
表7 石油製品全国価格 (出展元 EIA)

今後の見通し

 原油生産量は日量1100万バレルと10万バレルの増加だった。需要面では製油所の稼働率が5.5%上昇した84.1%となり2月の寒波前の水準を回復した。原油消費量は112万バレル増加した日量1438万バレルとなった。原油輸出入は日量324万バレルの輸入超過で、輸入量が前週比で日量30万バレル増加した日量562万バレル、輸出量が4万バレル減少した日量238万バレルとなった。原油消費量が増加となったが、原油生産量と輸入の方が多く原油在庫が増加した。
 ガソリンは出荷量も生産量も減少となったが、輸入量が増加したため在庫は増加となった。
 留出油は生産量が増加したことに加えて出荷量が減少となったことで在庫増となった。
 全ての石油製品の出荷量は日量23万バレル減少した1870万バレル、全ての石油製品と原油を合わせた在庫は、480万バレル増加した19億2940万バレルだった。
 今週の原油先物相場は23日にスエズ運河で大型コンテナ船が座礁したことにより、中東から欧州に向かう原油の供給ルートが閉鎖されるアクシデントが発生したことにより高騰している。相場は今日になって落ち着きを取り戻しているが、船の撤去は難航しており、仮に運河の正常化までの期間が長期化すれば再度の原油価格の支援材料となる可能性がある。

※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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