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コラム
column

2021/04/12

穀物速報:4月のUSDA需給報告と今後の見通し(つらつら分析2021年4月12日)

 

ダイジェスト

・大豆(アメリカ)
 全ての供給項目が据え置き
 需要面では輸出が0.30億ブッシェル増加、油脂用が0.10億ブッシェル減少するなど変動があったが総需要は45.75億ブッシェルで変わらず
 予想期末在庫は1.20億ブッシェルで据え置き
 在庫は直近7年で最低の水準

・コーン(アメリカ)
 全ての供給項目は据え置き
 需要面では輸出用が0.75億ブッシェル増加、エタノール用が0.25億ブッシェル増加などで総需要が1.50億ブッシェル引き上げられた147.75億ブッシェルとなった
 予想期末在庫は1.50億ブッシェル減少した13.52億ブッシェルとなり市場予想を下回る強気な結果だった

・世界需給
 乾燥の為アルゼンチンのコーン生産量が50万トン引き下げられた4700万トン、大豆生産量は4750万トンで据え置き
 降雨による作柄改善でブラジルの大豆生産量は200万トン引き上げられた1億3600万トンとなった。作付遅延による減収が心配されるコーン生産量は1億900万トンで据え置き
 中国の大豆需要は200万トン引き下げられた1億1470万トン、コーン需要は据え置かれた2億8900万トン

総評

 USDAは日本時間4月9日26時に4月の穀物の需給報告が発表した。今回の報告は南米アルゼンチンの乾燥によるコーンや大豆への影響、ブラジルの大豆生産量と大豆の収穫遅れがコーンの生産量に影響かどうか、今シーズンのアメリカ産大豆とコーンの生産量予想と期末在庫予想がどうなるかが注目材料となった。
 報告では大豆では作付面積など供給側のすべての項目が前月より据え置きとなった。需要側は輸出需要が0.3億ブッシェル引き上げられたが、油脂用などが引き下げられたため、需要全体では横ばいとなった。結果予想期末在庫は1.20億ブッシェルのまま据え置かれている。前月に引き続き7年間で最低の水準となり予想価格が10セント引き上げられた。
 コーンの供給側は全ても項目で据え置かれたが、需要側では輸出が0.75億ブッシェル、バイオエタノール用が0.25億ブッシェル、飼料用が0.50億ブッシェルなど1.50億ブッシェル引き上げられた結果、予想期末在庫は1.50億ブッシェル引き下げられた13.52億ブッシェルとなった。
 世界の大豆生産では南米アルゼンチン産は4750万トンで据え置き、ブラジル産は200万トン増加した1億3600万トンとなると予想されている。南米産コーンではアルゼンチン産が50万トン引き下げられた4700万トン、ブラジル産の生産量は1億900万トンで変化がなかった。需要面では中国が200万トン引き下げられた1億1470万トンとなっている。コーンの需要面については欧州で需要の引き上げ、日本や韓国で需要が引き下げられたが、最大の需要国である中国は2億8900万トンで変化がなかった。
 大豆は据え置きとなったアメリカの期末在庫は材料視されず、ブラジル産大豆の予想生産量が200万トン引き上げられたことを材料に取引終了時間まで売りが優勢となった。コーンは市場予想と比べて期末在庫が予想外の強気な内容となったことで一時高騰したが、まもなく利食い売りに押されて下落で引けた。

需給-大豆-

 表1が大豆の2019/2020年シーズン(旧穀)の需給予想と2020/2021年シーズン(新穀)の需給見通しで、2020/2021年シーズンについては前月の報告と比較している。

           2019/2020年
シーズン(旧穀)予想
(4月時点)
2020/2021年
シーズン(新穀)見通し
(3月時点)
2020/2021年
シーズン(新穀)見通し
(4月時点)
作付面積(万エーカー)      761083108310
収穫面積(万エーカー)749082308230
単収(ブッシェル/エーカー)47.450.250.2
期初在庫(億ブッシェル)9.095.255.25
生産量(億ブッシェル)35.5241.3541.35
輸入(億ブッシェル)0.150.350.35
供給合計(億ブッシェル)44.7646.9546.95
消費合計(億ブッシェル)39.5245.7545.75
 内圧砕(油)(億ブッシェル)21.6522.0021.90
 内輸出(億ブッシェル)16.8222.5022.80
期末在庫(億ブッシェル)5.251.201.20
平均価格(セント/ブッシェル)85711151125
表1 大豆の需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2019/2020年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は実測値

 今月の報告では2020年/2021年シーズン(新穀)の作付め面積や生産量などの供給面はすべて据え置きとなった。需要面では圧搾(油脂)用が0.10億ブッシェルの引き下げ、輸出用が0.30億ブッシェル引き上げられたが、総需要量は据え置きとなったため予想期末在庫も前月から据え置かれた1.20億ブッシェルのままととなった。価格予想については約1%の上昇とほぼ据え置きとなっている

需給-コーン-

 表2はコーンの2019/2020年シーズン(旧穀)の需給予想と2020/2021年シーズン(新穀)の需給見通し、および新穀の前月の予想を比較したものとなる。

           2019/2020年
シーズン(旧穀)予想
(4月時点)
2020/2021年
シーズン(新穀)見通し
(3月時点)
2020/2021年
シーズン(新穀)見通し
(4月時点)
作付面積(万エーカー)      897090809080
収穫面積(万エーカー)813082508250
単収(ブッシェル/エーカー)167.5172.01720
期初在庫(億ブッシェル)22.2119.1919.19
生産量(億ブッシェル)136.20141.82141.82
輸入(億ブッシェル)0.040.020.02
供給合計(億ブッシェル)158.83161.27161.27
消費合計(億ブッシェル)139.63146.25147.75
 内飼料用(億ブッシェル)58.9756.5057.00
 内工業・種子・食品用(億ブッシェル)62.8763.7564.00
  内エタノール用(億ブッシェル)48.5749.5049.75
 内輸出(億ブッシェル)17.7826.0026.75
期末在庫(億ブッシェル)19.1915.0213.52
平均価格(セント/ブッシェル)356430430
表2 コーンの需要と供給見通し(出展元 USDA)
*2019/2020年の内、作付面積、収穫面積、単収、期初在庫は実測値

 今月の報告では2020年/2021年シーズン(新穀)の作付面積など供給側はすべて据え置きとなった。消費側では飼料用が0.50億ブッシェル、バイオエタノール用が0.25億ブッシェル、輸出が0.75億ブッシェルと1.50億ブッシェル引き上げられた。これらを受けて期末在庫は1.50億ブッシェル引き下げられた13.52億ブッシェルとされたが、価格は据え置きとなっている。

世界需給のダイジェスト

大豆

 2020年/2021年シーズン(新穀)の世界の予想生産量は前月の3億6182万トンから約137万トン引き上げられた3億6319万トンとなった。主要国生産国ではアメリカ産が1億1255万トンで据え置き、南米ではアルゼンチン産が4750万トンで据え置き、パラグアイ産が50万トン引き下げられた970万トンとなったが、ブラジル産は200万トン引き上げられた1億3600万トンとなった。ブラジル南部産地における作柄改善が今月も反映されている。
 需要側では世界全体の消費量が2月の3億7131万トンから176万トン引き下げられた3億6955万トンとなった。主要輸入国である中国の需要が200万トン引き下げらられた1億1470万トン、欧州需要は15万トン引き上げられた1866万トンとなった。

コーン

 2020年/2021年シーズン(新穀)の世界の予想生産量は前月の11億3631万トンから66万トン引き上げられた11億3705万トンとなった。主要生産国ではアメリカ産が3億6025万トン、ブラジル産が1億900万トン、ウクライナ産が2950万トン、南アフリカ産が1700万トン、ロシア産が1387万トンで据え置かれた。アルゼンチン産は50万トン引き下げられた4700万トンだった。主要生産国以外のパキスタンやエクアドルの生産増が世界の予想生産量を増加させている。南米アルゼンチン産乾燥による収穫減は予想に盛り込まれたが、ブラジルの大豆収穫遅れがコーン生産へ与える影響は今回も反映されなかった。
 世界の予想需要は前月の11億5177万トンから約442万トン引き上げられた11億5619万トンとなった。主要輸入国のうち欧州が30万トン引き上げられた7730万トン、日本は5万トンと微減した1560万トン、韓国が20万トン引き下げられた1140万トン、メキシコは4385万トンで据え置きとなった。中国需要は2億8900万トンで今月も据え置かれた。

今後の見通し

 4月のアメリカの需給報告では2020年/2021年シーズンの大豆・コーン共に作付け面積など需要側のすべての項目が据え置きとなった。大豆の総需要は前月から変わらず予想期末在庫は1.20億ブッシェルで据え置かれた。大豆在庫は引き続き過去7年で最低の水準となっている。コーンの期末需要は輸出需要やエタノール需要、資料量需要の引き上げで1.50億ブッシェル引き上げられ、予想期末在庫は13.52億ブッシェルとなった。

 世界需給では前月の報告と比べて大豆の予想生産量がブラジルで200万トンの引き上げとなった。コーンの予想生産量はアルゼンチンが干ばつの影響を受けて50万トンの引き下げとなったが、作付遅れによる収穫減が期待されるブラジル産コーンの生産量は据え置きとなった。
 大豆需要では中国の需要が200万トンの引き下げとなっているが主要輸入国は据え置き、世界全体では176万トンの需要引き上げとなった。コーン需要は主要輸入国で据え置きとなったが、世界全体の需要が伸びたことでは442万トンの需要引き上げとなった。

 今回の需給報告では大豆・コーン共に供給側には大きな変化がなかった。事前の市場予想では大豆の期末在庫予想は据え置き、コーンの期末在庫の減少を見込んでいたが、コーンの需要が伸びたため、予想を上回る減少となる強気な結果となった。南米の産地ではアルゼンチンが乾燥を反映してコーン生産量が50万トンの引き下げ、ブラジルでは降雨による作柄改善を反映して大豆生産量が200万トン引き上げられた。
 今後の大豆相場は生産量が上方修正されたブラジル産など南米から大豆が供給されることで需給が緩み相場は下落すると予想される。一方でコーン相場の方はブラジル産の作付遅れによる生産減少は予想に未だ盛り込まれておらず、今後のブラジルの天候次第で生産量の減少と価格が上昇する可能性が残っていると考えられる。引き続き南米の天候に注意したい。また、アメリカではコーンの作付が始まっている。北米の天候にも注意したい。
 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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