会員限定ページへログイン

IDとパスワードは半角英数字で入力してください。
最新情報をすぐに閲覧したい方は有料メルマガ登録(まぐまぐ!)をしてください。

  • ◆ ID
  • ◆ パスワード

コラム
column

2021/03/05

エネルギー速報:今週の天然ガス在庫統計と今後の見通し(つらつらコラム3月5日)

ダイジェスト

・2月26日時点の天然ガス在庫は各社予想143Bcf減に対して98Bcf減と予想より在庫量の減少幅が弱気な内容だった
・2月26日時点の天然ガス在庫量は1845Bcf(有効容量の59.1%)
・2月25日から3月3日の期間の天然ガス供給量は95.8Bcf(前週比6.0Bcf増加)
・2月25日から3月3日の期間の天然ガス国内需要量は106.2Bcf(前週9.7Bcf減)
・国内需要の内訳は発電需要が1.4Bcf減、住宅・商業用需要が9.9Bcf減、工業用が1.1Bcf減。寒波が更に弱まり暖房用需要(発電需要、住宅・商業用需要)が大幅に減少した
・LNG輸出用需要は2.4Bcf増
・メキシコ向けパイプライン輸出需要は0.4Bcf増となり寒波前(2週前)と同等水準まで回復
・今後の気温予報ではアメリカの多くの地域で平年以上の気温が続く見通し

週間天然ガス在庫総評

 EIAが先週木曜日に発表した2月26日時点の週間天然ガス在庫量は前週比で98Bcf減少で各社予想の143Bcf減少よりかなり弱く在庫量は1845Bcfとなった。図1は天然ガス在庫量を過去5年の平均・変動幅と比較している。今回はおおよそ平年並みの減少で、引き続き過去5年の平均を割りこんでいる。

図1 天然ガス在庫量(青線)と5年平均(黒線)、変動幅(灰色)との比較(出展元 EIA)

 表1はアメリカの地域別在庫の内訳となる。寒波は完全に後退し、東部や中西部を除けば在庫に大きな減少はなかった。全米の在庫量は1845Bcfと前週と比べると98Bcfの減少となり、在庫量は平年(5年間の平均)に比べて178cf少なく、前年比で277Bcf少ない。現時点の在庫は天然ガス貯蔵施設の設計容量(4693Bcf)の39.3%、有効容量(4261Bcf)の43.2%となった。

表1 アメリカの天然ガス在庫量(出展 EIA)

天然ガス供給

 表2は2月25日から3月3日の間の天然ガス供給量の内訳となる。天然ガスの生産は91.1Bcfと前週より8.4Bcf増加した。ただし、寒波による凍結で生産できないガス田が生じていたが、おおむね回復したとみられる。次にカナダからの輸入は4.6Bcfと前週から2.1Bcfの減少となった。天然ガスの総供給量は95.8Bcfと前週から6.0Bcfの増加となった。

図3 天然ガス供給一覧(出展元 EIA)

天然ガス需要

 表3は2月25日から3月3日の間の天然ガス需要量の内訳となる。需要量全体は106.2Bcfとなり前週比で9.7Bcfの大幅減少となった。
 アメリカ国内需要は84.2Bcfと前週比で12.4Bcf(12.8%)の減少となった。寒波が弱まったことから更に発電用(5.2%減)と住宅用(22.4%減)を中心に暖房用需要が大きく低下し平年並みの数字となっている。内訳では発電需要が1.4Bcf減少した25.4Bcf、工業需要が1.1Bcf減少した24.2Bcf、住宅・商業用需要が9.9Bcf減少した34.6cfとなった。
 輸出需要ではメキシコ向けパイプライン輸出が前週比0.4Bcf増加した5.5Bcfと寒波前の水準へ回復している。LNG輸出は前週比で2.4Bcf増加した9.8Bcfと10Bcf近くまで回復した。

図4 天然ガス需要セクタ別一覧(出展元 EIA)

採掘用リグ稼働数

1月26日時点2月2日時点2月9日時点2月16日時点2月23日時点
原油用295基299基306基305基309基
天然ガス用88基92基90基91基92基
表2 ベーカー・ヒューズ社発表の原油・天然ガス採掘用リグ数の前週からの変化

 表2はベーカー・ヒューズ社が発表している原油・天然ガス採掘用リグ数となる。2月26日発表の現在最新のレポートによると稼働リグ数は、原油採掘用リグ稼働数が前週から4基増加した309基、天然ガス採掘用リグ稼働数は1基増加した92基となった。リグの総数はどちらの用途でもない1基のリグを加えて前週から5基増加した402基だった。

今後の見通し

LNG輸出

 図5はNGI社が提供している天然ガスのLNG基地に接続されているパイプラインの流量でLNG輸出量の推定値となる。寒波以降、輸出量が次第に増加し28日には10.0Bcf超えるまで回復した。EIAによれば2月25日から3月3日の間に全米6か所のLNG輸出基地に17隻のLNGタンカーが寄港し、62BcfのLNGが輸出されている。

図5 LNG基地向けパイプライン流量(出展元 NGI)
国内需要

 図6はNOAAが今日発表した10日後から14日後(3月12日から18日)の気温予報でアメリカの西側では平年以下の気温、大西洋岸からフロリダ湾までは平年以上の気温となる見通し。図7は2月28日発表のNOAAの1か月予報となる。1か月予報ではアメリカの多くの地域で平年以上の気温となっている。すでに冬の終わりが近く今後は暖房用需要が減速すると考えられる。

まとめ

 今週発表の2月26日時点の天然ガス在庫はアメリカ南部を襲った寒波の影響が薄れて、予想の143Bcf減を上回った98Bcf減となり平年並みの減少量となった。天然ガス在庫は過去5年間の平均値を割り込んだ。寒波が去り、減少していた生産の回復と暖房用需要の急減により、在庫減少幅が小さくなった。
 発表された2月25日以降の輸出需要は寒波からの回復が進み10Bcfまで増加した。最新の天気予報によるとアメリカの1か月予報で平年以上の気温となる予報となっていることと冬が間もなく終わるため、アメリカ国内需要は伸び悩むと考えられる。一方で寒波で停止していた天然ガスの生産はほぼ寒波前まで回復した。冬の終わりに伴う暖房需要減と在庫増で天然ガス相場は下落に向かっている。


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

Contact

お問い合わせ

お問い合わせ、アポイント予約は
こちらからお気軽にご連絡ください。

Register

有料メルマガ登録

有料メルマガ登録をしていただいた方は
鍵マークのついた記事もご購読いただけます。