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コラム
column

2021/04/13

穀物速報:クロッププログレスレポートと南米産地の見通し(つらつらコラム2021年4月13日)

ダイジェスト

・コーンの農作業進展は平年並み
・アメリカのコーンベルト西側では土壌が引き続き乾燥しており、春の雨が待たれる
・ブラジルの2期作目のコーンの主要産地ではこの先2週間も雨が少ない見通しで、一部の農業会社は生産量予測を引き下げている。大豆の生育と収穫作業は進む
・アルゼンチンでは収穫作業が始まっている

クロッププログレスレポート

 USDAがクロッププログレスレポートの公開している。本格的に農作業のシーズンが始まった。なお、今回のレポートでは大豆の作業割合については進捗がなく公開されていない。

アメリカ産コーンの農作業の進展率

 表1の左側3列はコーンの作付割合を前年度と過去5年間の平均と比較したものとなっている。まだ始まったばかりだが少しづつ農作業が進展している。進展率は過去5年平均と同等となっている。
 表1の右端の2列は畑(表面と土中)の乾燥度を示しており、USDAが極度の乾燥、乾燥、普通、湿潤の4段階で発表している中で、最下位の極度の乾燥の畑の割合を示している。赤字はコーンベルト西側、青字はコーンベルト東側の州を示しており、*印のついた州はコーンの作付面積が500万エーカーを超えるコーンの主要生産州を示している。コーンベルト西側の南北ダコタ州やアイオワ州、カンザス州では引き続き土壌が乾燥していることが分かる。これらの地域では春の雨による状況の改善が待たれている。一方でウィスコンシン州では雨による乾燥改善が見られている。

コーン作付率2020/4/112021/4/42021/4/112016-2020
avg.
乾燥度合い:
表面
乾燥度合い:
土中
コロラド11531
*イリノイ15100
*インディアナ12114
*アイオワ1412
*カンザス528856
ケンタッキー1010711
ミシガン124
*ミネソタ44
ミズーリ318900
*ネブラスカ59
ノース・カロライナ251162010
ノース・ダコタ25852
オハイオ223
ペンシルヴァニア125
*サウス・ダコタ1923
テネシー101111200
テキサス625557562425
ウィスコンシン153
18州平均3243
48州平均1213
48州平均(前週)1212
表1 コーンの作付割合(出展元 USDA)

南米の天候と作柄情報

 収穫が本格化している南米の天候と発表されている作柄情報についてまとめてみる。

ブラジル
図3 過去2週間(3/28~4/11)のブラジルの降水量を平年と比較したもの (出展元 NOAA)

 図1はブラジルの過去週間の降水量を示している。平年(1981年から2010年の平均)の降水量に対して降水が25mmから100mm少ない状況となっている。

 図2左側は今後1週間の、図2右側は1週間後から2週間後までの降水量が平年に対して少ないことを示している。ブラジル産の大豆の多くは収穫を待つばかりとなっているため、少雨はむしろ農作業の面や豆の乾燥の面でプラスに働いている。一方で作付が遅れているブラジル産の2期目のコーンにとっては5月までの降水が作柄に大きく影響を与えるので、生産量の減少が懸念されている。
表2は、直近のブラジル産の大豆とコーンの生産量予測をまとめたものとなる。大豆についてはマトグロッソ州などを中心に従来の予想以上の作柄となっており、2月以降生産量がたびたび引き上げられている。

大豆生産量予測(3月)生産量予測(4月)
USDA1億3400万トン1億3600万トン
ブラジル国家食糧公社(CONAB)1億3513万トン1億3554万トン
アグロコンサルト1億3240万トン(2月)1億3710万トン
表2 ブラジル産大豆の生産量予測

表3はコーンの生産量予測を示している。USDAやCONABは生産量を据え置いているが、民間の農業コンサルタント会社の予想ではすでに約400万トンの減収がみこまれている。今後の天候に注意したい。

コーン(2期作目のみ)生産量予測(3月)生産量予測(4月)
USDA(総生産量、参考)1億900万トン1億900万トン
ブラジル国家食糧公社(CONAB)8280万トン8260万トン
アグロコンサルト8280万トン7830万トン
表3 ブラジル産コーンの生産量予測
アルゼンチン
図3 過去2週間(3/28~4/11)のアルゼンチンの降水量を平年と比較したもの (出展元 NOAA)

 図3は過去2週間のアルゼンチンの降水量を示している。アルゼンチンでは3月まで乾燥が続いていた(反対にブラジルでは降雨)が、3月末以降は平年を25mmから所によって100mm上回る降水量がありブラジルとは対照的な状態となっている。

 図4左はこれから1週間後までの、図4右は1週間後から2週間後までの間の降水量が平年と比べてどうかを示している。今後1週間は平年並み、その後は平年を上回る降水が予想されている。ただし、この降雨は作柄改善には手遅れとされており、今月の需給報告でコーンの生産量が4750万トンから4700万トンへ引き下げられたように生産量が減少する事はあっても増加することは無いと考えられる。

まとめ

 アメリカではコーンの農作業が始まっている。現状でコーンについては平年並みの進捗と言えるが、大豆の情報については今しばらく作業待ちの状況が続くと思われる。
 ブラジルでは大豆の後に植えられる2期目のコーンの作付は終了したものの作付遅れで生育時期が乾季になる公算が大きくなっている。すでに雨季が終わりつつあるが、残りの期間は平年より少雨が続くと予想されており、一部の農業コンサルタント会社は生産量予測の引き下げを始めている。一方で、アルゼンチンでは既に大豆コーン共に成熟期に入っており、天候が作柄に与える影響は小さいと考えられる。
 今後、南米産大豆の流通で大豆需給は緩み相場下落傾向になる可能性が高いと考えている。コーンについてはブラジルで乾燥懸念が高まっているため相場は高止まりしやすい状況が続くと考えている。加えて中国が大量輸入するかどうかで大きく相場が動く可能性もあるので、ヘッドラインや天候情報に注意したい。

 


※このコラムで紹介している相場の動きの見方や見通しなどは執筆者の主観に基づくものであり、利益の増加や損失の減少を保証するものではありません。

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